題名に興味を持ち事前にチェックをしていない本作品を購入。文庫はこういうチャレンジができるから楽しい。
ただし、またまた苦手な短編集作品であった事は猛省するに値するが、他の短編集よりは違和感無く読み進められる。
銀行員による中小企業経営者に対する物語であるが、その中で題名となっている章であるかばん屋の相続が特に記憶するものとなった。
きめ細かい製品が高いブランド力を保持しているかばん製造業を経営する父親、銀行支店長の兄、かばん会社の現場を仕切る弟の構図で描かれ、父親が無くなった後に兄が準備していた父の遺言に従って、弟ではなく兄に会社資産が相続された。
兄は銀行をやめ、これまで散々愚弄してきた父の中小企業を仕方なく継ぐ姿勢だが、周辺はどうにも賛成できず、また弟は会社を去り独立し、職人達もまた弟についていくのである。
金融テクニックを盾に経営を立ち直らせる奮闘をする兄は結局のところ、経営者には向かずまた会社が存続できないところまでにしてしまった。
ここで終わると通常の反撃的な勝利で終わるのだが、その後競売や金融手法によって弟がなじみある社屋を取り戻す場面などは池井戸作品による隠し味だと感じる。
彼の作品は既に何作も読ませて頂いているが、やはり一本の筋があり、そこに惹かれまた次を期待してしまうのだと思う。
かばん屋の相続 (文春文庫)/文藝春秋

¥637
Amazon.co.jp
ただし、またまた苦手な短編集作品であった事は猛省するに値するが、他の短編集よりは違和感無く読み進められる。
銀行員による中小企業経営者に対する物語であるが、その中で題名となっている章であるかばん屋の相続が特に記憶するものとなった。
きめ細かい製品が高いブランド力を保持しているかばん製造業を経営する父親、銀行支店長の兄、かばん会社の現場を仕切る弟の構図で描かれ、父親が無くなった後に兄が準備していた父の遺言に従って、弟ではなく兄に会社資産が相続された。
兄は銀行をやめ、これまで散々愚弄してきた父の中小企業を仕方なく継ぐ姿勢だが、周辺はどうにも賛成できず、また弟は会社を去り独立し、職人達もまた弟についていくのである。
金融テクニックを盾に経営を立ち直らせる奮闘をする兄は結局のところ、経営者には向かずまた会社が存続できないところまでにしてしまった。
ここで終わると通常の反撃的な勝利で終わるのだが、その後競売や金融手法によって弟がなじみある社屋を取り戻す場面などは池井戸作品による隠し味だと感じる。
彼の作品は既に何作も読ませて頂いているが、やはり一本の筋があり、そこに惹かれまた次を期待してしまうのだと思う。
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