いよいよ面接の日だ。デッサン画やデザインのサンプル、そして3Dアニメーションの映像など、過去の自分の作品をいくつかまとめて持って行く。アートディレクターは会ってみるとかなり気さくな人だった。一通り作品を見た後、いくつかの質問を聞かれた。まずは当社のゲームをやったことがあるか、という質問だ。しまった。面接にたどり着くのに精一杯で会社について学習するのを忘れてた。まずい。ありません、と正直に答えた。当社の代表作であるこのゲームについては知っているかという質問にも、知りませんと答えるしかなかった。ゲームはもう中学生以来やったことがないため、最近のゲームについては全く知識がないのだ。更に後で分かったことだが、この会社は世界的に大成功しているゲームをいくつか発売しているため、ゲームを少しでもする習慣のある人であれば誰でもこの会社名とゲームは知っているのだ。顔に火が昇るほど恥ずかしいということは承知だった。また駄目押しのごとく、最後の二者択一問題にも面接ではありえない間違った答えをしてしまった。最後の質問は、この仕事はゲーム業界で働きたいから面接に来たのか、それともただ単に仕事が必要だから面接に来たのかどちらですかというものだった。仕事が欲しいから来ましたと答えたのだ。答えた瞬間、もう二度とこのアートディレクターと会えることはないと確信していた。

最後は、プロジェクトマネージャーと対面して簡単な挨拶をした。実はこの時点で恥ずかしさと後悔の感情の渦に巻かれ、あまり記憶は定かではない。ただ最後に覚えているのは、アートディレクターとプロジェクトマネージャーが二人とも私の向かい側に座りこう聞いてきたのだ。「じゃあ、君はここでいつ仕事を始めることができる?」

「すっ、すぐです。来週からでも。」と私は即答した。

その後は仕事の給料明細、内定通知の書類手続きについて説明があり面接完了となった。

仕事がもらえたのだ。やった。面接からの帰路、ずっと心が踊っていた。