”『江戸人のしきたり-②』-について




江戸前とは、もともと何のことを言ったのか


「江戸前」といえば、鮨を連想する人が多い。「江戸前」という言葉は江戸城の前面の海川でとれた魚という意味で用いられている。その魚で握った鮨が「江戸前鮨」である。


※江戸前の風は団扇(うちわ)でたたきだし


※江戸前にのたをうたせる女あり


※江戸前の息子はのらりくらりする


最初の句は鰻屋の風景を詠んだものである。鰻屋に団扇はつきものである。2句目は、鰻を扱っている女性を詠んだもので、「江戸前」は鰻を意味している。「江戸前」という言葉は、江戸時代には生粋の江戸っ子という意味にも使われていた。3句目の「江戸前」は、その意味と、鰻の両方の意味を兼ねている。