「あなたをずっとずっとあいしてる」(西宮達也) 

「血のつながり」よりも強い「愛の絆」がある。
恐竜時代を舞台に、種族を超えた親子の愛を描いた、大人も子供も涙が止まらない感動の一冊をご紹介します。

 

 

あらすじ

「この子は私の宝物」 

昔、マイアサウラのお母さんが、森でひとりぼっちの卵を見つけました。「このままではティラノサウルスに食べられてしまう」……心配したお母さんは、その卵を持ち帰り、自分の卵と一緒に大切に育てました。

しかし、その卵から生まれたのは、あろうことか天敵であるティラノサウルスの赤ちゃんでした。

一時は「このまま育てるのは恐ろしい」と捨てようとしたお母さんでしたが、泣き声を聴くとかわいそうで放っておけません。お母さんは彼を「ハート」、自分の子を「ライト」と名付け、実の子と分け隔てなく、あふれんばかりの愛情を注いで育てました。

 

明かされた真実 

ハートは自分がマイアサウラだと信じ、兄のライトと仲良く成長します。 ところが、ある日。大好きな「赤い実」を採りに出かけたハートの前に、本物のティラノサウルスが現れ、残酷な事実を告げるのです。 「お前は、俺たちと同じティラノサウルスだ」

ショックに震え、泣きながら帰宅したハートを、お母さんは強く抱きしめました。 

「あなたは私の大切な子、私の宝物のハートよ」

 

切ない決意と、山積みの「赤い実」

お母さんの言葉に救われたハートでしたが、自分という存在が家族を危険にさらすことを悟ります。彼は家を狙う別のティラノサウルスを止めるために旅立ち、二度と戻ることはありませんでした。

それから月日が流れ、お母さんがかつてハートを拾った林へ行くと、そこには山のような赤い実が積まれていました。姿は見えなくても、そこには確かにハートの愛があったのです。

 

✨ ここがおすすめ!3つのポイント感想

1. 種族を超えた「母の愛」の深さ
「もし我が子が天敵の姿をしていたら?」という極限の状況で、葛藤しながらも愛し抜くことを選んだお母さんの姿に胸が熱くなります。

2. ハートが選んだ「優しさ」ゆえの別れ
家族を守るために、自分が何者であるかを受け入れ、あえて姿を消したハートの決意が切なすぎて涙を誘います。

3. 余韻が残るラストシーン
直接会えなくても、積まれた「赤い実」を通じて心を通わせるラストは、読み終わったあともずっと温かい余韻が残ります。
 

感想

「育ての親」も「産みの親」も関係なく、どれだけ愛情を注いだかが本当の絆を作るのだと、改めて教えられました。
最後にお母さんがつぶやく「あなたがどこにいても、ずっとずっと愛してる」という言葉は、すべての子供たちが一番欲しがっている言葉ではないでしょうか。

 

こんな人におすすめ!

  • 親子の絆を再確認したい方

  • 優しい心、思いやりの心を育みたいお子さん

 
【ストーリーイメージ(※絵本の絵とは異なります】

作者さん情報「みやにしたつや」さん

 

"1956年静岡県生まれ。日本大学芸術学部美術学科卒業。「きょうはなんてうんがいいんだろう」(鈴木出版刊)で講談社出版文化賞絵本賞を受賞。「パパはウルトラセブン」(学研刊)などでけんぶち絵本の里大賞を受賞。「おとうさんはウルトラマン」(学研刊)などの作品がある。 「ティラノサウルス」シリーズ初の幼年童話!"

 

 (引用 : 絵本ナビ「宮西達也」)