中堅ゼネコンの若手社員が巻き込まれ周辺が暗躍する談合という世界観。
そして一網打尽の地検特捜による一斉摘発。
この概略だけで、不穏な悪で義を持つ権力によるダイナミックな展開を素直に楽しめそうな気がした。
読み進めてみると、夢を持ってゼネコンで汗を流す若者、そして嫌味の無い彼女の心の変化。
さらには恋愛模様が展開することによる幾多なる感情が物語を肉付ける。
現場で自らが満足する仕事をしたいと妥協をせず前進する若者の姿は業態は違っても自分の新入社員時代を思い出し、ストイックに自分を高めようとしていた熱血漢を微笑ましく思った。
やがて、主人公の若者は現場を離れ、いわゆる談合を調整する部署への移動をきっかけに暗い世界に巻き込まれていく。
政治家・役人・大手中堅のゼネコンが証拠を残さず団結して、おのおのの権益などを守る為、必死に奔走する。
もちろん正義であるはずが無く、血税を利益配分していくこれらの行為は弾劾されるべきだが、調整役となる人間、巻き込まれる人間、そして策士などが絡み合い、ドラマティックに面白く描かれている。
最終的に検察に逮捕されるわけだが、脇の甘さも実は大変興味深く、証明が難しい段階において多少勇み足で号令をかけた一斉家宅捜査では、実は物象はほとんど出ないのではないか、恋愛関係の終末はどうなったのか、母とフィクサーとの昔話の見えない部分はどんな風景だったのか、と想像してみる。
こういう一つ一つの想像を促されるのが楽しいと読んでいて感じた作品である。
鉄の骨 (講談社文庫)/講談社

¥905
Amazon.co.jp
そして一網打尽の地検特捜による一斉摘発。
この概略だけで、不穏な悪で義を持つ権力によるダイナミックな展開を素直に楽しめそうな気がした。
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さらには恋愛模様が展開することによる幾多なる感情が物語を肉付ける。
現場で自らが満足する仕事をしたいと妥協をせず前進する若者の姿は業態は違っても自分の新入社員時代を思い出し、ストイックに自分を高めようとしていた熱血漢を微笑ましく思った。
やがて、主人公の若者は現場を離れ、いわゆる談合を調整する部署への移動をきっかけに暗い世界に巻き込まれていく。
政治家・役人・大手中堅のゼネコンが証拠を残さず団結して、おのおのの権益などを守る為、必死に奔走する。
もちろん正義であるはずが無く、血税を利益配分していくこれらの行為は弾劾されるべきだが、調整役となる人間、巻き込まれる人間、そして策士などが絡み合い、ドラマティックに面白く描かれている。
最終的に検察に逮捕されるわけだが、脇の甘さも実は大変興味深く、証明が難しい段階において多少勇み足で号令をかけた一斉家宅捜査では、実は物象はほとんど出ないのではないか、恋愛関係の終末はどうなったのか、母とフィクサーとの昔話の見えない部分はどんな風景だったのか、と想像してみる。
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