”逆臣・青木幹雄!!-③”


 この密室での会談が後日、「五人組」による謀議といわれている。まず第一に、脳梗塞で倒れた”小渕総理”が意識がもどらず、”青木幹雄”以外だれも接触していないという状況で、「後は万事宜しく頼む」と青木に請託できたかどうかにかかっている。後に医師団の見解ではとても物の言える状態ではなく当然、判断能力もなかったはずである。


この状況で、総理より「後を頼む」ということで、”首相臨時代理”に就任して、小渕内閣の閣僚から辞表を集めて、総辞職した。それで、国会で首班指名を行い”森喜郎”を総理大臣に指名することに成功した。ここで、問題は、”首相臨時代理”の有効性である。この有効性が認められなければ、新総裁・新総理も認められない。小渕総理から青木官房長官に権限が移譲されたかどうかは誰にもわからないからである。脳梗塞で倒れて、面会謝絶であり、意識の戻らなかった小渕総理が本当に、青木に首相臨時代理になり、後のことを頼んだか?


その不透明性により”森政権”は誕生の時から、霧のかかったような内閣となった。くしくも、”森喜郎”の渾名は「シンキロウ」である。森の名前の音読みである。大きな図体が”蜃気楼”に隠れてよく見えなかった、という訳である。かくして”青木幹雄”は子分である”森喜郎”を総理大臣にすることに成功し、竹下の一介の秘書であった青木が参議院のドンとして君臨することとなった。