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妄想劇場

現実逃避の日々

ユウナたちがジョゼに着くと、アルベド族が必死になって魔物と戦っていた。

アルベド族  「こんな時にギップルのやつ、どこにも・・・・。」

リュック  「ギップル、帰ってきてないって。」

リュックがユウナたちに通訳した。

ユウナ  「ヌージさんたちと一緒かな。」

パイン  「そうだろうな。」

アルベド族  「俺たちだけで戦ったが、まずいことになった。

         相手が機械と融合しちまったんだ。」

リュックがユウナたちに通訳する。

リュック  「よーするに、かなりヤバイみたい。」

ユウナ  「カモメ団の出番だね。」

ユウナたちは寺院に入った。




中ではたくさんのアルベド族が瀕死の状態で倒れていた。

ユウナたちは奥の部屋に入った。

リュック  「召喚獣!?」

パイン  「アルベドの機械と融合して乗っ取ったんだ、そう言ってたろ。」

ユウナ  「どうしてこんなことに・・・・・。」

ユウナたちは進化した召喚獣、イクシオンと戦った。


イクシオンが沈黙するとユウナたちは祈り子の部屋に入った。

リュック  「ま~た穴だよ。この下、どうなってんのかな。」

真っ暗な穴を見下ろすリュック。

パイン  「降りてみれば?」

リュック  「やだ!絶対やだ!」

青くなってリュックは叫んだ。


ユウナ  「とても、とても深くて・・・・・、たとえこの下にすべての秘密が隠されていたとしても、決して踏み込んではいけない。自然とそんな気になるんだ。」


ユウナたちが下を覗いていると、倒したはずのイクシオンが最後の力を振り絞り、攻撃しようとしていた。

パイン  「まずいっ!」

リュック  「え?」

ユウナ  「なに?」

ユウナたちが後ろを見る頃にはイクシオンの電気玉がユウナたち目がけて向かっていた。

パインとリュックは両サイドに倒れこんだが、ユウナはよけるために穴に落ちた。

リュックとパインは体を起こすと、ユウナがいないことに気づいた。

パイン&リュック  「ユウナ!?」

二人は穴に向かって叫んだ。



到着すると、混乱しているのが一目でわかった。

新エボン党員A  「はっきりしてくれ!バラライ議長はどこに行ったんだ!」

新エボン党員B  「私たちにまで隠すつもりですか?」

僧  「隠してなどいるものか!本当に行方不明なんだ。」

新エボン党員C  「何を言うか。わしの目はごまかせんぞ!おまえたちは真実を知っているはず。」

僧  「知らないものは知らないのです!

    そんなことより、今は団結して青年同盟の脅威に備えるべきです。」

新エボン党員B  「それは問題のすりかえでしょうに。」

新エボン党員A  「青年同盟に対抗するためにも、バラライ議長の指揮が必要なんだ!」

新エボン党員C  「まだ隠すというなら無理にでも聞き出してやるぞ。」

くってかかる勢いを見せていた。

パイン  「バラライが消えた途端にこれか。もろい組織だ。

      なんとかするか?」

ユウナ  「うーん、・・・・・魔物はいないみたいだし。」

リュック  「今出てったらもっとモメちゃうよ。」

ユウナたちは見つからないように寺院の中に入った。



試練の間を抜けるとギップルが見えた。

ギップルはアンダーベベル、ヴェグナガンがあった部屋に向かっていった。

リュック  「お?

       あれってギップル?

       なーにやってたんだろ?」

不思議に思うリュックと、怪訝そうな表情のパイン。


行ってみると、そこにはバラライ、ヌージ、ギップルの3人がいた。

ギップル  「よお。」

バラライ  「遅刻だ。」

ヌージ  「まあ、おまえが時間通りに来たらかえって気味悪い。」

ギップルは鼻で笑った。

ユウナたちは隠れてその様子を見ていた。

ユウナ  「行方不明のはずなのに・・・・。」

ギップル  「いいのかよ。党も同盟もアタマが消えてパニックだ。」

ヌージ  「その程度の組織だ。」

ギップル  「ウチを見習え。

        で、話って?」

ギップルは笑いながら言った。

バラライ  「確かめたいことがあってね。

       ヴェグナガンが・・・・いなくなった。」

ヌージ  「物は言いようだな。いなくなっただと?

      あの機械が自分の意思で逃げたからエボンに責任はないと。」

バラライ  「事実だ。ああ見えてあれは繊細なんだ。

       敵意や悪意を感知すると瞬時に起動する。誰かに傷つけられそうになるとおびえて目覚めるんだ。」

ヌージ  「よく調べたものだ。」

バラライ  「あれから2年だ。」

バラライは遠い目をして言った。

ギップル  「ヴェグナガンが動き出したのは誰かがブッ壊そうとしたせいってか。

        誰が?」

バラライ  「誰かな。

       わからなくなったよ。あれを手に入れるつもりで忍び込んだんだろう?」

バラライはヌージに言った。

バラライ  「・・・・なのに目覚めた。

       君は本当はあれを憎んでいたんだ。

       利用する気だったのか、壊す気だったのか。どっちだ。」

ヌージ  「両方。矛盾していると思うか?そこがお人好しの限界だな。

      永遠に理解できないぞ。」

バカにしたようにバラライに詰め寄るヌージ。

バラライ  「理解だけじゃない・・・・信用もできない。

       あの頃は君を信じていた。一緒にアカギ隊を目指してた頃は最高の友達だと思っていたんだ。

       それを裏切った。もう・・・・2年だな。」

そう言うと、バラライはヌージに銃を向けた。

ギップル  「バラライ!」

バラライ  「なぜ撃った!あの時、なぜ僕とギップルを撃った。再会を誓って別れた僕たちを、後ろから!

       答えろ!」

ギップル  「落ち着けって!ヌージもさあ、素直に謝れよ。やめろって!」

ギップルは二人を止めようとなだめた。

しかし二人はにらみ合ったままだった。

ギップル  「このっ・・・・・!これでもやめねえってか。」

ギップルはバラライに銃を向けた。

するとヌージが笑い出した。

ヌージ  「いい具合にこじれてきたな、ええ?

      ああ、撃った。いい的だったよ。お前らも、・・・・パインも。」

突然、人が変わったような口調で話すヌージはギップルに銃を向けた。

ギップル  「パインまで撃ったのか。なぜだ!」

バラライ  「答えろ!」

ギップルもバラライもヌージを睨んだ。

ヌージ  「俺がやらせたんだよ。こいつが隙だらけだったからさ。」

ギップル  「ヌージ・・・・?」

意味のわからないことを言うヌージにギップルとバラライは戸惑った。

ヌージ  「ああ、・・・・・・今のあんたもいい勝負だな。」

ヌージがニヤリと笑ったかと思うと体の中から光の塊みたいなものが飛び出した。

そして、その光の塊がバラライの体の中へと入っていった。

ギップルはわけがわからず、その様子をただ見ているしかなかった。

ヌージは膝をつき息を切らしている。

バラライは放心状態となった。

ふっとバラライの意識が戻ったかと思うと今までとは別人のような顔つきになった。

バラライ  「憎しみとか絶望でいっぱいの心が一番乗っ取りやすいんだ。

       2年前のあんたもそうだったよ。死にたがってたなあ、ヌージ。

       叶えてやるよ。」

バラライはヌージに銃を向けた。

ギップル  「待てって!」

パイン  「やめて!」

パインが飛び出した。

ヌージ  「パイン、逃げろ!」
ユウナたちの後ろに魔物が現れた。

ユウナたちは魔物と戦った。


戦闘が終わるとバラライたちの姿はなかった。

リュック  「あいつらは?」

パイン  「バラライが逃げるのが見えた。

      ヌージとギップルは後を追ったんだろう。」

ユウナ  「・・・・・3人とも知り合いなんだね。」

パイン  「昔のね。」

リュック  「それなのに、ヌージに・・・・。」

パイン  「ああ、撃たれた。

      でも、あれは事故。私はそう思ってる。」

リュック  「なんで黙ってたの。」

パイン  「聞かれなかったから。」

リュック  「聞いたら話してくれる?」

パインは黙ったままだった。

リュック  「話す気ないんでしょ。」

パイン  「あたり。」

リュックは一人うなりだした。

パインはユウナを見た。

パイン  「気になる?」

ユウナ  「そりゃあね。

       でも、無理に聞くのもやだから、話してくれるまで待つよ。」

パイン  「ずるいな。」

パインは静かに笑った。




飛空挺に戻ると警報が鳴った。

ダチ  「ジョゼ寺院からSOSだ!」

アニキ  「ジョゼ・・・ギップルか!?」

ダチ  「連中、魔物退治にしくじって大変なことになってるんだとよ。」

アニキはしばらく考えて言った。

アニキ  「よし、リーダー命令だ。

       カモメ団!

       無視。ギップルなんかほっとけ!」

リュック  「どーして?」

アニキ  「・・・・・・・・・ギップル、もてるから。」

ぼそっとアニキは言った。

リュック  「サイアク。」

呆れてアニキを無視するリュック。

ダチ  「どうするよ、ユウナ?」

ユウナ  「じゃあ、お助け料金割り増しってことで、カモメ団、出発!」

ユウナは右手を大きく上げた。

リュック  「割引にしようよ~。」

リュックはユウナのそでを引っ張った。

ユウナたちはジョゼに飛んだ。

ルブランのアジトに行くと、ウノーとサノーが話していた。

ウノー  「ルブラン、何も心配することはない。」

サノー  「似てない。」

ウノー  「やってみろよ。」

サノーは咳払いをして言った。

サノー  「ルブラン、何も心配することはない。」

ウノー  「ダハハハハ!人のこと言えるか!」

ユウナ  「何してるの?」

後ろからユウナに声をかけられ、驚くウノーとサノー。

サノー  「ヌージがいなくなって、お嬢が落ち込んでいる。」

ウノー  「なぐさめて差し上げるんだ。」

リュック  「あ、今のヌージのマネ?」

サノー  「・・・・わからなかったか?」

ユウナ&リュック  「うん。」

がっくりと肩を落とすウノーとサノー。

パイン  「似ていたとして、マネがなぐさめになるか?」

ウノー&サノー  「なる!」

パイン  「はいはい、と。」

あきれて答えるパイン。




ユウナたちはルブランの様子を見に部屋に行った。

ルブラン  「出ていっとくれ。」

ベッドに座り、やる気なさそうに対応するルブラン。

リュック  「スフィアハントしないの?スピラ中のスフィア、カモメ団がもらっちゃうよ!」

たきつけるように言うリュック。

ルブラン  「勝手におし。

        いくら集めたって、ヌージのダンナの笑顔はナシさ。

        何が楽しいってんだい。」

パイン  「落ちたな。」

ルブラン  「何とでも言いなよ。」

とりつく島もないので、仕方なくリビングに戻ることにした。




リビングに戻ると、嬉しそうにウノーが話しかけた。

ウノー  「ヌージの映ったスフィアを見せるのはどうかな?」

パイン  「さあな。なんでもやってみれば。」

冷たく投げやるパイン。

サノー  「そうだ、スフィアだ。」

思い出したように大きい声を出すサノー。

サノー  「ベベルで撮ったの、見ておくか?」

ユウナ  「何が映ってるの?」

サノー  「まだ見てない。

      俺たちの部屋で待っていてくれ。上映会にしよう。」

ユウナたちはサノーの部屋に行った。




すぐにサノーはやってきて、スフィアを探し出した。

サノー  「ええと・・・・・これだな。」

サノーはスフィアを再生した。

映っていたのは牢獄だった。

しかし、ユウナたち中心の映像だった。

ユウナ  「なにコレ?」

リュック  「ムカツク。」

サノー  「撮ったのはウノーだ。」

バカにするように答えるサノー。

その時、ウノーが横切る映像が流れた。

パイン  「なるほど。」

冷たくサノーを睨むパイン。

サノー  「こ・・・・これはスカだな。」

サノーは慌ててスフィアを止めた。

リュック  「スカってなによ~!」

サノーは怒るリュックを無視して次のスフィアを再生した。

次に映っていたのは、ヴェグナガンがあったと思われる部屋だった。

何もない穴の開いた部屋をぐるりと映していた。

ユウナ  「そこ、誰かいる!」

突然ユウナが叫んだ。

リュック  「え?どこどこ?」

拡大して確認してみる。

リュック  「ヌージだ。」

そこにはヌージが映っていて、様子を確認して帰ろうとしているところだった。

リュック  「何してたんだろ。」

パイン  「気に入らないな。」

機嫌悪くパインが言った。

ユウナ  「どうしたの?」

パイン  「コソコソと、・・・・・秘密だらけだ。」

サノー  「あのな・・・・・。」

サノーが大真面目に話し出した。

サノー  「あんたたちがどうしようと勝手だが、お嬢には黙っていてくれよ。」

リュック  「なんで?」

サノー  「ヴェグナガンはどう見ても危険な存在だ。

      スフィアハンター風情が手を出しちゃあ身の破滅だ。

      だが、ヌージが絡んでいると知れば、お嬢も首を突っ込みたがるさ。

      お嬢にもしものことがあったら・・・・・。」

リュック  「あんたもツライんだねえ。」

なぐさめるリュック。

サノー  「しかも報われん。」

ため息と共に肩を落とすサノー。

ふと、机の上にあるスフィアに目をとめたユウナ。

ユウナ  「これもベベルのスフィア?」

リュック  「ま~たヘンなの撮ってんじゃないの~?」

サノーを睨むリュック。

サノー  「それは俺が撮ったんじゃない、拾ったんだ。」

ユウナはスフィアを再生した。

サノー  「だいぶ劣化してやがる。ひどく古いな。」

映っていたのはティーダに似ている男の子だった。

リュック  「あ!?」

また牢獄の映像だった。


監視  「なあ、ザナルカンドが降伏しないから戦争が終わらないんだ。」

???  「違うって。

       そっちが攻撃をやめればすぐに終わるんだ!」

監視  「そんな手には乗らんよ。」

???  「おまえたち・・・・・、いつか自分たちの武器で身を滅ぼすぞ。」


メイチェン  「おそらく、1000年前の機械戦争のことでしょうなあ。」

振り返るとメイチェンがいた。

サノー  「じいさん、いつの間に!」

メイチェン  「細かいことを気にしちゃいけません。

         それにしても・・・・、よく似ておりましたなあ、彼に。」

メイチェンはユウナを見た。

ユウナ  「本人じゃない・・・・ですよね。」

メイチェン  「そりゃもちろん。なにしろ1000年前のスフィアです。」

ユウナ  「そう・・・・ですよね。」

ユウナはホッとしたような、残念なような気がしていた。

メイチェン  「おお?

        ユウナ様、こんな噂が流れていたことはご存知ですかな?

        「大召喚士ユウナ様にはザナルカンドから来たガードがついていた」と。

        ええ、ルカでの大会で大いに目立った、あのブリッツボールの選手ですわ。

        あたしも何度が彼と話しましたが、スピラの人間とは違うにおいを感じたものです。

        彼と、今のスフィアに映っていた人物。他人の空似ではないでしょうなあ。」

ユウナ  「つながっている・・・・?」

メイチェン  「はいな。

        ぜひ当人に会って聞いて確かめてみたいものですわ。」

ユウナ  「もう・・・・・・・いないんです。

       祈り子様が言ってました。

       「僕らの夢は消える」って。」

ユウナは一生懸命笑ってみせた。

メイチェン  「祈り子様の夢ですかな?

        ・・・・・・・おお!」

リュック  「どーしたの?」

メイチェン  「ああっ・・・・。

        今何かひらめいたのですわ。

        しかし・・・・ひらめきはどこかへ・・・・。

        かなわんのう。

        もう一度じっくり考えてみますわ。

        ではユウナ様。またどこかで。」

そう言うと、メイチェンは背を向けた。

そして思い出したかのように付け加えて言った。

メイチェン  「人はつながっとるのです。

        いなくなった人とも、また会えるかもしれませんぞ。」

ユウナ  「えっ?」

パイン  「無責任なことを!」

メイチェンを怒るパイン。

メイチェン  「こりゃ失礼。たわごとと思って聞き流してくだされ。」

静かに微笑んでメイチェンは去っていった。

ユウナたちもルブランのアジトを後にした。




飛空挺に戻ると、ベベルからSOSがきていた。

ヌージがいなくなっててんてこまいになっているらしい。

ユウナたちはベベルに飛んだ。

ガガゼトにつくとキマリが深刻な顔で出迎えた。

キマリ  「ロンゾの若者たちは力で恨みを晴らそうとしている。

      ガリク率いる若者たちがグアドへの復讐を決意した。

      ガリクは戦を始めるつもりだ。御山に報告するため山頂に向かっている。」

リュック  「のんきに待ってていいの?」

心配そうにリュックが言った。

キマリ  「ガリクが御山の声を聞き、考えを変えてくれればいい。

      キマリはそう望んでいる。」

パイン  「考え直さなかったら?」

キマリ  「キマリ一人でも止める。」

ユウナ  「無茶だよ!」

キマリ  「長老には他に道がない。」

ユウナ  「キマリ・・・・・。」

キマリは祈るように山の頂上を見上げた。

リュック  「まずいよ、ユウナ。」

パイン  「まだ間に合う。ガリクたちを追うか。」

ユウナ  「止めに行くよ。試してみる。」

キマリ  「ユウナが言えば、ガリクの耳に届くかもしれない。

      通じなければ、キマリがやる。」

キマリはまっすぐ山頂を見つめたまま言った。

ユウナたちはガリクたちを追って、ガガゼト山をかけ登った。




山頂付近でガリクを発見した。

ガリク  「ロンゾの怒りはもう止まらない。

      恐れを知らぬロンゾの若衆は、グアドとの戦に出陣する。」

ユウナ  「行くなと言ったらどうします?」

冷静に対応するユウナ。

ガリク  「ガリクは聞かない。耳をふさいで行く。」

ユウナ  「なら、無理にでも。」

冷たく言うと、ユウナは構えた。

ガリク  「ばかな。なぜグアド族をかばう!

      ロンゾが立ち上がらなかったら、誰がグアドを裁くのだ!」

ユウナ  「かばうとか、裁くとか、そういうのは関係なくて、私はただキマリが悲しむ顔を見たくないだけ。

      それに、ロンゾやグアドの人たちが悲しむ顔も。」

ガリク  「そんな理屈で戦っても、ガリクを止めることはできない。」

ユウナ  「もし止められたら、復讐はやめてもらえますか。」

ガリク  「いいだろう。御山に誓おう!」

ユウナとガリクはお互いに見合った。

リュック  「こうなる予感がしてたんだよね。」

パイン  「ま、手っ取り早くはあるかな。」

そう言うと、リュックとパインもユウナの隣で構えた。

ガリク  「大召喚士ユウナ!ロンゾの力を見よ!」

ガリクたちロンゾの若衆はユウナたちに向かってきた。


ユウナたちに押され、ガリクは膝をついた。

ユウナ  「もう復讐は・・・・・。」

息を切らせながらユウナは言った。

ガリク  「ロンゾに二言はない。

      ユウナはガリクを打ち負かした。

      ユウナの願いを聞き入れて、ガリクは戦をあきらめる。」

ユウナ  「ありがとう。」

ガリクはそっぽを向いた。

ガリク  「礼を言われる筋合いはない。

      御山は正しかった。

      出陣を報告したが、ガリクには御山の声が聞こえなかった。

      御山は知っていたのだ。ガリクが間違っていると。

      ユウナが止めてくれなければ、怒りにまかせて御山に背くところだった。

      感謝する・・・・・・・ユウナ。」

ガリクは優しい声でお礼の言葉を言った。


ユウナたちはガガゼトを下りた。

先に下りたガリクはキマリにつめよった。

ガリク  「長老、ガリクにはわからない!

      ロンゾはどんな道を歩めばいいのだ!」

キマリはなだめるように言い返した。

キマリ  「ガリク、焦ってはいけない。」

ガリク  「ガリクはグアドへの恨みを必死に抑えてつけている。

      このまま道が見えなければ、押さえつけた恨みが牙をむく!

      見えない道を探して悩むぐらいならば、いっそどこかに力を叩きつけたい!」

キマリ  「キマリは何度もガリクに語った。

      力だけでは何も解決できないと。」

ガリク  「ならば、御山が鍛えたロンゾの力にはどんな意味があるというのか!

      かつてロンゾはエボンの聖地を守るために力を磨いた。

      だがもう召喚士は御山を登らない。ロンゾの力は何のために使う!

      答えろ、キマリ。

      長老ならば答えられるはず!」

キマリは黙ったままガリクを見つめた。

ガリク  「ふん。キマリは長老失格だ。」

そう言うと、ガリクは怒ってまた御山を登っていった。

ユウナたちはキマリに駆け寄った。

キマリ  「恥ずかしいところを見られた。」

ユウナ  「そんなことないよ。」

リュック  「そうそう、あんな奴、ほっとけばいいって。」

キマリ  「キマリは長老だ。

      未来のロンゾがどこへ向かうか、答えを出さねばならない。」

キマリはまっすぐに御山を見た。

ロンゾ女  「長老!」

キマリは振り返った。

ロンゾ女  「よい知らせだ。子供たちが帰ってきた。」

ロンゾ女に続いてリアンとエイドが姿を見せた。

キマリ  「おお・・・・・。」

ホッとして二人に近づくキマリ。

リアン  「長老、心配をかけました。

      長老のツノを探す方法は見つからなかった・・・・。」

エイド  「ごめんなさい。」

リアンとエイドは謝った。

キマリ  「謝ることはない。

      リアンとエイドが戻ったのは、ツノを取り戻すよりも嬉しい。」

キマリは二人に笑いかけた。

リアン  「長老・・・・。」

キマリ  「広いスピラを見るのは楽しかったか。」

エイド  「はい、長老。

      本当はまだ帰りたくなかった。」

リアン  「リアンも同じです。」

二人は目を輝かせて言った。

リアン  「時代というものをこの目で見て、たくさん考えました。

      新しい時代にどんな道を進めばいいのか。」

エイド  「二人で決めました。

      これからもどんどん旅に出て、多くの人々に出会うと。」

キマリは大きく頷いて言った。

キマリ  「旅は御山の氷雪よりもリアンとエイドを鍛えたようだ。」

リアンとエイドも頷いた。

そして、キマリはまっすぐに御山を見た。

ユウナ  「キマリ?」

キマリ  「キマリは決めた。」

キマリはそう言うと、御山を登り始めた。

ユウナたちも後を追った。

山道で、ガリクとキマリは会った。

ガリク  「ガリクに命令する気なら、ロンゾの未来を語ってみろ!

      答えを出せないキマリには長老の資格などない!」

そう言うと、ガリクはキマリを殴った。

キマリはガリクを睨んだ。

ガリクはキマリを嘲け笑った。

ユウナたちはその様子を少し離れた場所から見ていた。

パイン  「シメるか。」

ユウナは何も言わずに二人のところへ歩き出した。

リュック  「キレてるよう・・・・。」

ユウナが向かってくる前にキマリが言った。

キマリ  「ガリクに教えてやる。

      力はこうして使うのだ!」

そしてキマリはガリクを殴り返した。

ガリクはその場に倒れた。

ユウナはびっくりしてその場で立ち止まった。

リュック  「よっしゃ!」

ガリクは体を起こしながら言った。

ガリク  「結局、力に頼るのか。

      ガリクに答えられないから!」

キマリ  「黙れ!

      ガリクは考えることをあきらめ、キマリに答えを求めている!

      リアンとエイドにも劣る!」

ガリク  「なんだと・・・・?」

ガリクは膝をついたままキマリを見上げた。

キマリ  「子供たちは旅の最中に進むべき道を見つけたぞ。」

ガリク  「・・・・ガリクの問題はガリクが解決するしかないのか。」

ガリクは悔しそうに下を向いた。

キマリ  「違う。ガリクは一人ではない。

      共に考える。キマリは長老だ。」

そう言うと、キマリはガリクに手を差し出した。

ガリク  「・・・・その通りだ。」

ガリクはキマリの手を取り立ち上がった。

ガリク  「一人一人の問題を皆で考え、皆の問題を一人一人が考えれば・・・・・。」

キマリ  「やがてロンゾの道も見える。

      キマリはそう信じている。」

キマリとガリクは二人で御山を下りた。

それから、のち、キマリの像がガガゼトに出来上がることになる。

ガリク  「ツノをつけた方がよいか。」

キマリは首を横に振る。

キマリ  「なくした物を振り返るより、進むべき道を見ていたい。

      ロンゾの未来だ。」

ガリク  「ガリクも見たい。」

キマリ  「共に見よう、恐れずに!」

キマリは集まっているロンゾ全員に向けて言う。

ガリク  「ロンゾに栄光あれ!御山よ、永遠なれ!キマリ長老、万歳!」

リアン&エイド  「長老ばんざーい!」

ロンゾ族全員が声を合わせ拳を挙げた。


飛空挺に戻ると、ウノーのサノーからのSOSが届いていた。

ユウナたちはグアドサラムに行った。

マカラーニャは水没し寺院へは行けない。

しかし、寺院の方から魔物が出てきて、旅行公司のアルベド族が被害を受けていた。

ユウナたちは急いで旅行公司に向かった。


延々と襲ってくる魔物たちを倒して、一段落すると、公司の中に入った。

仲には虫の息のアルベド族がいた。

リュック  「ああっ!?」

アルベド族  「あれは・・・・なんだ。

         湖の底・・・・大きな大きな影・・・・。

         魔物か・・・・・・・機械か・・・・・・・・・。」

リュック  「しゃべっちゃダメだってば!」

アルベド族はゆっくりと息をひきとった。

リュックはアルベド族を力いっぱい抱きしめて泣いた。




ユウナたちは森に入った。

アルベド族がうまく魔物を止めていたらしく、森は平和そのものだった。

湖のほとりでトワメルに会った。

トワメル  「おお、大召喚士様。その節はとんだご無礼を。」

ユウナ  「お元気でしたか?」

トワメル  「はて・・・、シーモア様亡き後、グアド族は死人も同然にございます。」

ユウナ  「はあ・・・・。」

トワメル  「シーモア様の手にかかって、多くのロンゾが命を落としました。

       生き残ったロンゾは、我らを恨み、復習を企てております。

       そこでグアドサラムにこもって守りを固めておりましたが、もはやそれにも疲れましてな。

       こうして森に隠れ済んでおるのです。」

ユウナ  「トワメルさん・・・・。」

トワメル  「大召喚士様、我らのことは捨て置いてくだされ。

       我らグアドは、かつてシーモア様に付き従ってスピラを乱した張本人。

       許せとは申しませぬが、グアドのことは忘れてくだされ。」

トワメルは遠い目をしていた。




ユウナたちはマカラーニャを出た。

飛空挺に戻るとキマリからのSOSがあった。

ユウナはキマリを助けにガガゼト山へ向かった。