なぜだろう。西作品を読むととても心が温かくなり、そして自分の生活において荒んだ部分があれば見直したい衝動に駆られ、また誠実に愚直に自分を再評価したくなる。
こういう作品を読む事で啓発ではなく自己発見を実現できると感じる。

一人のOLが会社をやめ割合裕福な実家に支えられている環境において、外出しなければと思い立ち、雑誌で憧れた国内環境名所へ旅立つ。
この作品の主人公は周りの中で自らがどのように評価されているのか、浮いていないか、空気が読めているか、より平均であるか(あるいは平均以上か)、そのような物差しにおびえながら青春時代を過ごし、そして社会人生活も同様に過ごしている。
非常に日本人的な精神状態でないかと読んでいて感じたが、それらの描写をより明確に表している。
旅先でであった不思議な面々との触れ合いでこれまで認めなかったものに対し、異なる価値観で開放されているのだが、その情景を想うだけで涙を誘われる。

また、読み直したい本であり、自分が老いてから読むとまた異なった感情が得られるのではと感じた。
うつくしい人 (幻冬舎文庫)/幻冬舎

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