「やだもん」というお化けの話。

「いやだ、いやだ!」と駄々をこねる子供を足を消してお化けにしてしまう。

 

駄々をこねる子供の前に現れて、次々とお化けの仲間にしていく・・・

でも、最後の女の子は駄々をこねたことを途中で謝る。そしたら、消えかけていた足が元に戻る。

それから、女の子は一切我儘を言わなくなる。

お化けの「やだもん」は小さくなり、泣き出してしまう。

そんな姿をみた女の子は、ママのようにお化けをあやす。

「やだもん」と女の子は仲良くなり、楽しそうに夜空を散歩する・・・

 

我儘を言って、駄々をこねる子供に「やだもん」の話をすれば、ある程度収まるかな。

でも、小さな子供限定かもしれない。

この絵本の絵は、なかなかかわいく絵が描かれいる。

お化けの「やだもん」も怖そうで、最後は女の子と友達になる憎めないやつ。

「やだもん」のキャラクタは忘れないでおこう。

 

得体のしれない何かが「いるかもしれない」、「いないかもしれない」・・・

子供のころ、なんとなくこういうぼんやりとした恐怖の中を彷徨ったことって誰でもあるんじゃないか。

この絵本はそういう得体のしれない何かを語った絵本・・・

 

あらすじ

少年がおばあさんの家で暮らすことになった。

とても古い木造建築で、天井が高く、太い木でできた梁が渡っている。

梁から電灯がぶら下がっているが、それより上は暗くてよく見えない。

少年はある日梁の上の方の暗がりを見ていると、そこに怒った男の顔があった・・・

 

感想

うー、もう絵が怖すぎる!

少年は見えたものをおばあちゃんに打ち明けるんだけど、おばあちゃんは受けごたえが好き。

「みたのかい。じゃあ、いるんだね」

「うえを見なければ、こわくないよ」

いなくなるの?と聞かれて・・・

「さあ 見ないから いるか いないか わからない」

「見なければ いないのと おんなじだ」

 

このオトボケ具合が年の功なのかな。

おばあちゃんはその存在について知っているのか?知らないのか?よくわからない。

私も、子供に対して、こういう受けごたえをできる大人になっていきたいね。

最後に「考えて決断するのは、自分自身なんだよ」ってメッセージを込めたアドバイスができる人間にね。

 

「希望の牧場」?

なんか聞いたことあるような、ないような・・・

 

あらすじ

2011年3月11日。

東日本大震災の約1時間後、原発施設を津波が襲った。

放射能が広がって避難区域になり、近くの牧場も放射能に汚染させた。

そこには肉牛が330頭飼われていた。放射能を浴びた牛はもう食えない。売れない。

でも、主人の「牛飼い」はそこに残って牛の世話を続けた。非難もせず、餌代がただただ掛かるだけなのに・・・

他の牧場や牛舎は国の命令で殺処分されていく。

でも、その牧場は最後まで抵抗し、牛を生かした・・・

いつしか「希望の牧場」と呼ばれるようになった・・・

 

感想

手に取った時に、「あれ?なんだっけ?」と思った。

記憶にあるようなないような・・・

でも読んでみて、「あったんだ。TVで見たことあったよ、たしか!」。

 

すべて「実話」。

あの大地震から、14年かぁ。風化しているなぁ。

自分の記憶も・・・

『けど、弱った牛が死ぬたびに、ここには絶望しかないような気もする。』って一節がすべてを語っている。

 

「希望の牧場よしざわ」のX投稿によると、今年3月時点でまだ150頭の被爆牛が生き残っているようだ。

吉澤正巳さんは、最後の1頭までお世話をするつもりらしい・・・

映画にならないかなって思ったら、ドキュメンタリ映画は作られたようだ。

 

 

いや、豪華俳優キャストで映画にしてほしい。

吉澤さん役は、役所広司か、唐沢寿明か、渡辺謙か、阿部寛、遠藤憲一辺りでどうかな。

原発事故の恐ろしさ、悲惨さを後世に語り継ぐために、ぜひ・・