なぜだろう。阿呆で頭が足りない、しかし底抜けにお人好しで明るく豪快な"肉子ちゃん"にとても憧れる。
このキャラクターを少々馬鹿にしながら読み始めたが、最終的にはこんな人間がいたらすばらしいと思うようになっていた。

肉子ちゃんとキクりんの母子が繰り広げる物語で、明るさや人間の暖かさ、そして女子特有の世界観が表現されている。
狭い舞台で豊かな劇を見せられているような、それでいて内容が濃すぎず薄すぎず、そして心が暖まる心地良さを覚えた。

母子の名前が同じという特異な始まり方が、肉子ちゃんの少し足りない考えの結果と思い面白おかしく感じていたがクライマックスでは、より人間の暖かさが増しそれでいてしつこさの無いあっけらかんとした明るさに改めて感心した。
愛する愛されるという表面的な定義よりもこの本を読む事で心に訴えるものがあるのだと、ただただ愉快だった。
漁港の肉子ちゃん (幻冬舎文庫)/幻冬舎

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