「いっぱい さんせーーい!」(宮西達也)

五匹の仲良しオオカミが、みんなでやりたいことの意見を言い合う。

本当に仲がよいからか、能天気なだけか?「みんな言ったことさんせーーい」と言って全部やる・・・

結構滅茶苦茶な構想の絵本?

 

 

あらすじ

ある日、5匹の仲良しオオカミがいた。

バル、ビル、ブル、ベル、ボルの5匹で、それぞれ天気の良いこの日にやりたいことを言い合う。

 

バルは、サイクリング。

ブルは、凧揚げ。

ベルは、野原でお昼寝。

ボルは、長めの良い高い山で景色の鑑賞。

 

バルは、みんなの意見を聞くと、「みんなのいったこと、ぜーんぶいいよね。いまから、ぜーんぶやらない?」という。

みんな一斉に「さんせーい!」と叫ぶ!

 

自転車にのって、サイクリングで野原まで行き、凧揚げをする。

そして、凧揚げにつかれたら、その場で昼寝。

夜になったら、近くの岩山に登って、景色を楽しもうとする。

 

すると、岩山の登ってきた反対側に、子豚が大勢いた。

オオカミたちは子豚を食べたく、岩山から降りようとするが、急な斜面で降りるのはちょっと怖くて手こずる。

子豚たちは、オオカミの存在に気づかず、「岩山に登って、星を眺めようよ」というものが現れる。

その声を聞いた5匹のオオカミは思わず「さんせーーい!」と大声で叫んでしまう。

その声で、オオカミの存在に気づいた子豚たちには逃げられて、オオカミはガッカリとするというお話。

感想

5匹の仲良しオオカミは、ポジティブな性格で「さんせーい!」と大きな声で言うことが口癖になっていたようだ。

最後はこの「さんせーい!」の口癖が仇となり、せっかくの子豚のご馳走に逃げられてしまう。

 

素晴らしいポジティブが裏目に出るっていう、なんだかちょっぴり切ない話だった。

最後のページの「作者のことば」という欄に、作者の宮西達也さんは大きな声で「さんせーい!」を世の大人に広げたいらしい。

 

広げたいのに、ちょっと皮肉った話を書いたのはなぜだろう?

そこが宮西達也さんの面白いところかもしれない。

 

 

作者さん情報「みやにしたつや」さん

 

"1956年静岡県生まれ。日本大学芸術学部美術学科卒業。「きょうはなんてうんがいいんだろう」(鈴木出版刊)で講談社出版文化賞絵本賞を受賞。「パパはウルトラセブン」(学研刊)などでけんぶち絵本の里大賞を受賞。「おとうさんはウルトラマン」(学研刊)などの作品がある。 「ティラノサウルス」シリーズ初の幼年童話!"

 

 (引用 : 絵本ナビ「宮西達也」)