魔王のお見合い! 第七十一話『また!』
「ポ、ポニョ!・・・じゃなかった。ポニョリータあああ!」
友人の嘆きもむなしく、ポニョリータは跳ね回るのみであった。
・・・
守桜は壮絶なラストを目にして、ぼろぼろと大粒の涙をこぼしていた。
「うう、こんな人生があっていいの・・・?」
「守桜さん・・・」
魔王がそっとハンカチを差し出す。
「うぇ・・・。ありがとう。」
ツンツンしていた守桜が素直に、(そしてかわいらしく)礼を言うものだから、魔王は照れてしまった。
「さあ、出ましょうか。」
魔王たちがロビーに出ると、なにやら人だかりができていた。
(なんだ・・・?)
興味のまま、中を覗き込むと。
「くらいなさい!」
「ふん。そんなへなちょこパンチ!」
「痛ッ!」
「能力使いなさいよ、元婚約者!」
「ホントになまいき!あなたごときになんて、もったいなくて使えないわ!」
日本人には見えない美人二人が、壮絶な殴り合いを繰り広げていた。
闘いに集中しているためか、両者とも魔王には気づかない。
「守桜さん、帰りましょうか・・・」
「う、うん・・・。放っておいていいのかな?」
「たぶん・・・」
「知り合い?」
意外に鋭い守桜。
「まあ。」
「・・・じゃあいいか。」(知り合い・・・)(魔族かな?)
幸いなことに、守桜が見ている間は、争う二人の口から『魔王』の名前は出なかった。
映画館を出ると、外はすっかり暗くなっていた。
「ねえ。」
守桜が唇を尖らせて、魔王に寄り添う。
「今日は・・・楽しかった。」
「そうですね。“また”デートしましょう。」
“また”に反応して、守桜は目を輝かせる。
「絶対だよ?」
「はい。」
二人は、その日初めて手をつなぐ。
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