新派の俳優で

舞台だけでなく映像でも活動していた

祖父・伊志井寛


今日は50回目の命日です


初孫の私のことを

本当に「目の中に入れても〜」というくらい

大切に可愛がってくれていましたが


染色家である私の母が染めた着物でお祝いした

この3歳の七五三の翌年4月

公演中に倒れて

帰らぬ人となりました


慶應病院で横になる祖父を見舞った時

祖父は「おいで」と手招きしてくれたのに

3歳の私は、そのただならぬ雰囲気に怖気付いて

祖父のそばに行けなかったこと

祖父が寂しそうな顔をしていたことを

今でも鮮明に覚えており


本当に申し訳ないことをしたと深く後悔しています


それでも

私がこうやって舞台に立つようになり

祖父のおかげで

多くの方々に可愛がっていただき

支えていただいて


客席の向こうからは

いつも祖父が見守ってくれていると感じてました


一緒にいた時間は短かったけど

再放送のドラマはよく観ていたから

なんだかちょくちょく会ってたような気もしていたし


祖父の生前を知るたくさんの方々を通じて

祖父のことを知ることができました


祖父がいて、祖母がいて…

そしてご先祖のみなさまが頑張って生きてくれて


運命的な出会いをした父と母が

大変なこともたくさんあったけど乗り越えて

いつも明るく笑いの絶えない家庭で私たちを育ててくれたこと


そんな私たちを多くの方々が支えて下さったこと


そのおかげで

今の私、そして私の家族、子供たちも

こうやってこの世に存在し、幸せに暮らすことができているんだなぁと

改めて感謝の気持ちでいっぱいです




当初は、祖父の五十回忌を予定してましたが

時節柄、やむなく中止をいたしました


また少し落ち着いたら

みんなでお寺さんにも伺おうと思いますが


今日は静かに雨の音を聞きながら

祖父の写真を前に実家の父母とも電話でお喋りします


早く穏やかな世の中になりますように


皆様のご健康とご多幸を心よりお祈りしています


麗子