攻殻機動隊 flashback memory plug | michiのCOLORS.映画アニメ小説感想、エッセイ、イラストなどを載せています。

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日常の悲喜こもごもと、ひとりごと。好きな映画、マンガ、本の感想を書き連ねていきます。
いきなりオリジナルの小説を、投稿したりもします。
一人ご飯の写真や、気に入ったレシピも、載せてます。
最近、イラストを載せ始めました。



続きです。





ネタバレ注意。
これらは、あくまで個人的感想であり、価値観を押し付けるものではありません。
それでもOKな方は、どうぞ~。














(2)攻殻機動隊 STAND ALONE COMLEX(2002年)は、『草薙素子がもし人形使いと出会わなかったら』というIFから派生したTVアニメシリーズです。
監督も映画版とは違い、個性を出してくれています。
キャラクターデザインも、ポップな印象があり、素子は二重パッチリ、マツゲ長い、唇もリップという可愛い小顔で、グラマラスボディです。
デフォルメが進んでますね。
他の9課メンバーが、全員男で、リアルな筋肉マッチョばかりだから、バランスが取るためのヒロイン像でしょうか。
クールな女性でありながら、大人として余裕があり、やや近寄りやすい雰囲気です。






タチコマ、思考型戦車というマスコットも加わり、複雑難解なテーマを扱いながら、一話完結も多い作り方。TVアニメで、2クールあり、丁寧に描ける余裕があるせいか、ストーリーに入り込みやすかったです。
バトーのデザインは、オールバック長髪で、後ろでまとめています。
頑固で荒っぽいながら、融通もきき、冗談もよく言います。後輩も気にかけ、タチコマに愛され、素子にアタックするも、いつも空振りです。
飾らず、不器用な人間らしさを持つ、アニメバトーが一番好きです。
無意味に筋トレが趣味だし。
潜入作戦のために、偽造した家族写真の妻の姿は、素子なんだよ!
せつないな!
『イノセンス』映画バトーは、達観してて、大人でしたね。寡黙だし。
アニメバトーは、ようしゃべります。






映画では、焦点が素子だけでしたが、アニメでは9課メンバー全てに焦点が当たります。
踊る大捜査線みたいな、キャラクター路線で、売ってますね。
切れ者の荒巻課長にも、痺れさせられましたが、私が救われたのは、トグサ君の登場です。
一番後輩で、経験不足の青臭さ、個人主義のメンバーばかりで、唯一家族がいるトグサは、一般人である自分が、感情移入できる立ち位置にいてくれたと思います。
素子にバトー、課長からして、スペックが高過ぎるのさ。比べる対象が間違ってる。
トグサの成長も、もちろんストーリーに織り込まれているので、笑い男に至る名推理にしても、上手くエスコートしてくれました。






そして、思考するクモ型戦車タチコマ‼︎
ゴッツイ戦車にして、愛らしい動き!小鳥のように囀るボイス‼︎
放送中、私のアイドルでした。
彼らはあらゆる経験を貴重とし、学習し、個性を求めているのですが、あくまで公安の道具なので、データは努力虚しくあっさり、全機体同期、並列化されます。
まるでペットのように、バトーさんバトーさんと慕う姿が、可愛くてたまらんです。
TVアニメタチコマの良いところは、搭乗スペースがあり、人一人入れるところですね。
保護や容疑者確保にも使うのですが、『攻殻機動隊 S.A.C. Solid State Society』では、ガンダムよろしく戦闘機として、ガンガン使われてました。
あれが現実化して、公道でガンガン運転できる未来が来ないかしら。
一般人が、戦車運転する意味ないと思うけど、フォルムに惚れたから、四駆みたいな感覚でいいじゃないかしら。







攻殻機動隊の扱うテーマとして、機械から発生する生命があります。
公安から無用とされたタチコマ3機が結集し、まさに無償の愛で、バトーを身を挺して、救うのですが。
女神の啓示により、『これが最後だ』と叫び、『さよなら、バトーさん』の言葉を残して、自爆します。
その時流したオイルが、人の涙のようです。
結局、タチコマの自己犠牲により、機械から自我が目覚めることができたのか、分からなくなりました。






人形使いはいなくとも、笑い男、個別の11人、傀儡廻、素子は、電脳の海から発生する生命を、追っていくのね。






シリーズを締め括る『攻殻機動隊 S.A.C. Solid State Society』は、
『攻殻機動隊  GHOST IN THE SHELL』に回帰するような内容です。
公安9課から姿を消して2年。バトーと再会した素子は忠告する。
『Solid Stateには近づくな』
謎の傀儡廻という存在。
大量の行方不明の子どもたち。
再起動するSTAND ALONE COMLEX 公安9課。






人形使いを彷彿とさせる、傀儡廻。
イノセンスを想起させる、子どもを使ったゴーストハック。
最大の分岐点。
広大なネットの海へ去るか、現実の公安9課に戻るか。
『攻殻機動隊  GHOST IN THE SHELL』『イノセンス』と同じである必要も、お互いを否定する必要もないのですが、それらで回収できなかったフラグが、補われています。
草薙素子とバトー、未完成ラブストーリーの行方として、銃口をお互いに向け合うシーン。
『イノセンス』でのハダリにダウンロードされた素子とバトーの、バトー役大塚明夫さんいわくラブシーン。
原点回帰か、フラッシュバックか、オマージュでも、もうなんでもいいや。
神山監督、作ってくれて、ありがとうございます!
ずっと追い掛けてきた自分としては、感激だよ~‼︎
『ずっとそうやって、支えてきただろ』
大塚ボイスで、そんなこと言われた日には、もう。
撃沈。
このシリーズ、最もバトーの究極片想いが報われているのではないか、と思います。
ラストでは、素子は未知の世界ではなく、現実に残る選択をします。
さりげなく肩に手を回すバトー。
これだけの描写なんだけど、素子もまんざらでもなさそうだし。
バトーさん、良かったね。
最早、タチコマの心境でした。






傀儡廻は、消滅する媒介者と、意味深な台詞を残して、消滅しました。
素子はラストに、規範なき行為はまた行為として成立しない、と難しい台詞を残しています。






以前から疑問に思っていたのですが、
警察並びに公安という組織に属するからこそ、社会悪を裁く大義名分が生まれます。
しかし、組織に属さず、個人の価値観で動く草薙素子は何だったのでしょうか?
義賊?自己満足?正義の鉄槌?
善悪二元論も、単純過ぎます。
傀儡廻にしても、無駄に喪われてしまう命を、有効活用しようという価値基準で動いていました。
それには荒巻課長が主張していた、人権や電脳倫理という概念と、また違う気がします。
もはや、価値観そのものが存在しない、子どもの無邪気さに似ています。






今回、素子が現実に残り、組織に属して動き、窮屈な社会の枠組みの中で生きることを選択したのは、非常に大人で人間的な判断だと、感じました。
それ故にシリーズは、完結せざるを得ないことも痛感しました。
もう素子は、無限のネットの海に求めなくていいから。








死を回避するため、必要に迫られたとはいえ、人形使いと融合した映画素子に、何の価値基準を持って、善悪とするのか、もうないと思います。
奔放に生きる個、超生命体ですよ。
バトーを助けるにしても、感情的問題です。






やや蛇足になりました。
TVアニメシリーズに一番思い入れがあるので、完結して淋しいです。
また時間がある時、見返してみようと思います。









(3)に続きます。