ユウナ 「グアドサラムはグアド族の街。憶えてるよね?でも、もうここには彼らはいない。
「グアド族はスピラを混乱させたから当然だ」って言う人たちもいる。
そうなのかもしれない。でも、そういう考え方は悲しいよね。」
現在、シーモアの屋敷がルブラン一味のアジトとなっている。
グアド族はマカラーニャの森の中に逃げ込んでいて、誰一人、グアド族はいなかった。
ユウナ 「うまくいくかな?」
パイン 「バレたらその時。」
リュック 「んじゃ、着替えよっか!」
ユウナたちは陰で着替えてルブランのアジトに乗り込んだ。
入り口で見張りが立っていた。
見張り 「ん?」
ユウナ&リュック 「お疲れ様でーす!」
見張り 「お、・・・・おう。」
不思議そうな見張りを横目にユウナたちは中に入った。
リュック 「作戦成功♪」
パイン 「まだこれからだ。スフィアを探そう。」
ユウナたちは辺りを見回した。
すると、奥の扉が開いた。
ユウナ 「あ。」
慌てて隠れるユウナたち。
出てきたのは、ルブランとヌージだった。
ヌージ 「ありがとう、ルブラン。」
ルブランはとろんとした目をして、いつも以上にくねくね歩いていた。
ルブラン 「いいんだよ、あんた。」
ヌージ 「これでヴェグナガンの在処がわかったわけだ。
スピラはしばらく荒れるぞ。気をつけてな。」
ルブラン 「あいよ、おまいさん。」
ヌージはルブランに背を向けてアジトを出て行った。
ルブランは大きく手を振った。
ルブラン 「今度会えるのは、いつだろうねえ・・・・。
会えない時間の長さが重いったらないよ。」
そう言うと、ルブランはがっくりと肩を落とした。
そして、自分の部屋に帰っていった。
部屋の前には見張りが立っていて、中に入れてくれなかった。
仕方なく、ユウナたちは奥の部屋に入った。
そこにウノーとサノーがいた。
ウノー 「ヌージの野郎が来てる時は別人だよなァ、お嬢って。」
サノー 「慣れない猫かぶりで肩がこってる頃だろうよ。」
ウノー 「おまえ、お嬢の部屋に行って、いつものアレを頼むぞ。」
ウノーはユウナを見て言った。
ユウナ 「あの・・・・アレって?」
ウノー 「お嬢の疲れを癒してさしあげるってわけさ。」
ウノーは肩もみの手つきをした。
ユウナは返事をして、ルブランの部屋に向かった。
見張りに伝えるとすんなり入れてくれた。
ルブランは部屋においてある等身大のヌージの像を見つめていた。
そして、投げキッスをすると、ユウナの方を振り返った。
ルブラン 「それじゃ、頼むよ。」
ルブランはベッドに横になり、ユウナはルブランのマッサージを始めた。
ルブラン 「ん~、いい感じだよ。あんた、急にうまくなったね。」
ユウナ 「そうですか?」
慌てて答えるユウナ。
ルブランは気にする様子もなく気持ちよさそうにしている。
ルブラン 「勇ましい男だねぇ、ヌージのダンナってさ。
ぶっきらぼうだけど、時々見せる笑顔がたまらないんだ。
あたしゃ、あの顔が見たくてスフィアハンターやってるようなもんさ。
あの人が喜んでくれるすんごいスフィア、どこかにないもんかねぇ。」
しばらくすると、ルブランは寝息をたて始めた。
ユウナ 「寝ちゃった・・・・。」
すると、ウノーとサノーが部屋に入ってきた。
サノー 「お嬢、寝ちまったか。マッサージの後はいつもこれだ。」
ウノー 「「大事な話がある」って言うから待ってたのにな。」
サノー 「起きるまで待つか。
おまえ、その間にスイッチを点検しといてくれ。」
サノーはユウナに命令した。
ユウナ 「スイッチ?」
ウノー 「リビングの奥。いつも点検してるだろ?」
ユウナは頷き、部屋を出た。
ユウナたちはリビングに入った。
奥に行くと、スイッチがあった。
ユウナ 「何のスイッチだろ?」
ユウナはスイッチを押した。
リュック 「おっ♪」
すると、壁にかかってあった、緞帳があがった。
しかし、そこの壁には何もなかった。
リュック 「もう、期待させちゃてさ!」
悔しそうに壁を殴るリュック。
リュックが壁を蹴ろうとした時、壁が反転した。
リュックはその先の階段に転がり落ちた。
ユウナ 「リュック!?」
慌ててリュックの元にかけよるユウナとパイン。
リュック 「誰が考えたのさ~。」
お尻をさすりながらリュックは立ち上がった。
パイン 「文句はルブラン様に言いな。」
ユウナ 「様?」
びっくりしてユウナはパインを見た。
パイン 「あ。」
パインは咳払いをした。
パイン 「こんなの着てるせいだな。さっさと着替えよう。」
ユウナたちは戦闘服を脱いで、秘密の通路を進んだ。
ここで、飛空挺から通信が入る。
アニキ 「こちらアニキ!うまくいったか?」
予想以上の大声に3人はびっくりした。
リュック 「静かにしてよ!隠密行動中なんだから。切るよ。」
アニキ 「リュック!リーダーに向かってその態度はなんだ!」
リュック 「うるさいなあ、もう!」
リュックも怒りにまかせて大声で言った。
ウノー 「なんだ?誰の声だ?」
ウノーが走ってきた。
ウノー 「あーっ!カモメ団!」
ユウナ 「やばっ!?」
ユウナたちはウノーを突き飛ばし、奥に進んだ。
奥には部屋がいくつかあった。
どうやらウノーとサノーの部屋らしい。
ユウナたちが部屋の中を物色していると、ウノーとサノーが来た。
サノー 「人の部屋をあさるなんて、お行儀の悪い娘さんたちだ。」
リュック 「そっちだってあたしたちの飛空挺、勝手に入ったでしょ~!」
怒りながら言うリュック。
サノー 「お嬢の命令だからいいんだよ。」
ウノーとサノーはユウナたちに向かってきたが、その場に崩れた。
ユウナたちは一番奥の部屋に入った。
リュック 「いかにもって場所だね。」
パイン 「手分けして探そう。」
ユウナたちは部屋中を探した。
リュック 「あった。」
リュックが二つに割れたスフィアを見つけた。
パイン 「なるほどね。
割れたスフィアなんてどうして盗ったのか不思議だったけど・・・。」
リュック 「あいつら、スフィアの片割れを探してたんだね。」
すると後ろからルブランの声がした。
ルブラン 「大当たり♪
散々苦労して集めたんだよ、ヌージのダンナのためにね。
指一本触れさせるもんかい。おまえたち、やっちまうよ!」
ウノー&サノー 「へぃっ!お嬢!」
敵うわけもなく、ルブランは膝をついた。
リュック 「どうする?もう少し痛めつけとく?」
パイン 「ここなら悲鳴はどこにも届かないな。」
パインがすごんだ。
ルブランは慌てて言った。
ルブラン 「ちょ、ちょっと待っておくれよ!あのスフィア、見せてやるから。」
パイン 「見せてやる?」
ルブラン 「どうぞご自由にご覧ください・・・・・。」
ルブランは悔しそうに言った。
ユウナはスフィアを再生した。
映っていたのはヴェグナガンだった。
ルブラン 「大いなる存在、ヴェグナガンだよ。
撮影地点も解析済みさ。どうやら、ベベルの地下らしいね。」
パイン 「昔も今もベベルは隠し事だらけか。」
ため息混じりにパインが言った。
ルブラン 「その通り!
エボンの奴らは大いなる兵器を隠し持っているってわけさ。
こんなものが使われたら、スピラは終わりだよ!」
ユウナは頷いた。
リュック 「機械なんでしょ?
チョイチョイって分解するとか、壊すとかすればいいんだよ。」
ルブラン 「ヌージのダンナはその気だよ。ダンナが言うなら、もちろん、あたしもね。
で、あんたは?」
ルブランはユウナを見た。
ユウナ 「私?」
ルブラン 「『シン』を倒した召喚士なら、スピラのために立ち上がらなきゃ。」
ユウナ 「うん!」
ルブラン 「じゃあ、あたしらは仲間ってことだ。先行って待ってるから、よろしく。」
パイン 「待つ?」
ルブラン 「決まってるだろ。あんたらの飛空挺さ。
アレでいっぺん飛んでみたかったんだよね♪」
嬉しそうに言って去っていくルブラン。
リュック 「勝手に決めるな~!」
ユウナ 「『シン』が消えて、ナギ節が始まって、平和な日々がずっと続くと思ってた。
永遠のナギ節、信じて疑わなかったけど、・・・・・・その危うさに、初めて気づいた。」
飛空挺に戻るとルブランがでかい顔をして練り歩いていた。
ルブラン 「とにかく、まずはベベル直行だよ。飛空挺、発進!」
そして、アニキが阻む。
アニキ 「待てい!
ユウナ、どうする?」
ルブラン 「スピラを救いに出発だよ♪」
ユウナ 「うん!」
それを見てリュックがつぶやく。
リュック 「ユウナだねえ・・・・。」
パイン 「雰囲気に呑まれやすいんだよな。」
聞こえたユウナは力いっぱい言い返した。
ユウナ 「ベベルには、たくさんスフィアがあるはず!それをゴッソリいただきます!」
リュックとパインは適当に頷いた。
ルブラン 「なにさ、めんどくさい性分だねえ。」
今度はルブランを睨むユウナ。
そうこうしているうちに飛空挺はベベルに到着した。