【第11話のあらすじ】
撮影は終わった。
だが、問題は終わっていなかった。
完成した映像を確認すると、
使うはずだったシーンが撮られていない。
「言った」「言ってない」の話し合いは平行線。
しかも編集内容にも違和感があった。
第一話は良かった。
だが、その先がまとまっていない。
構成を考えて撮っていたとは思えない内容に、
僕は何度も修正を依頼する。
だが衝突は終わらない。
撮影が終わってもなお、
ドラマ制作の混乱は続いていく――
散々、揉めた。
正直、何度もうんざりもした。
だが、僕のスタイルはひとつだ。
過去にこだわるんじゃない。これからどうするか。
それだけを考える。
そう思った時、不思議と気持ちは前を向いていた。
この先に何があるのか。それを想像すると、少しだけワクワクした。
もしかしたら、この出来事をきっかけに何かが動くかもしれない。
もちろん、そんなに甘い話じゃない。
でも、ここまで話が大きくなった以上、何かが変わる可能性はある。
そう信じたかった。
だから僕は、編集に対して一切妥協しなかった。
気になるところは全て伝える。
違和感があれば修正をお願いする。
とことんダメ出しをして、とことん直してもらった。
そして――
ついに、出来上がった作品がスガワラくんのTikTokに載ることになった。
こんな名誉なことはない。
憧れのスガワラくん。
その公式動画に、自分たちが作った作品が載る。
信じられない話だった。
オンエアまで、あと少し。
やばい。ドキドキする。
胸の奥がずっと落ち着かない。
けれど、本当に気になっていたのはそこじゃなかった。
スガワラくんは、この作品を見てどう思うのか。
それが何よりも怖かった。
期待してくれるのか。
それとも、ダメ出しなのか。
頭の中は真っ白。
いろんな感情が渦巻く中、
ついにオンエアの時を迎える。
そして――
僕はついに、
スガワラくんと
直接会うことになる。
続く。