”1ドル88円台に突入!!”



 ついに1ドル88円台に突入した。輸出産業に頼る日本にとっては”金融恐慌”に続いても”円高”のダブルパンチである。トヨタもソニーもホンダもマツダも派遣社員や季節労働者の大幅解雇に踏み切った。派遣社員は解雇に伴い住んでいるアパートも追い出されて、師走の寒空に放り出されることとなった。大企業の冷たい仕打ちに派遣労働者や季節労働者はやるせない気持ちであろう。彼らにとっては、本当に死活問題である。


”小泉・竹中”ラインによるアメリカ追従政策が完全に裏目に出た結果と言えよう。アメリカは、日本企業の弱体化をもくろんで、日本企業の強さの秘密を研究していた。そして結論として、”年功序列制度”と”終身雇用制度”の崩壊をたくらんだ。この尻馬に乗った”小泉・竹中ライン”が派遣制度を定着させて、日本企業の弱体化に手を貸したというわけである。この”小泉・竹中ライン”は”円安・低金利”という政策も持続して、今回の”金融恐慌”の手助けもしたということになる。低利ではうまみがないので日本のお金はどんどんアメリカに流れ、アメリカの貧困層の消費や”ウォール街”の金融投資に廻された。アメリカのウォール街では潤沢な資金により”やりたい放題”の投資をした。たとば投機的な運用により、”原油の先物価格”は暴騰して一時はガソリンが1リットル190円にも上がった。また、東京をはじめとする都心部では”ファンド”による土地買い占めが起こり、土地価格は一時暴騰した。また、この”ファンド資金”により、マンションも乱立した。現在の中堅マンションメーカーの倒産ラッシュはこの資金に起因しているのである。この建築ブームは世界中に波及し、ロシアでもドバイでも超大型プロジェクトが完成をまたずに頓挫しているという。また消費について言えば、アメリカ国民は返済出来ないほどの消費をして、”住宅”・”自動車”・”電化製品”等々をローンやクレジットで買いまくった。それらにより日本企業は大いに潤い、円安メリットも享受してきたということである。トヨタをはじめとした輸出企業は昨年、空前の黒字を計上したのである。


今回の”金融恐慌”により、日本の輸出産業は大打撃を受けたし、国内産業もそのあおりを受けた。たぶん1980年代からこの構図は変わっていないと思うし、いつ破裂するかという事だったのであろう。それが、サブ・プライムローンの破綻から今回の事態が露見し、こういうことに至ったということである。アメリカの優秀な人材は”ウォール街”を目指し、彼らは、次から次に目先を変えて”新商品”を開発して世界中に売りまくった。彼らは”銭儲け”になれば何でもやったのである。いわゆるアメリカの金融界全体が”大型詐欺”を世界を相手にしていたということである。この”カラクリ”に気が付いていた人々はいたと思うが、大多数の人々は”漠然と”この経済環境に慣れて、この状態が続くものと思っていたわけである。


しかし、今回の”金融恐慌”は必然であったということであり、我々は冷静に受け止めなければならない。日本の大企業もすぐに”人員整理”に入るのではなく、雇用の持続性を確保すべきである。日本の大企業には長年の経験と知恵と資金の蓄積があるのであるから、「赤信号、みんなで渡ればこわくない。」というような、”火事場泥棒的な”行動に出るのはいかがなものであろうか?とくにトヨタやソニーといった”リーディング・カンパニー”といったような企業が我先に”首切り”に走るのは、見ていて”うざとい”としか言いようがない。


しかし、悲観するようなことばかりではない。一時は1バレル147ドルにもなっていた原油価格は今では1バレル43ドルになっているし、円高メリットで輸入品も安くなっている。工業用の原材料も当然安くなるはずである。自国の通貨が他国に比べて相対的に高いということは、別の意味では良いことである。特に大企業の経営者たちは、今後の”世界戦略”において、”円高メリット”を最大限に生かすようなヴィジョンをもって欲しいものである。

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