魔王のお見合い! 第七十七話『マジメなナヤミ!』
「はああ。」
魔王の大きな溜め息。
「どうしたんですか?」(このパターン・・・)(多いな・・・)
ヤンが雑誌から目を離し、魔王に尋ねる。
結婚情報雑誌『ゼクシル』。
ヤンは今、式場探しに躍起になっている。
魔王の周りでは“何が起こるかわからない”ため、一応魔王室で読んでいたのだが。
「聞いてくれるか、ヤン。」
案の定、中断させられたのだった。
「はい。」
「私は・・・守桜さんと付き合っていて良いのだろうか。」
「・・・と言いますと?」
「ミクやフューは、父上がお決めになった婚約者・・・。もし私が守桜さんと結婚すれば・・・」
『結婚』と言ったところで、魔王がヤンの『ゼクシル』に、ちらっと目をやる。
「すれば・・・?」
「父上を慕う武闘派が反乱を起こすのではないか・・・とな。」
「・・・」
想像以上に込み入った話に、ヤンは戸惑ってしまった。
「しかし、魔王様。魔王様が人間界にくることに反対するものはいませんでした。」
「うむ。私を排するためだろうな・・・。人間の嫁をもらうということは、立派な理由になりうる・・・“罷免”するためのな。」
「・・・」
黙るヤンを前に、魔王はさらに続ける。
「魔族から嫁を選ぶなら・・・」
(魔王様・・・)
「武闘派にも影響力のある、フューだろうな。」
・・・
魔王室の窓のところで聞き耳を立てていたミクの目から、大粒の涙が零れ落ちた。
(アタシは・・・選択の対象ですら・・・ないのね。)
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