どこにも行かない夏休みだから、読書にはげもう。
長年私がこっそり愛読しているブロガーさんたちのおススメ本を、親子でかたっぱしから読んでいる。
「君たちは今が世界」は、昨年度の中学受験で開成中をはじめとする有名中学が、この本から出題したことでさらに有名になった本らしい。
私は本のタイトルすら知らなかった。
ちょっと面白そうだなと思って、娘にどうかと買ってみた。
六年三組の調理実習中に起きた、洗剤混入事件。
Amazonの商品紹介ページの、この一文だけを読んで注文した。届いてびっくり、これは大人向けの本じゃないか。まずは自分が読むことにした。
そしてまさか、こんなにヘビーな話が待っていようとは。
読みはじめるまで、思いもしなかった。てっきり、洗剤混入事件を中心に広がっていくのかとばかり…。
学級崩壊をしているクラスの話で、主人公の児童がどんどん入れ替わっていく。
んまあ、重い。重い。重すぎる。
私は思慮が浅いタイプの人間だから、何事においても重たい話は好きではない。
女子の超ドロドロストーリーも含まれているとか、知っていれば読まなかったと思う。
女の子同士のあれこれなんて、もう面倒以外の何物でもない。
小学生の話といえども話がヘビーすぎて、途中で読むのをやめてしまおうかと、Amazonのレビューをちらっと見てみた。
そこに「エピローグがよかった」というような文言を見つけ、もしや読後は爽やかにしてくれる話かもしれないと、作者さんを信じて読みきった。
最後まで読んで、本当に本当によかったと思う。
あのエピローグがなかったら、私は数日間、暗い気持ちを引きずっていたような気がする。
人にはいろんな事情があること、一面だけをみてその人を決めつけないこと、一つのご縁が人生を変えるかもしれないこと、そんな感じのことを読んで考えた。
これは娘にも読んでほしい。
ただ今の娘がよく読んでいる本にくらべ、圧倒的に表現がむずかしい。
来年のほうがいいかもしれない。
「この本を読んだら、今日の宿題をパスして明日にまわしていいよ」
勉強へのやる気がなくダラダラしていた娘は、餌に飛びつき、ぶっ通しで読んでいた。
途中で苦しみだしたから、エピソードまでがんばって読んだほうがいいと、ほんの少しだけラストシーンを教えた。
そして娘も読み切った。
エピソードはあの子が出てきたねと喜んでいた。よくぞ読みきったと思う。
で、肝心の読んだ感想。少々ポカンとしていた。
エピソードは「へ~~~」と感心したようだったけれど、私のように心に強くささったものはなかった模様。
だめだこりゃ。まだ精神年齢がおいついていない。
本棚に残しておいて、またタイミングをみて読み返すよう、さりげなくアピールしてみようと思う。
あわよくば読書感想文にしてもらおうと思っていたのに、ダメだこりゃでした。勉強免除をしたことを少し後悔しています。2日分をまとめてやるとか、娘にはとても向いていない作業です。
本を読みきってやっと、開成中の国語の先生がこの本を選び、出題されたお気持ちがわかったような気がします。
いったいどの章を抜粋したのか気になって、ネットで昨年度の過去問をみてみたんです。
よりにもよってこのエピソードから出題するのか、、、と感心(小学生男子に同情)しました。えっと、わざわざ言うまでもありませんが、開成中の問題はさっぱり解けませんでした。
この本も読んでみました。これは、おそらく開成中をモデルにしているであろう中学で、授業についていけなくなった男の子が主人公の話です。
退学して公立中に転入して、世の中にはいろんなご家庭があることを知って、あれこれ経験して、新しい自分の夢をみつける感じのいいお話でした。
こっちのほうが、私は読みやすかったです。ってこれは児童書だから当たり前か。