魔王のお見合い! 第八十三話『一年前・その6!』
「おい!聞いたか!」
「ああ!氷神と風鬼が戦争だってな!」
魔王城城下町・シギュは『噂』でもちきりだった。
「魔王様も兵をお出しになるらしい・・・」
「まさか!争いを好まぬ魔王様が!」
「いや・・・政治上の問題というものがあるからな・・・」
・・・そのころ魔王城では。
「魔王様!何も自らご出陣なさらずとも!」
黒金の鎧に身を包み、白馬に股がろうとしている魔王を、ヤンが必死に引き止めていた。
「私の兵だ。私が見届けなくてどうする。」
「しかし・・・」
「いざとなったら、私の『力』で・・・風鬼を取り押さえる。」
「危険ですよ!魔王様のお力は・・・」
「いざとなったら、だ。」
「・・・私も行きます。」
「よせ・・・と言いたいところだが、ヤン。力を貸してくれ。」
「・・・はい。」
大勢の兵を背に、魔王は馬を進ませ始めた。
・・・一方、ウルストンクラフト城。
フェルがフューを部屋に呼んで、『作戦』を伝えていた。
「・・・という訳だ、フュー。」
「え?」
「聞こえていただろう?魔王を、殺せ。」
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