「再帰的な」という意味合いで使用されたリカーシブルという作品。
この再帰的というのはこのミステリーにもとづいたフレームワークであるとともに、全体の流れを決定ずける宣言をしているような題名であり、時間的な謎解きを用いた楽しみ方ができるのであろうと容易に想像できた。
物語は主人公、その母親と弟がある出来事をきっかけに母親の里へ帰ってくるところから始まる。
主人公の中一女子は少し大人びた考えで行動する様子が描かれ、心の動き、自制、落胆、そして愛情などの心の変化が面白い。
結論は別にして、この弟が予言めいた発言を繰り返し物語の最終成果を得る為に徐々にヒントを与えていくような流れが構成され読みやすい。
かなり主観めいた見方だが、全体の総括としては少し大げさな舞台であり、表現が間に合っていない部分、つまりは読み手を納得させるプロセスをいくつか省いてしまっているようにも感じた。
十分作品としては楽しいのだが、もう少し段階的に発見があり、大きな結果までの道があるのであればもう少し舗装されたほうがより楽しめると感じる。
ただミステリー作品という性質上、どうしても謎や解明する道筋、そして謎解きのクライマックスという序列を求めてしまうのだが、冒頭で述べたとおり主人公の心の動きや、大人びた考えができる、言い換えれば自分なりに納得しそれなりに覚悟もできる姿勢に心が打たれた。
作者は実はミステリー小説という性質よりも、このような義家族がおかれる他人性やそれでいて感謝できる愛情などを注力して描きたかったのではないだろうか。
その点では非常に面白い作品である。
リカーシブル (新潮文庫)/新潮社

¥810
Amazon.co.jp
この再帰的というのはこのミステリーにもとづいたフレームワークであるとともに、全体の流れを決定ずける宣言をしているような題名であり、時間的な謎解きを用いた楽しみ方ができるのであろうと容易に想像できた。
物語は主人公、その母親と弟がある出来事をきっかけに母親の里へ帰ってくるところから始まる。
主人公の中一女子は少し大人びた考えで行動する様子が描かれ、心の動き、自制、落胆、そして愛情などの心の変化が面白い。
結論は別にして、この弟が予言めいた発言を繰り返し物語の最終成果を得る為に徐々にヒントを与えていくような流れが構成され読みやすい。
かなり主観めいた見方だが、全体の総括としては少し大げさな舞台であり、表現が間に合っていない部分、つまりは読み手を納得させるプロセスをいくつか省いてしまっているようにも感じた。
十分作品としては楽しいのだが、もう少し段階的に発見があり、大きな結果までの道があるのであればもう少し舗装されたほうがより楽しめると感じる。
ただミステリー作品という性質上、どうしても謎や解明する道筋、そして謎解きのクライマックスという序列を求めてしまうのだが、冒頭で述べたとおり主人公の心の動きや、大人びた考えができる、言い換えれば自分なりに納得しそれなりに覚悟もできる姿勢に心が打たれた。
作者は実はミステリー小説という性質よりも、このような義家族がおかれる他人性やそれでいて感謝できる愛情などを注力して描きたかったのではないだろうか。
その点では非常に面白い作品である。
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