魔王のお見合い! 第七十八話『一年前!』
「フュー・・・様ですか。」
「うむ。」
「しかしそれは・・・」
「守桜さんをあきらめたなら、の話だ。」
「そう・・・ですか・・・」
ヤンが俯く。
「ん?」
「いえ、もしフュー様を選ばれたとして・・・。大丈夫でしょうか。」
「何がだ?」
「一年前のことですよ。」
「・・・」
今度は魔王が俯いた。
「あれは・・・フューの言う通り、“過失”だ。」
「それでも・・・」
「そうだな。危険かもしれない・・・」
魔王は目を閉じて、一年前のことを思い出す。
フューに殺されかけた、“あの事件”—。
・・・一年前。
「魔王様!」
魔王よりずいぶん年下の少女が、魔王の部屋に押し掛けて来た。
「おお!フュー!私の美しい婚約者よ!」
亡き父が選んでおいた婚約者第一候補の来訪に、魔王は胸を躍らせていた。
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