
妊娠前の私は「おいしいもの」を食べることが生きがいの毎日だった。
地方出身者にとって東京は、そういう意味でとても魅力的な街。
日々「どこどこの△△が食べたい」という欲望が頭に浮かんでは、
それをいそいそと電車で買いに走る生活をしていた。(暇人なのです)
その反動なのか、妊娠してからというものの「食」に対する
意欲が人並みに落ち着いてきたように思う。
それが妊娠して初めて、どうしてもこれが食べたいという食欲がわいた。
なぜかそれは餃子で、お気に入りのお店のじゃないと嫌だった。
ここは繁華街からだいぶ離れているというのに大人気の餃子専門店。
慌てなくてもいいのに、急いでほおばった。
じゅわっとジューシーな肉汁が口のなかいっぱい。幸せ。
それでもやっぱり今の私には油がきつい。
食後何時間もたっている今もきつい。ギブアップ寸前。
これが教科書に書いてある、妊娠初期特有の
「油っこいものやチョコレートなどが食べたくなるものの
身体がうけつけない状態」なのかな。
なんだか心と身体が離れているみたいで寂しい。