脳性まひと向き合う少女の成長物語!「わたしの心のきらめき」(シャロン・M・ドレイパー) | シロの読書備忘録

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著者シャロン・M・ドレイパーさんの作品は

『キャラメル色のわたし』に続いて2作目

 

 

テーマ

障害者

サマーキャンプ

アメリカ

ティーンエイジャー

 

対象年齢

小学校高学年から

 

出版年・ページ数

2023年7月

358ページ

 

あらすじ(公式ホームページより)

脳性まひのため、生まれた時から言葉を話すことができず、体もほとんど動かせないメロディは、もうすぐティーンエイジャー。同じような子どもたちだけが参加するサマーキャンプに飛び込むメロディの、忘れられない体験をつづる感動作。

 

感想

『わたしの心のなか』の一年後を描いた作品だそうだが、前作を読んでいなくても大丈夫だった。

最近、障害を抱えている主人公の作品に出会うことが増え、社会が彼らにとってどれだけ住みにくいのか考えるようになっていたので、障害を抱えているお子さんを対象にしたサマーキャンプがあることに驚いた!

 

初めての体験にワクワクどきどきし、恋心にそわそわする主人公たち。その感覚は、健常者と何も変わらない。いつの間にか、彼女たちの親になったような気持ちで読み進めていた。

 

常に寄り添ってくれるスタッフたち。家で常に家族に注意を払われているのと同じだと不満を漏らす彼女たちの気持ちは、きっと本書に出会ってなかったら気づけなかっただろう。

 

障害を抱える人たちが、どんな葛藤や悩みを抱えているのか。とても丁寧に書かれた作品だった。

 

印象に残ったフレーズ

「特別な配慮が必要」という言葉について、わたしは考える。その言葉は好きじゃない。だって、すごく......あいまいだもの。特別な配慮が必要じゃない人が、だれの気持ちも傷つけないようなあいまいな言葉を作るように決めたみたい。でも、その言葉を使われる人にとってみれば、自分が何かたりない人間みたいに感じさせられる。わたしには欠けているところがあるように感じてしまう。そのとおり、わたしには、特別な配慮が必要。でも勝手にレッテルをはらないで。p.24

 

「パパはもうアメリカで一番お金持ちだぞ!」パパが笑いながらいう。

(略)

「そうさ。ペニーとママとメロディがいるんだから」p.57

 

家族をこんな風に思えるパパ、素敵だなと思った気づき

 

 

 

 

 

関連書籍

■わたしの心のなか

 

■キャラメル色の私(読了)