本 『うつくしい人』 西加奈子著

 

 

 

【あらすじ】

他人の苛立ちに怯え、細心の注意を払いながら重ねていた日々を自らぶちこわしにした百合。会社を辞め、「ただの旅行」で訪れた島のリゾートホテルのバーにいたのは、冴えないがゆえに百合を安心させるバーテンダー坂崎と、暇を持て余す金髪のドイツ人、マティアスだった。美しい瀬戸内海の離島、そこしかないホテルで不思議に近づく三人の距離。地下には、宿泊客が置いていく様々な本が収められた図書室がある。本に挟まっていたという一枚の写真を探すため、ある夜、三人は図書室の本をかたっぱしから開き始める―。会社を逃げ出した女、丁寧な日本語を話す美しい外国人、冴えないバーテンダー。非日常な離島のリゾートホテルで出会った三人を動かす、圧倒的な日常の奇跡。

 

 

【感想】

ずっと以前から私が行ってみたいと思っている島が舞台ということで手に取りました。

けど、島自体内容には全く関係なかったです。

今、自分の気持ち的に心を病んだ人の話は読みたくないので、ちょっといらつく部分の方が多かったです。

西さんの作品まだ2作しか読んだことありませんが、私とはちょっと相性悪いかも・・・。

本 『セレモニー黒真珠』 宮木あや子著

 

 

 


【あらすじ】

町の中小葬儀屋・セレモニー黒真珠は、忙しかったり、ヒマだったり。
いちおうまだ20代なのに40代にもまちがわれるほどシッカリしすぎな29歳女性・笹島に、悩めるメガネ男子26歳・木崎、何やらワケアリ気味の新人女性派遣社員21歳・妹尾。
葬儀屋を舞台に男女3人の仕事と恋愛を描く連作短編集。
宮木あや子流ラブコメは、泣けるラブコメ。

 

 

【感想】

これも「お仕事系小説」ですね。

葬儀屋が舞台のラブコメ(?)。

でも、あまりコメディー要素は感じませんでした。

思ったよりもあっさりテイスト。

登場人物が若いから仕方ないかな。

喪服と眼鏡が似合う男というのは反則ですね。

仕事着が似合う男は得です。

同じ女として妹尾ちゃんのエピソードがとても痛ましかったので、ぜひ続編で救済エピ書いて欲しいです。

本 『ある日、アヒルバス』 山本幸久著

 

 

 

【あらすじ】

東京の観光スポットをめぐるバス会社・アヒルバスに入社して五年のバスガイド高松秀子(デコ)は、わがままなツアー客に振り回されながら仕事に励む毎日。

ある日突然、新人バスガイド研修の指導員に指名されるが、自信のない態度が災いして、新人教育は遅々として進まない。

そんな中、同期の中森亜紀にアヒルバスの「革命」を持ちかけられて……。

軽快なテンポとユーモアあふれる筆致が笑いを誘う一方、主人公デコをはじめバスガイドたちが、それぞれに悩みを抱えながらも奮闘する姿は、胸に沁み、生きる元気が湧いてきます。

名手がおくるとびきりのお仕事&青春小説です。

また、アヒルバスのガイドたちによる東京名所の観光案内も読みどころのひとつ。

二重橋、都庁、お台場、東京タワー、浅草、築地本願寺など、よく知っているつもりの観光スポットも、デコたちのガイドにかかれば意外な新発見があるかも。

アヒルバスならではのTOKYO観光をお楽しみください。
 

 

【感想】

山本さんの「お仕事小説が面白い」という噂を聞き、一番初めに読んだこの本の主人公はバスガイドさん。

バスガイドは「愛想なし・記憶力なし・臨機応変対応力なし」の三重苦の私にはとてもできない仕事だなぁ、と思います。

芝居っ気&茶目っ気たっぷりにガイドしてくれるデコちゃんに私もすっかりガイドされていました。

ノッポン兄弟に会いたいなぁ(笑

お客さんにあだ名をつけるくだりや同僚の亜紀ちゃんに笑わせてもらいました。

アヒルのキャラクターや社歌も可愛い。

社歌はどこかの保険会社のCM曲を彷彿とさせますが・・・。

 

お仕事というのは自分のことさえちゃんとしていればいいというものではなく、同僚とのチームワークも大事だし、後輩も育てなければならないし、場合によっては無能な上司の面倒まで見なければならない厄介なものです。

最近ほんとに人間関係が面倒くさくてどっかの山奥に引っ込みたいと思うこともしばしばですが、いろんな世界で頑張っている人たちを見て励まされたり、こういう小説を読んで勇気づけられたりしています。

ありがたや。

 

買ったまま積ん読している『凸凹デイズ』とちょこっとリンクしている部分もあるみたいなので、こちらも読むのが楽しみです。

 

読み終わった後、ピノが食べたくなり久しぶりに買って食べましたが、願いのピノは出ませんでした。

ピノの神様に出てきてもらえるよう私もがんばります。

本 『プラスチック・ラプ』 樋口有介著

 

 

 

【あらすじ】

公孫樹の枯葉がふりそそぐ十二月、中学時代の同級生・竹田寛子が、ラブホテルで殺害された。高校二年生の木村時郎は、寛子の最近の様子が気にかかり、彼女の高校の同級生を訪ねた。そして寛子が、“プラスチック・ラブ”という謎の言葉を残していたことを知る。その帰り、時郎は事件を取材している柚木草平と出会う―。四季の移ろいと事件を綴った、青春私立探偵シリーズ番外編。

 

 

【感想】

木村時郎くんが主人公の連作短編集。

草平さんシリーズ番外編となっていますが、草平さんが出てくるのはこの中の一編だけです。

時郎くんは草平さんのミニチュア版みたいな男子高校生。

嫌だなぁ。

こんな「人生の酸いも甘いも全て知ってます」みたいな顔した高校生。

しかも何股かけてんだ?


本 『船に乗れ! Ⅱ 独奏』 藤谷治著

 

 

 

【あらすじ】

オーケストラの発表会後、ピアノの北島先生を交えたトリオで臨んだホーム・コンサートを経て、南枝里子との距離感をグッと縮めた津島サトル。

1月のある日曜日、南とともにオペラ『魔笛』を観劇して、信じられないほどの幸福感を味わう。
高校2年生になり、さらに「音楽漬け」の毎日が続く。
新1年生は、自分たちより技術的にはっきりと高度で、津島と南は焦燥感をつのらせる。

そんな中、オーケストラ発表会に向けての練習が、また始まった。

南は第二ヴァイオリンの、津島はチェロの、それぞれ〈トップ〉となる。

さらに、フルートの天才・伊藤慧とクレオパトラとあだ名される北島先生から、それぞれ演奏のパートナーに指名されて有頂天になる津島だったが――。

 

 

【感想】

第一巻のキラキラの青春から一転悪夢の青春になってしまったサトルくん。

サブタイトルの「独奏」という響きが切ないです。

普通の男子高校生にとって相当なトラウマになるであろう経験をしてしまい、親になんと言って宥められても聞き入れられるものではないですよね。

このどん底から立ち直ることができるのか?

 

クラシックやオペラの描写が興味深く、また金窪先生の授業やサトルくんとのやり取りも哲学的で読み応えあります。

 

三部作のようですので次巻で完結しますが、どこに落としどころを持ってくるのか、そして「今」のサトルくんがどうなっているのかとても気になります。