魔王のお見合い! 第七十六話『女子たちの日常!』
「10.13!せ、世界記録!?」
お茶の湯大学附属高校の。
体育の授業にて。
青髪の女生徒が、100M走で世界記録を叩きだした。
「あら。手加減しましたのに・・・」(まずかったかしら。)
「フューさん!」
ゴール地点で首を傾げるフューに駆け寄るのはクララ。
当人より焦っている。
「め、目立つようなことしたら・・・問題になっちゃうよ!?魔族の学校入学は認められていないんだから!」
「そ、それもそうね・・・」
フューの額に冷や汗が見えた瞬間であった。
「じゅっ・・・10.03!」
グラウンドに、新たな世界記録がこだました。
計測係の生徒は、腰を抜かしている。
「み、ミクさん・・・!」
「ふふふ・・・。氷神なんかに遅れはとらないわ。」(どうだ!)
たった今、歴史を塗り替えたミクが勝ち誇った笑みを浮かべる。
幸い教師がいない自習の授業だったため、クララが全員に口止めをして難を逃れた。
・・・帰り道。
フュー、ミク、クララは三人で帰るのが日課になっていた。
「もう!大変だったじゃない!」
文句を言うクララなど気に留めず、氷神と吸血鬼はにらみ合っている。
「アタシ、魔王府に寄るから。」
突然ミクが飛び立とうとした。
「なっ!行かせるものですか!」
フューが構えるより早く、ミクは空へ躍り出た。
「べーっだ!」
「きいい!何ですの?!あの吸血鬼!ジョン!追うわよ!」
フューが呼ぶと、近くの生け垣からジョンが這い出してきた。
「あ!ちょっと!」
もちろんクララの呼びかけに応じることも無く、二人は去っていった。
(・・・わたしも行こうかしら。)
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