本 『贖罪』 湊かなえ著

 

【あらすじ】

誇るべきところは空気のきれいさ、夕方六時にはグリーンスリーブスの音色。そんな穏やかな田舎町で起きた、惨たらしい美少女殺人事件。犯人と目される男の顔をどうしても思い出せない四人の少女たちに投げつけられた激情の言葉が、彼女たちの運命を大きく狂わせることになる――これで、私の罪は、償えたのでしょうか?

 

 

【感想】

私は基本的に気分転換の為に本を読むので、甘かろうがぬるかろうがハッピーエンドの本の方が好きです。

「ああ、良かったね」という気持ちで裏表紙を閉じたいのです。

そして、一番苦手なのは、登場人物たちが連鎖的に不幸になっていく本です。

この『贖罪』はまさしくそんな本でした。

まず、物語の発端となる殺人事件が殺人事件だけにいきなり重い気分になりました。

そして、その殺人事件に関わった少女たちが大人になってその殺人事件について語っていく構成になっています。

つまり、登場人物は女性ばかり。

これでもか、とばかりに女性の嫌な面が出てくるのです。

そしてラスト、「すべての元凶はお前か!」と突っ込んでしまいます。

なんだかイライラしつつうんざりしつつ、それでも物語に引き込まれてしまったのはやはり作者の力量でしょうか。

 

表紙は作中で都会の象徴として描かれた綺麗なベリータルトです。

裏表紙も同じベリータルトに見えますが、読み終わってよく見ると違いに気づきます。

事件の引き金になった小さな小道具が・・・。