なかなか面白い展開の校正をされているな、というのが第一印象であり、意外性やドラマも散りばめてあるところがなかなか良い。
心に響く完成度ではないが、校正の完成度としては良いのではないか。

修学旅行を多面的に多数の視点で描き新しい印象を与える。
青森から飛行機に搭乗し東京へ向かう。ただそれだけの行動ではあるが、クラッカーを持ち込んだ女生徒が離陸の時間に近づいた際にプレッシャーに負けてしまったこと、その場で続けばよいのに再出発してから不安に駆られ白状した生徒、この辺りは始まりとして滑稽であり、ティーンエイジャーの心理をうまく表現していると思う。
旅行先での妙なオフ会開催での友人への懺悔告白、間違えてバスに乗ってきて引き返せなくなった引きこもりの他校の生徒が繰り出す心の動き、そして、学生時代に友達以上恋人未満だった男女がバスの運転手と先生として再会し、最終的には今後の二人を誓うのだがその事実は告白より、どちらが先に折れるか、どちらが意地を通すか、そんな心情で表現するのはとても読んでいて楽しかった。

物語としては非常にシンプルなのだが、校正の新しさや、時間を巻き戻して視点を変えていく手法は、ともすれば飽きられてしまうのではとも思えたが、最後まで楽しく読めて満足だった。
決して感動する名作ではないが、これもまた一興かなと。
幸せであるように (幻冬舎文庫)/幻冬舎

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