動けない理由を分かっている。
……怖いから。
何が怖いかも分かっている。
「逃げてもいい。」と、許した。
「許す」というより
「観念せざるを得ない」というのが正しい。
1月の単純子宮全摘出術以来、
今朝3ヶ月ぶりに湯船に浸かった。
自分の体を大切に扱う為に
古いものを捨て、買い替えの為に外出。
自転車で、走りたくなった。
「桜は満開を過ぎてるだろうな……」
それでも行きたくなった。
風が強くて、
花びらが舞う
前を歩いていたご婦人方の会話
「桜吹雪が見れて、一番いい時に来たわね〜!」
満開の桜よりも
花びらが舞う様子
「散る桜」を見れて嬉しいと、
まるで「桜の中にいるみたい!」だと、話していた。
滑るように
カモメが空を飛んでいる——
「あぁ、私はカモメが見たかったんだ!」と、気づいた。
空が広い。
道を外れて、綺麗な桜を辿っていった
「こんな所に桜並木発見!」と思ったけど
地元の方達は、すでに
ゆったりと
思い思いに
お花見を楽しんでいた。
名所と言われる場所じゃなくても
お気に入りとして、地元民に愛される桜。
——桜も咲き甲斐あるね。嬉しいだろうね。
冬を越えて咲き誇る姿を
きっと、誰かが見てくれる。
誰も見ていなくても
春になる。
ただ咲く。
ただ散る。
綺麗じゃないか。
強いなぁ。