前にフィギュアスケートの試合の中で、現行では禁止技でやらかしたら2点減点になるバックフリップについて、かなり我慢ならなくて2度に渡り書いた。

今回、ISUの会議でルール変更がなされ、まさか、よもやと思っていたこのバックフリップは容認されてしまった……!???

今後はフツーにスピンやらジャンプ、ステップと同じくいつどこでやろうがどうぞ?の技になったんだろうね?


何考えてんの?

世界中のスケーターとコーチやクラブなど競技関係者からどうしても入れてくださいと署名がハンパなく集まったのか?

あるいはアンケートをしてみんながやりたいと望んでるから解禁にしたのか?

そんなことないと思うんだけど?


危険でしょ?

ある程度スピード出してからエイッとひっくり返るわざなんだから、周りに誰もいないの前提だよ?

だからショーやエキシビションとか、1人、もしくはやる場面のことを把握出来るところで披露するのならよいけど、これを何故、試合の4分の中でやる必要ある?


やるなら練習するよね?

それ、リンクに5人いる6分練習やら公式練習でやるのも認めたから解禁した、と自分は理解するんだが、現実にこれ誰かホントにやる??


まあ、フランスのあの選手1人を優位にするために決めてないよねえ????

ミラノ五輪後からは、フリーのジャンプの数、7本から6本に減らすらしいが?


じゃあその分、ステップが増えた?スピン増えた?

コンボはどうなる?

前半で失敗してからのリカバリーは?

1本抜けて1本転倒でもしたら、今よりリカバリーきかなくなるんじゃ?

危険だからと4Aの基礎点低いままだよね?

でもバックフリップは危険じゃないと?


もっと言えば男子フリーは4分30秒でよかったのに。

長い?でも、その30秒をうまく全体に散りばめて、息を整えたり、つなぎにハイドロしたりイーグルしたりで機械的にジャンプ、ジャンプ、スピン、にならないようそれぞれの選手の個性が活きた振り付けで演技を観られたのだが。

時間削られて、慌ただしくスピン何回回ってレベルとらなきゃ、助走たくさんすると時間足りないからすぐジャンプ!とむしろ身体の負荷が増えてるんじゃないか?


長野五輪からソルトレイクシティ五輪までの頃が、一番みんな4回転挑戦していたし、中身もみな個性があって勢いがあった。トリノ五輪までこの流れだったのに、またルール改正(改悪)で、4回転転倒すると3回転普通に成功する方がたくさん点数が入るようになってしまい、当時はほぼ4Tかせいぜい4Sしか跳ぶ選手もいないし、それも今のように何本もじゃなく、勝負の1本、みたいな感じ。

そうなると無理に難しい4T入れて失敗するより、癇癖な3Ltzの方が間違いない、と急激に4回転をプログラムに入れない選手が増えてしまった。


この結果、バンクーバー五輪ではライサチェックは4回転なしで金メダル、ひん曲がってはいたが飛んだプルシェンコが銀メダル、4回転転倒したけど「道」の素晴らしい演技で日本男子初の銅メダルを獲得したのが高橋大輔さんであった。

試合後にプルシェンコが男子が4回転をやらなければアイスダンスになってしまう!と過激な記者会見をして、4回転論争が巻き起こった。


そして、またルールが変わり、ソチ五輪以降、世界でやるなら4回転は必須の方向になって、ボーヤン・ジンやらネイサン・チェンやら複数の難しい4回転を軽々と飛ぶ選手が出現してきた。

唯一の例外がアメリカのジェイソン・ブラウンで、どうにか試合プログラムに4回転入れたのは数回あったけど、基本彼だけは入れなくても信じがたい点数が常に出せる。確かに彼の美しい演技はどこをとっても素晴らしいから加点がたくさん積み重なるので別次元。


日本男子も、羽生、高橋、町田、無良、田中、小塚、織田、宇野、とみな4回転は入れて戦ってきた。

大怪我からの復活で世界選手権に出るレベルまで努力した山本、エンタメ力、後半スピード落ちない体力お化けの友野、長い手足が武器になる島田、とベテランもいるし、既にオリンピアンの鍵山に仲良し3人の三浦、佐藤と若手も頼もしい。

三宅、吉岡、壺井とまだまだ化けそうなシニアもいるので世界一、国内で3枠を争うのがしんどい国じゃないかと思っている。


まあ日本男子に限らずフィギュアスケート好きで外国人選手もたくさん応援しているんだけど、引退した宇野君が言っていたように、ジャンプも大事だけど表現を頑張りたい、と両方満足いくようにみんな努力してるんだと思うのだが、仮にジャンプ苦手でも、その分ステップやスピンなどでも十分に魅せる技術力があるなら、それに見合う点数配分をするべきでは?


ハイドロやイーグル、あるいはビールマンスピンやドーナツスピン、スパイラルなど美しい技はたくさんあるのだから、単なるつなぎ要素じゃなく、これらのフィギュアスケートとしてのエッジワークにも目を向けて欲しかった。バックフリップなんて他の誰も試合でやってないのに、そんなものを解禁するより他に議論することあったんじゃないの、とイライラする。


だから、乱暴な事を言えば、このまま、あるいはさらにおかしなルールになっていくと、何十年もこの競技のファンでいた自分の好きなフィギュアスケートは、もう競技で見られなくなるのかな、と。


深いエッジで優雅にステップを刻むとか、アウトとインを使い分けてゆったり角度を倒して描くイーグルとか、リンクの半分以上を高い足をあげたまま推進していくスパイラルや、イナバウアーなどを堪能するのはプロスケーターのショーでしか味わえなくなるんだろうか。


さらに言うと採点の計算方法で女子が男子より低くなるやり方も変だと感じるが。男女の違いだけでシングルならやること同じでしょ。

まあロシアの国があれだから今はロシア人いないけど、女子でもやれるなら4回転飛ぶじゃない。

技の点数同じなら、採点も同じでいいと思うんだけど。


選手みんなのこと、考えてのルール改正に見えないし、真央さんみたいに熱狂的に応援してた選手が引退したら、その下にいた若い世代をまた新たに応援しながら競技のファンで居る、今のスタイルもやめるしかなくなるかも。


おかしな採点でいい演技をした選手が悲しい顔になるキスクラは嫌だし、自分勝手にバックフリップされて怪我でもしたら怖いし、その後に滑るせいで氷が削れてそれこそ穴にはまって自分のタイミングでジャンプ跳べなかったら?滑走順を恨むしかないの?


ひたすらモヤモヤするだけだ。

あまりにも残念だ。