”ギャンブル人生-②”



 クレージーキャッツのリーダー『ハナ・肇』がいた。ハナは鼻の穴が大きくひらくことから、肇は和田肇(ジャズピアニスト)から取ったそうである。このハナ・肇の麻雀が面白い。手の中はグチャグチャであるのに、一牌目の字牌に飛びつく。ポンならまだわかるがカンをしたりする。カンをするとその字牌がカンドラになる。喰って喰って喰いまくる。とにかく喰い付くマージャンである。雀豪で有名な五味康祐がハナ・肇と麻雀をして、こういった『こんな品の悪い麻雀は見たことがない。』ハナを相手にすると引っかき回されて、普段は技術巧者の人もペースを狂わされてなかなか勝てない。ハナがうまければ手筋を研究すればよろしい。打撃の人なら守備を固めればいい。守備の人ならホームランをねらおう。しかし、ハナはそのどれにも属さない。ノラリクラリとして、一投一打、考え込むような、考え込まないような。オリているのか突っ張っているのかすら判然としない。要するに運が強い。それも、毎晩毎晩、なのである。『あたしの麻雀はね、運を試してるんです。通れば自信がつく。守るのは誰だって守れるんだ、なにくそ、俺は行くぞ。そこがお遊びですよ』なにくそと、とは私も思う。しかし大概は結果が悪い。---たいてい普通の人の人生の運の総量は決まっているのではないかと思うのであるが、人並みはずれて運の総量が多い人もあるのかもしれない。凡人は、バクチのようなものに運の無駄遣いをしないでもっと他のことに使ったらいいのにと思うのはいらぬおせっかいかもしれない。