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妄想劇場

現実逃避の日々

ジョゼ寺院ではアルベド族が魔物と戦っていた。

寺院の前にギップルがいた。

ギップル  「よお、シドの娘!」

ギップルはリュックの頭を小突いた。

リュック  「リュックだってば~・・・・。」

口を尖らせてリュックが言った。

ユウナ  「仲いいねえ。」

ギップル  「昔付き合ってた。」

いたずらな笑みを浮かべるギップル。

ユウナ  「え!?」

リュック  「何言ってんの!?」

顔を真っ赤にしてギップルを突き飛ばすリュック。

ギップル  「いい反応するなぁ。」

嬉しそうにリュックの頭をなでるギップル。

ギップル  「悪いけど、今は発掘どころじゃないんだ。」

リュック  「ここにも出たんでしょ、魔物。退治してあげようか?」

ギップル  「魔物退治ねえ・・・・・。

        スフィアハンターは廃業?」

ユウナ  「休業。今はお助け屋をしてるの。

       よかったら、私たちにまかせてみません?」

ギップルはユウナの顔をジッと見て、背を向けた。

ギップル  「やだね。

        あんたは『シン』を倒してくれたからな。

        いつまでもあんたに頼っちゃあカッコつかないってこと。

        自分の世話は自分でするさ。」

リュック  「カッコつけ~。」

ひやかすリュック。

それを鼻で笑うギップル。

ユウナ  「無理しないでね。」

ギップル  「あんたこそ。」

ユウナ  「はい。」

ユウナは笑って答えた。

パイン  「帰ろう。」

言うが早く、パインは先に歩き出した。

ユウナたちもパインの後を追った。

次に目指すのはマカラーニャ。

キーリカは、また新エボン党と青年同盟の間で対立が起こっており、青年同盟は新エボン党の寺院から魔物が出たという情報を信じておらず、村と森の境界を封鎖していた。

ユウナたちも通してもらえず、ユウナたちはドナのところにお願いに行った。

ドナ  「あらあらあらあら・・・・・何しに来たわけ?」

イジワルそうにドナが迎えた。

ユウナ  「寺院から魔物が出たって聞いたから。」

ドナ  「じっとしていられないんだ。」

ユウナ  「えーと、そういうわけじゃなくて・・・・。」

一生懸命説明しようとするユウナ。

ドナ  「魔物なんてほんとかどうか怪しいものよ。」

パイン  「確認してないのか?」

ドナ  「私は青年同盟派。寺院に入れてもらえると思う?」

リュック  「どーする?帰っちゃう?」

めんどくさそうにリュックが言った。

ユウナ  「一応、調べてみようか。」

ドナ  「寺院には近づけないわよ。

     青年同盟が森の入り口を封鎖してるから。

     寺院の奴らがこっちへ来ないように。ま、当然の処置ね。

     おかげであいつの仏頂面もずいぶん見てないわ。」

リュック  「仏頂面って・・・・バルテロ?」

ドナ  「そう。新エボン党員だから寺院にいるのよ。

     もちろん、もう関係ないんだけどね。」

ドナは冷たく、それでも寂しそうに言った。

ユウナ  「私たちが様子見てくるよ。寺院の魔物も気になるし。」

ドナ  「そんなに行きたいなら止めないけど。森への門は通行止めなのよね。」

そう言った後、ドナはしばらく考え、ユウナに言った。

ドナ  「わかったわ。

     私が門番をひきつけておくから、その隙に通ってちょうだい。」

ドナはすぐに家を出て門番のところへ向かった。

ユウナ  「やっぱり気になってるんだ。」

ぼそっとリュックに耳打ちするユウナ。




ユウナたちは門のそばまで寄った。

ドナが門番と話している。

リュック  「やってるやってる♪」

パイン  「残るはひとりか。スキをみて通り抜けよう。」

ユウナたちは隙をうかがった。

ふと青年同盟の人が来た時に門が開いた。

その瞬間にユウナたちも飛び出し、森へ入った。

見張り  「おい、何やってんだ!」

ユウナ  「あっ!?」

パイン  「走れ!」

ユウナたちは走って森の中に入った。

森の中でも二つの組織間でもめており、どちらも入れないように封鎖してあった。

ユウナたちはなんとか木をつたい、森を抜けた。




寺院からは逃げてくる人でごったがえしていた。

どうやら魔物が出たというのは本当らしい。

新エボン党員が魔物たちと戦っていた。

ユウナたちは彼らを救うために寺院の中に入った。

寺院の僧たちはマキナを使って魔物と戦っていた。

ユウナたちも向かってくる魔物を倒しながら先へ進んだ。

途中でケガをしたバルテロを発見した。

リュック  「バルテロ!?」

バルテロ  「大丈夫だ。」

ユウナ  「魔物は?」

バルテロ  「なんとか。でも奥から出てくるんだ。次から次へと・・・・・。

        くそ・・・・・・。

        魔物が島中に広がったらドナが!」

悔しそうに言うバルテロ。

ユウナ  「任せて!」

バルテロ  「・・・・・すまない。」

リュック  「ドナ、会いたがってたみたいだよ。素直じゃなかったけど。」

バルテロ  「俺もドナに会いたい。

        信じる道は違ってもドナを想う気持ちだけは変わらない。

        召喚士の時代は終わっても、俺は生涯ドナのガード!

        ドナを守ることが俺の生きる道!」

バルテロは力をこめて言った。

パイン  「言ってて恥ずかしくないか?」

バルテロ  「ドナ~~~~~~!」

パインを無視し、想いの限り叫ぶバルテロ。

ユウナたちはバルテロを安全なところに非難させ、寺院の奥、祈り子の部屋へ向かった。

中に入ると、召喚獣、イフリートがいた。

ユウナ  「また・・・・。」

パイン  「召喚獣か?」

ユウナ  「・・・・うん。」

リュック  「ユウナ・・・・。」

リュックが心配そうにユウナを見る。

ユウナ  「わかってる。行こう!」

ユウナは構えた。

意識のないイフリートは力いっぱいユウナたちに飛びかかってきた。

ユウナたちはそれをうまくかわし、イフリートを倒した。


イフリートがいなくなると、そこにはベベルと同じような穴が開いていた。

パイン  「ここにも穴か・・・・。」

リュック  「お~~~~い!」

リュックは穴に向かって叫んだ。

パイン  「誰か返事したらどうするんだ?」

ユウナたちは笑いながら寺院を出た。




飛空挺に戻って、みんなで穴について考えた。

リュック  「わっかんないな~・・・・。」

シンラ  「僕、なんでも知ってるし。」

シンラは自信たっぷりに言った。

リュック  「なんで寺院に魔物が出たのかな!?」

シンラ  「正確には、寺院じゃなくて、祈り子がいた部屋から魔物が出た。」

リュック  「そうそう。で、どして?」

シンラ  「・・・・・・・・・僕まだ子供だし。」

シンラはそう言って逃げた。

パイン  「祈り子の部屋って、昔から穴が開いてたのか?」

ユウナ  「ううん。」

リュック  「じゃあ最近できた穴ってこと?」

パイン  「ベベルにもあったな、大きな穴・・・・・・。」

パインがつぶやく。

リュック  「あっちはヴェグナガンのせいでしょ?」

ユウナ  「全部つながってるんだと思う。」

真剣な顔でユウナが言った。

アニキ  「穴が・・・・・つながっている?」

ユウナ  「うん。でも、それだけじゃなくて、いろんな意味でつながっている・・・・。」

アニキ  「ユウナ・・・・・難しいぞ。」

体をくねらせながらアニキが言った。

みんなでいろいろ考えながら次のジョゼ寺院に向かった。



ビサイドに着くと、ユウナはルールーの家に行った。

ユウナ  「魔物は?」

ルールー  「寺院の奥から出てくるわ。

        でも大丈夫。ワッカたちが片付けてくれた。

        幸い、ケガ人もいないし。」

ダチ  「お助け屋カモメ団、出番なしか・・・・。」

残念そうにダチは言った。

ルールー  「逃げた魔物が近くをうろついてる可能性もあるの。

        ワッカたちが手分けして調べてる。協力してあげて。」

ダチ  「カモメ団に任せといてくれ。格安料金で引き受けるぞ。」

笑顔で言うダチ。

ルールー  「はいはい。」

ユウナ  「ごめんね。」

ユウナは苦笑いをした。

ルールー  「いいのよ。じゃあ、見回り、お願いね。

        ユウナの姿を見れば、村のみんなも安心するから。」

ユウナは頷いた。

ユウナがルールーの家を出ると、リュックが走ってきた。

リュック  「ユウナユウナ!なんかまずいよ・・・・・・・。」

困った顔をしてリュックは寺院の方を指差した。

寺院の前でワッカが青年同盟から来たベクレムともめていた。

ベクレム  「何を迷ってるんだ。魔物をまとめて始末できるんだぞ。」

ワッカ  「けど、寺院に火ぃつけるなんてやりすぎだろ!」

ベクレム  「他に方法があるのか。」

言葉を詰まらせるワッカ。

ベクレム  「放っておいたらどんどん魔物が出てくるかもしれない。

        あんた、自分の家族が魔物に襲われてもいいのか!」

ワッカ  「魔物を・・・・・片付けりゃいいんだろうが!」

そう言って、ワッカは寺院に走って行った。

ユウナもワッカを追って寺院に向かった。

ベクレム  「ワッカは奥で魔物退治だ。

        こんな寺院、魔物と一緒に燃やしてしまえばいいんだ。

        いまだにあんなものを拝んで何になる。

        あれを倒したのはあんたたちだろうに。」

ユウナは無視して中に入ろうとした。

ベクレム  「助けに行くのか?長くは待たないぞ。」

ユウナは振り返った。

ユウナ  「そんなに燃やしたいんですか。」

ベクレム  「村人の安全のためだ。」

ユウナは向き直りワッカを助けに行った。




寺院の中の魔物を倒しながら進むと、傷を負ったワッカがいた。

ユウナ  「ワッカさん!」

リュック  「大丈夫!?」

ワッカ  「ちーと疲れた程度だ。たいしたことねえって。」

パイン  「脱出しよう。魔物が多すぎる。

      あの男の言うとおり、火を使った方がいい。」

ワッカ  「この奥に魔物の親玉がいそうなんだよな。そいつを倒せば・・・・・・。」

ユウナ  「焼かなくて済むよね。」

ユウナは懇願するようにパインを見た。

パイン  「・・・・・そうだな。」

笑って答えるパイン。

ユウナも笑うとワッカに言った。

ユウナ  「ワッカさんは、ここ!」

ワッカ  「なんで!」

リュック  「無理しちゃダメだよ、おとうさん!」

そう言うと、座り込んだワッカをおいて先に進んだ。

ワッカ  「おい、待てって!」




ユウナたちは祈り子の部屋に入った。

ワッカも体を引きずりながらユウナたちの後を追った。

ワッカ  「召喚獣!?」

目の前にいたのはユウナの最初の召喚獣、ヴァルファーレだった。

ユウナ  「違うの。この子はもう・・・・・。」

リュック  「ワッカ、下がって!危ないってば!」

ユウナたちはバハムートと同じく、意識をなくしたヴァルファーレと戦った。


倒すと、ユウナはため息をついた。

ユウナ  「私の・・・・・最初の召喚獣だったんだ。」

パイン  「うん。」

ユウナ  「私、ビサイドで育って、ここで召喚士になって・・・・・。」


ユウナ  「その時、初めてキミに会って・・・・・・。」


ユウナ  「だからここを守らなくちゃ・・・・・。」

ユウナは切ない笑顔を見せた。

ワッカ  「ユウナ・・・。」

ユウナたちは寺院を出た。




パイン  「片付けたぞ。」

ベクレム  「そうか。

        無事で何より・・・、でもないようだな。」

引きずって帰ってきたワッカを見てベクレムは言った。

ベクレム  「あんたもじき父親だろうが。

        もしものことがあったらどうする気だったんだ?」

ベクレムはそう言うと去っていった。

リュック  「うるさい、いじわる!」

リュックは離れていくベクレムに叫んだ。

ワッカ  「いいって。」

苦笑いをするワッカ。

ワッカ  「あいつの言うことだって間違っちゃいねえよ。」

ユウナ  「ワッカさん・・・・・。」

ワッカ  「思い出を守るために死んじまったら何にもならねえ。」

リュック  「すごーく大事な思い出でも?」

ワッカ  「「思い出は優しいから甘えるな」、アルベドがよく言うだろ?」

リュック  「そうだけどさ~。」

ワッカはそれ以上何も言わなかった。

ユウナたちはワッカを家まで見送ることにした。

すると、飛空挺から通信が入った。

アニキ  「ユウナ、無事か?」

ユウナ  「うん、平気!」

アニキ  「待ってるよ~♪」

パイン  「のんきなもんだ。」

ワッカはユウナを見て言った。

ワッカ  「思い出は思い出だよな・・・・・。

      もういっぺん魔物が出てきたら今度こそ火ぃつけるか。」

ユウナ  「そう・・・・・だね。」

ワッカもユウナも苦しそうに笑った。

ユウナ  「でも、その前に呼んで欲しいな。できるだけのことはしたいし。」

ワッカ  「わかった。」

ユウナたちはワッカを見送って飛空挺に戻った。


次はキーリカの寺院。

       

リュック  「どういう作戦でいく?」

ユウナ  「うーん・・・・。」

ルブラン  「エライ奴をふんづかまえる!これだね。

        で、ヴェグナガンのところへ案内させればいいのさ。」

自信たっぷりにルブランは言った。

ユウナ  「なるほど。」

ウノー  「ターゲット決定!新エボン党議長、バラライ!」

サノー  「おとなしい優男だ。護衛なしでは何もできまい。」

自信たっぷりの二人。

パイン  「それが、結構強いんだよな・・・・。」

ぼそっとつぶやいたパイン。

そして、ベベルの護衛たちがユウナたちを囲んだ。

護衛  「おまえたちは・・・。」

ユウナ  「カモメ団です。」

護衛  「大召喚士様ですか!これは失礼しました。」

護衛たちはユウナたちに道をあけた。


ユウナたちはバラライを探したが、行方不明らしく、ごたついていた。

リュック  「なんか、ごたごたしてるっぽいねえ。」

ユウナ  「うん。」

ユウナたちはバラライを探すという名目で地下に下りた。




試練の間を抜け、祈り子の部屋に来ると、祈り子の像があったところにぽっかりと大きな穴が開いていた。

ユウナ  「行こう。」

ユウナたちはその穴に飛び込んだ。

そこにあったのは機械、機械、機械。

ユウナたちはため息をついて先に進んだ。

進んで行くと、牢獄のような部屋に来た。

リュック  「あ~!ユウナ!

       あいつが映ってたスフィアって、ここで撮ったんじゃない?」

ルブラン  「なにボサっとしてるんだい?早く行きな!」

ルブランに言われムッとするリュック。

ユウナは牢獄を見上げた。


ユウナ  「つながってる。なにもかもがつながってる。

       そんな気がするんだ。」


さらに奥に進むと、バラライに会った。

バラライ  「誰かと思えば、カモメ団の皆さんですか。」

ユウナはジッとバラライを見た。

バラライはため息をついて言った。

バラライ  「言わなくてもわかりますよ。

        あなたのことだ。スピラを脅かすヴェグナガンを破壊しに来た、そんなところでしょうね。

        僕らだって、壊せるものならとっくにそうしている。

        でも、あれに触れてはいけないんだ。

        君らもヌージもそれがわかっていない。」

パイン  「ヌージとは話したのか。」

バラライ  「あいつは・・・・・・信用できない。」

リュック  「あんただって。」

バラライ  「エボンは信用がないな・・・・、自業自得か。

        とにかく、手出しは無用です。ヴェグナガンは僕に任せて。」

ユウナ  「どうするつもりですか?」

バラライ  「僕にできることは・・・、ヴェグナガンを壊しに来る者たちを排除すること。

        帰ってください。」

バラライはユウナたちに向かって構えた。

パイン  「ユウナ・・・・・、リュック・・・・。ごめん。」

パインは前に出てバラライに剣を向けた。

バラライ  「パイン!」


バラライを倒すと、パインは真剣な顔で言った。

パイン  「私、行くから。」

ユウナ  「わけありなんだ。」

リュック  「後で話してよね!」

パイン  「ずうっと後でな。」

そう言うとパインは先へ進んだ。

リュック  「待ってよ!」

リュックはパインの後を追った。


ユウナ  「いろんなことがつながっていて、つながった先に・・・・・・・、何があるのかな。」


ユウナたちは奥へ進んだ。

そこは、ルブランのアジトで見たスフィアの中でヴェグナガンがいた場所だった。

そこにはヴェグナガンはいなかった。

すると、現れたのは、ユウナの召喚獣でもあった、バハムートだった。

リュック  「うそ・・・・。」

パイン  「なんだ!?」

リュック  「・・・・・・召喚獣だよ。」

ユウナ  「召喚獣・・・・・。」

ユウナはバハムートの前に立ち両手を広げた。

ユウナ  「やめて!」

パインとリュックがユウナを止める。

パイン  「やられたいのか!戦うしかないんだ!」

ユウナたちはバハムートと戦った。


戦いが終わるとユウナはその場にへたり込んだ。


ユウナ  「どうしてかな。

       とても・・・・・・キミに会いたいよ。」


リュックとパインがユウナを心配して近づいた。

ユウナ  「さっきはありがとう。戦わなきゃ・・・・・だよね。」

ユウナはパインに言った。

そして、ユウナたちは辺りを見回した。

リュック  「空っぽ・・・・・。」

ユウナ  「この穴、できてすぐみたい。」

リュック  「ヴェグナガンがやっちゃった?

       すごいよ、これ・・・・・・どこまで続いてるんだろ。」

延々と深く掘られた穴を見下ろしてリュックが言った。

すると、後ろからルブランたちがやってきた。

ルブラン  「あれえ!?ヴェグナガンは?」

ユウナ  「ないみたい。」

ルブラン  「あたしにビビッて逃げやがったか。」

ほくそ笑むルブラン。

リュック  「違うと思うよ。」

ぼそっと答えるリュック。

ルブラン  「早いとこ、ヌージのダンナに報告しなきゃね。

        おまえたち、情報収集だよ。しっかり撮っときな!」

ウノー&サノー  「へいっ!お嬢!」

ウノーとサノーはカメラをまわした。

パイン  「ヴェグナガン、・・・・・・本当にここにあったのか?」

パインが不思議そうにつぶやいた。


ユウナ  「こんなはずじゃなかったのに・・・・・・。

       永遠のナギ節、それが足元から崩れていくような気がして・・・・。」


すると、飛空挺から通信が入った。

アニキ  「ユウナ!緊急事態だ!早く戻れ、ダッシュダッシュ!」

ユウナたちは飛空挺に戻った。




ダチ  「大変なんだ。一大事だ!

     寺院の奥から魔物がわんさか出てきてるってよ!」

リュック  「どこの寺院?」

アニキ  「あちこちだ!

       スピラ中からS!O!S!

       ど・・・・どうする!?」

ユウナは悩んだ。

アニキ  「カモメ団、出動か?」

シンラ  「スフィアハンターの仕事じゃないし。」

ダチ  「まあな。

     でも、ユウナが立ち上がったら、みんな安心するぞ。」

パイン  「そしてユウナ任せだ。」

リュック  「それでもユウナ、じっとしてられる?」

ユウナは悩んだ。

みんなも悩んだ。

そして、リュックがひらめいた。

リュック  「あ、そうだ!

       「お助け屋カモメ団」ってどうかな?」

ダチ  「魔物を退治して金を取るってことか?」

アニキ  「それはいい!」

小躍りして喜ぶアニキ。

パイン  「どう思う?」

パインはユウナを見た。

ユウナ  「そうだね。

       自力でなんとかできない人たちのお手伝いならいいかな。」

リュック  「じゃあ、スフィアハンターは休業!」

ユウナ  「お助け屋カモメ団!」

リュックとユウナは腕を挙げた。

アニキ  「決定!どこ行く?」

そこで、警報が鳴った。

ダチが情報解析に向かう。

ダチ  「ちょっと待った。」

アニキ  「は・や・く!」

急かすアニキ。

ダチ  「よくわかんねえが・・・・・、青年同盟のヌージ、新エボン党議長バラライ、姿を消しちまったらしい。」

アニキ  「なるほど。

       よし、ほっとけ!

       お助け屋、カモメ団!どこ行く!」

ユウナたちは、まずビサイドに向かった。



ユウナ  「グアドサラムはグアド族の街。憶えてるよね?でも、もうここには彼らはいない。

       「グアド族はスピラを混乱させたから当然だ」って言う人たちもいる。

       そうなのかもしれない。でも、そういう考え方は悲しいよね。」


現在、シーモアの屋敷がルブラン一味のアジトとなっている。

グアド族はマカラーニャの森の中に逃げ込んでいて、誰一人、グアド族はいなかった。


ユウナ  「うまくいくかな?」

パイン  「バレたらその時。」

リュック  「んじゃ、着替えよっか!」


ユウナたちは陰で着替えてルブランのアジトに乗り込んだ。

入り口で見張りが立っていた。

見張り  「ん?」

ユウナ&リュック  「お疲れ様でーす!」

見張り  「お、・・・・おう。」

不思議そうな見張りを横目にユウナたちは中に入った。

リュック  「作戦成功♪」

パイン  「まだこれからだ。スフィアを探そう。」

ユウナたちは辺りを見回した。

すると、奥の扉が開いた。

ユウナ  「あ。」

慌てて隠れるユウナたち。

出てきたのは、ルブランとヌージだった。

ヌージ  「ありがとう、ルブラン。」

ルブランはとろんとした目をして、いつも以上にくねくね歩いていた。

ルブラン  「いいんだよ、あんた。」

ヌージ  「これでヴェグナガンの在処がわかったわけだ。

       スピラはしばらく荒れるぞ。気をつけてな。」

ルブラン  「あいよ、おまいさん。」

ヌージはルブランに背を向けてアジトを出て行った。

ルブランは大きく手を振った。

ルブラン  「今度会えるのは、いつだろうねえ・・・・。

        会えない時間の長さが重いったらないよ。」

そう言うと、ルブランはがっくりと肩を落とした。

そして、自分の部屋に帰っていった。

部屋の前には見張りが立っていて、中に入れてくれなかった。

仕方なく、ユウナたちは奥の部屋に入った。

そこにウノーとサノーがいた。

ウノー  「ヌージの野郎が来てる時は別人だよなァ、お嬢って。」

サノー  「慣れない猫かぶりで肩がこってる頃だろうよ。」

ウノー  「おまえ、お嬢の部屋に行って、いつものアレを頼むぞ。」

ウノーはユウナを見て言った。

ユウナ  「あの・・・・アレって?」

ウノー  「お嬢の疲れを癒してさしあげるってわけさ。」

ウノーは肩もみの手つきをした。

ユウナは返事をして、ルブランの部屋に向かった。

見張りに伝えるとすんなり入れてくれた。

ルブランは部屋においてある等身大のヌージの像を見つめていた。

そして、投げキッスをすると、ユウナの方を振り返った。

ルブラン  「それじゃ、頼むよ。」

ルブランはベッドに横になり、ユウナはルブランのマッサージを始めた。

ルブラン  「ん~、いい感じだよ。あんた、急にうまくなったね。」

ユウナ  「そうですか?」

慌てて答えるユウナ。

ルブランは気にする様子もなく気持ちよさそうにしている。

ルブラン  「勇ましい男だねぇ、ヌージのダンナってさ。

        ぶっきらぼうだけど、時々見せる笑顔がたまらないんだ。

        あたしゃ、あの顔が見たくてスフィアハンターやってるようなもんさ。

        あの人が喜んでくれるすんごいスフィア、どこかにないもんかねぇ。」

しばらくすると、ルブランは寝息をたて始めた。

ユウナ  「寝ちゃった・・・・。」

すると、ウノーとサノーが部屋に入ってきた。

サノー  「お嬢、寝ちまったか。マッサージの後はいつもこれだ。」

ウノー  「「大事な話がある」って言うから待ってたのにな。」

サノー  「起きるまで待つか。

      おまえ、その間にスイッチを点検しといてくれ。」

サノーはユウナに命令した。

ユウナ  「スイッチ?」

ウノー  「リビングの奥。いつも点検してるだろ?」

ユウナは頷き、部屋を出た。




ユウナたちはリビングに入った。

奥に行くと、スイッチがあった。

ユウナ  「何のスイッチだろ?」

ユウナはスイッチを押した。

リュック  「おっ♪」

すると、壁にかかってあった、緞帳があがった。

しかし、そこの壁には何もなかった。

リュック  「もう、期待させちゃてさ!」

悔しそうに壁を殴るリュック。

リュックが壁を蹴ろうとした時、壁が反転した。

リュックはその先の階段に転がり落ちた。

ユウナ  「リュック!?」

慌ててリュックの元にかけよるユウナとパイン。

リュック  「誰が考えたのさ~。」

お尻をさすりながらリュックは立ち上がった。

パイン  「文句はルブラン様に言いな。」

ユウナ  「様?」

びっくりしてユウナはパインを見た。

パイン  「あ。」

パインは咳払いをした。

パイン  「こんなの着てるせいだな。さっさと着替えよう。」

ユウナたちは戦闘服を脱いで、秘密の通路を進んだ。

ここで、飛空挺から通信が入る。

アニキ  「こちらアニキ!うまくいったか?」

予想以上の大声に3人はびっくりした。

リュック  「静かにしてよ!隠密行動中なんだから。切るよ。」

アニキ  「リュック!リーダーに向かってその態度はなんだ!」

リュック  「うるさいなあ、もう!」

リュックも怒りにまかせて大声で言った。

ウノー  「なんだ?誰の声だ?」

ウノーが走ってきた。

ウノー  「あーっ!カモメ団!」

ユウナ  「やばっ!?」

ユウナたちはウノーを突き飛ばし、奥に進んだ。

奥には部屋がいくつかあった。

どうやらウノーとサノーの部屋らしい。

ユウナたちが部屋の中を物色していると、ウノーとサノーが来た。

サノー  「人の部屋をあさるなんて、お行儀の悪い娘さんたちだ。」

リュック  「そっちだってあたしたちの飛空挺、勝手に入ったでしょ~!」

怒りながら言うリュック。

サノー  「お嬢の命令だからいいんだよ。」

ウノーとサノーはユウナたちに向かってきたが、その場に崩れた。


ユウナたちは一番奥の部屋に入った。

リュック  「いかにもって場所だね。」

パイン  「手分けして探そう。」

ユウナたちは部屋中を探した。

リュック  「あった。」

リュックが二つに割れたスフィアを見つけた。

パイン  「なるほどね。

      割れたスフィアなんてどうして盗ったのか不思議だったけど・・・。」

リュック  「あいつら、スフィアの片割れを探してたんだね。」

すると後ろからルブランの声がした。

ルブラン  「大当たり♪

        散々苦労して集めたんだよ、ヌージのダンナのためにね。

        指一本触れさせるもんかい。おまえたち、やっちまうよ!」

ウノー&サノー  「へぃっ!お嬢!」


敵うわけもなく、ルブランは膝をついた。

リュック  「どうする?もう少し痛めつけとく?」

パイン  「ここなら悲鳴はどこにも届かないな。」

パインがすごんだ。

ルブランは慌てて言った。

ルブラン  「ちょ、ちょっと待っておくれよ!あのスフィア、見せてやるから。」

パイン  「見せてやる?」

ルブラン  「どうぞご自由にご覧ください・・・・・。」

ルブランは悔しそうに言った。

ユウナはスフィアを再生した。

映っていたのはヴェグナガンだった。

ルブラン  「大いなる存在、ヴェグナガンだよ。

        撮影地点も解析済みさ。どうやら、ベベルの地下らしいね。」

パイン  「昔も今もベベルは隠し事だらけか。」

ため息混じりにパインが言った。

ルブラン  「その通り!

        エボンの奴らは大いなる兵器を隠し持っているってわけさ。

        こんなものが使われたら、スピラは終わりだよ!」

ユウナは頷いた。

リュック  「機械なんでしょ?

       チョイチョイって分解するとか、壊すとかすればいいんだよ。」

ルブラン  「ヌージのダンナはその気だよ。ダンナが言うなら、もちろん、あたしもね。

        で、あんたは?」

ルブランはユウナを見た。

ユウナ  「私?」

ルブラン  「『シン』を倒した召喚士なら、スピラのために立ち上がらなきゃ。」

ユウナ  「うん!」

ルブラン  「じゃあ、あたしらは仲間ってことだ。先行って待ってるから、よろしく。」

パイン  「待つ?」

ルブラン  「決まってるだろ。あんたらの飛空挺さ。

        アレでいっぺん飛んでみたかったんだよね♪」

嬉しそうに言って去っていくルブラン。

リュック  「勝手に決めるな~!」


ユウナ  「『シン』が消えて、ナギ節が始まって、平和な日々がずっと続くと思ってた。

       永遠のナギ節、信じて疑わなかったけど、・・・・・・その危うさに、初めて気づいた。」




飛空挺に戻るとルブランがでかい顔をして練り歩いていた。

ルブラン  「とにかく、まずはベベル直行だよ。飛空挺、発進!」

そして、アニキが阻む。

アニキ  「待てい!

       ユウナ、どうする?」

ルブラン  「スピラを救いに出発だよ♪」

ユウナ  「うん!」

それを見てリュックがつぶやく。

リュック  「ユウナだねえ・・・・。」

パイン  「雰囲気に呑まれやすいんだよな。」

聞こえたユウナは力いっぱい言い返した。

ユウナ  「ベベルには、たくさんスフィアがあるはず!それをゴッソリいただきます!」

リュックとパインは適当に頷いた。

ルブラン  「なにさ、めんどくさい性分だねえ。」

今度はルブランを睨むユウナ。


そうこうしているうちに飛空挺はベベルに到着した。