何の前提も無く、何の意識もなくただ書店にて気になった作品を選ぶという手法で手にとった。
厳密に言うと何かしら目立つ工夫がしてあるわけであり、それなりに評価されているとは潜在的に感じていたが。

作品の中では、幽霊が依頼に訪れる探偵事務所が舞台となっており、そこへ偶然ある落し物を拾った青年(中学二年)が落とし主であった気になる同級生に届ける為この事務所を訪れ、さらに偶々幽霊が見える体質でもあり解決へ向けて奔走するという一軒荒唐無稽とも思えるファンタジーが滑稽に、そして計算高いミステリーとして描かれている。
単純な推理で展開される謎解きのみではなく、多感な中学二年が受ける父親からの影響力や、対峙する或いは従順に受け入れる心の迷いや変化なども見所として用意されている。

主観で述べるならば、非常に楽しく読ませて頂いたミステリーであったと思う。
個人的な好みとしては多少、数値的な要素や学術的な内容を踏まえて考えさせる投げかけがあっても面白いだろうなと考えるが、総じて非常によく纏まりのあった作品であり、シリーズとして存在している事を知り今後も他作品も読めたらと思う。

幻想探偵社 (講談社文庫)/講談社

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