ゲームの制作チームは全員で100人ほどの大きさだった。大きく分けるとチームは、エンジニア、ゲームデザイン、アートの3つの分野に分かれた。私はアートの分野で、更にアート内でも5つほどの小さなグループに分かれたその一グループに属していた。仕事部屋は二人が一部屋を共用する形で、たくさんの小部屋が並んでいた。私の仕事部屋はジェニーという女性と共用することになった。部屋は別々でも社員は自由に各部屋を訪問することができた。自由な雰囲気で、同僚と交流を深めることは簡単だった。お昼や夕食を一緒に食べたり、週末にハイキングに行ったりと、次第に同僚と友達としての付き合いも増えるようになった。ジェニーにはボーイフレンドがいたが、いつも二人の仲が揉めているようであることも電話の会話上明らかだった。部屋を共用しているとついに電話の会話が聞こえてしまうのだ。私の直接の上司は、私の属しているアートグループのグループ長トムという人だった。トムは3Dアニメーションの知識が豊富で、私にとって彼から直接学ぶ技術は貴重だった。ただ、トムは多少人を見下す癖があるようで、社内では彼のことを良く思っていない人は少なくなかった。