ジオラマ。 ~4.日常 side.S~ | Meaning

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日記と言うより言葉を徒然と。

「今日は・・・来ないのかしら・・・」
陽が落ちて星の瞬き始めた空を見上げて彼女は寂しげに呟いた。
必ず来ると約束したわけじゃない、と自嘲しながら彼女は紡ぐ。
優しい歌を。
「・・・あら、もう見つかっちゃったのね」
「翠蓮様・・・お迎えに上がりました」
「・・・有難う、銀<シロガネ>」
銀と呼ばれた青年は翠蓮に手を伸ばし立たせると自身の羽織っていたショールを翠蓮に纏わせる。
「お風邪を召されますよ。まだ肌寒いですから」
人の良さそうな笑みを浮かべて手を引く。
「有難う・・・でも貴方が風邪引いちゃうわ。」
「私は丈夫ですから。さ、帰りましょう。父君もご心配なされます」
「・・・そうね・・・」
視線を落として彼女はゆっくりと歩き始める。