週末の時間を利用し、以前からとても読みたかった『教団X』を読んでみた。

数々の受賞をされている中村作品の中で、もっとも評価が高いであろうこの本を書店で探した時、かなりの期間、在庫無しが続いていた。

自分の元から離れていった一人の謎めいた女性を追い求め、最終的には特殊な思想を持った集団「教団X」にたどり着く。

当初追い求めた先には教団とは言えない、何かを抱えた人間が集まる場所で、代表は神ではなく人間がどのように構成されているか、その構成している素粒子や原始は実は古代から巡ってきたものの可能性もあり太古の人間を構成していたモノで自分が成り立っているのではないか、など非常に独特な論理がユニークである。

またその団体から抜け、さらに独自な団体を構成した『教団X』。
宗教法人ではないが立派な宗教で、男女の性を開放しセックスで性欲を支配していく洗脳性が、一般的な常識社会からかけ離れた描写でユニークであった。
人には理性がある。裸でいる事は恥ずかしい。
そのような制約から解き離れた団体の異常性は、入り込んだ人を魅了していき、さらに依存させて教祖への従順な心を育てていく。

私自信は経営者であるが、この教祖という人種にはやはり人を惹きつける能力が備わっているのだと思う。
カリスマ・新たな考えの普及・そして価値観の提示、これらを普及させるにはやはり能力が必要なんだろうと考える。

物語は公安との戦いや、アフリカの一部の宗教、そして人間ドラマを構成し読み応えのある内容に仕上がっており、多少なりとも新しい世界観を見出せる作品だなと感じた。

この本はぜひ一度読んでいただきたいと思うが、総じて思うことは「本が厚く読む手が疲れる」。


教団X/集英社

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