仕事のやりがいはどこにあるか。
今日はそんな根本的な問いに光が射した日だった。
昼過ぎ、課長と他社の課長とのメールのやり取りの中にccで突然入れられた。戸惑いつつ経過を注視していると、案の定課長が私の部屋に入って来て、○○の案件に他社がコメントを求めて来た、それを少し手直ししてくれという。制限時間は1時間15分。日本でもよくある光景だったが、カナダでも同じことが行われている。内容は公開できないが、ひとまとめに説明すると、素人に説明する文書としては複雑すぎるから簡素化してほしいということだった。今まで見た数少ない資料の中から似た文言のあるものを取り出して来て照らし合わせ、ロジックを組み立て、関係課の了承を得なければならない。幸いなことに関係課はひとつだけだったので、内容を正確に理解するために15分、自分での手直しに20分、合議に20分、課長への説明に20分という計画を立て、実行。
関係課はカナダとカリブ諸国関係の課。課長が私の折衝相手として指定したのは、その課の課長レベル。日本だったらあり得ないことだが、彼に電話し、まず、メールを見たかどうかの確認の電話を入れる。彼は見ていなかったが、どうやら忙しいため、ほとんど見ることが出来ないだろうとのこと。私は、自分が今から手直しをするのでそれを見てくれ、と言うと快諾してくれた。ありがとうと言うと、「it's a pleasure」。なぜか、この言葉がとても大きな力を持っているように感じた。まず20分間、限られた情報の中から前例を拾いだし、課長の意味するところを探る。すると、確かに「当社方針」という欄と「会議における方針」という欄があり、オーバーラップしている部分が多い。それをうまく統合し、資料としての流れがスムーズであることを確認すると、セクレタリーのところに行く。すると、私が日本からインターンで来ていると知っていたらしく、よくいらっしゃいましたと声をかけてくれた。ノックをし、眺めの良い角部屋に通される。握手をし、私を座らせる。じゃあ、少し説明してくれと言い、まず話を聞いてくれる。説明をし終わると、全体的に同意してくれた。また、いくつかの質問の後、これを付け加えたら良いと一つ提案してくれた。そして、重要なところを一つ二つピックアップし、自分の経験から短く説明を加えてくれる。そして、彼は、それじゃ、また仕事しようね、と言ってまた仕事に戻って行った。ランクのことなど、微塵も感じさせない、しかし尊敬の念を自然にわき上がらせる、とても気持ちがいい人だ。
それを持って課長のところへ行き、私の考え、そしてそれに対する他の課の付け足しを説明する。普通ならメールでフィードバックをするのだけれど、時間が差し迫っていることもあり、私を隣に置いて電話でやり取りをした。折衝が始まったが、文言一つ一つではなく、全体のイメージとしてこのポイントは前に持って来た方がロジカルだ、とか、これを付け加えた方が流れがいいとか、全体的なイメージを伝え、相手はそれに同意する時はOK、よくわからない時は資料をくれと言ったり説明してくれと言ったり。しかし、ものの5分で話は済んでしまった。日本だったら文言の細かい詰めをしたり、下のレベルから上のレベルに取り次いだりするうちに時間が経ってしまい、こう素早くはいかない。もちろん、両者に良い面悪い面はあるのだけれど。振り向いて、ありがとう、助かったよと声をかけてくれる。そして、この研修の後はどうなるんだね?とか色々聞いてくれた。相手に印象付けるような話をすることが出来なかったのが残念だが、秘文書を扱うことが出来ないので業務の幅は少し狭くなってしまうのが残念だね、でもまたやってもらうからね、と言ってくれた。大した仕事ではないかもしれない。けれど、全体像はこうたるべし!と言う指示をもらい、自分の考えそれを具体化し、上司にぶつけることが出来た。それを認めてくれ、修正してくれ、それが課の意思決定として固まった。今までほとんど自分が胸を張って「この仕事をやった」という感触をつかんだことがなかった私としては、とても清々しいものがあった。
私は、今までは仕事のやりがいというものはスケールの大きさ、周りに与える影響力の大きさで測るものと思っていた。しかし、それだけではない。自分がどれだけ頭をひねったか、どういう風に人と関わったか、そして、そのプロセスの中でどれだけ自分を認めてもらったと感じることが出来るか、これも大きな影響を与えるのではないかと思う。仕事が楽しいと初めて感じた日だった。
今日はそんな根本的な問いに光が射した日だった。
昼過ぎ、課長と他社の課長とのメールのやり取りの中にccで突然入れられた。戸惑いつつ経過を注視していると、案の定課長が私の部屋に入って来て、○○の案件に他社がコメントを求めて来た、それを少し手直ししてくれという。制限時間は1時間15分。日本でもよくある光景だったが、カナダでも同じことが行われている。内容は公開できないが、ひとまとめに説明すると、素人に説明する文書としては複雑すぎるから簡素化してほしいということだった。今まで見た数少ない資料の中から似た文言のあるものを取り出して来て照らし合わせ、ロジックを組み立て、関係課の了承を得なければならない。幸いなことに関係課はひとつだけだったので、内容を正確に理解するために15分、自分での手直しに20分、合議に20分、課長への説明に20分という計画を立て、実行。
関係課はカナダとカリブ諸国関係の課。課長が私の折衝相手として指定したのは、その課の課長レベル。日本だったらあり得ないことだが、彼に電話し、まず、メールを見たかどうかの確認の電話を入れる。彼は見ていなかったが、どうやら忙しいため、ほとんど見ることが出来ないだろうとのこと。私は、自分が今から手直しをするのでそれを見てくれ、と言うと快諾してくれた。ありがとうと言うと、「it's a pleasure」。なぜか、この言葉がとても大きな力を持っているように感じた。まず20分間、限られた情報の中から前例を拾いだし、課長の意味するところを探る。すると、確かに「当社方針」という欄と「会議における方針」という欄があり、オーバーラップしている部分が多い。それをうまく統合し、資料としての流れがスムーズであることを確認すると、セクレタリーのところに行く。すると、私が日本からインターンで来ていると知っていたらしく、よくいらっしゃいましたと声をかけてくれた。ノックをし、眺めの良い角部屋に通される。握手をし、私を座らせる。じゃあ、少し説明してくれと言い、まず話を聞いてくれる。説明をし終わると、全体的に同意してくれた。また、いくつかの質問の後、これを付け加えたら良いと一つ提案してくれた。そして、重要なところを一つ二つピックアップし、自分の経験から短く説明を加えてくれる。そして、彼は、それじゃ、また仕事しようね、と言ってまた仕事に戻って行った。ランクのことなど、微塵も感じさせない、しかし尊敬の念を自然にわき上がらせる、とても気持ちがいい人だ。
それを持って課長のところへ行き、私の考え、そしてそれに対する他の課の付け足しを説明する。普通ならメールでフィードバックをするのだけれど、時間が差し迫っていることもあり、私を隣に置いて電話でやり取りをした。折衝が始まったが、文言一つ一つではなく、全体のイメージとしてこのポイントは前に持って来た方がロジカルだ、とか、これを付け加えた方が流れがいいとか、全体的なイメージを伝え、相手はそれに同意する時はOK、よくわからない時は資料をくれと言ったり説明してくれと言ったり。しかし、ものの5分で話は済んでしまった。日本だったら文言の細かい詰めをしたり、下のレベルから上のレベルに取り次いだりするうちに時間が経ってしまい、こう素早くはいかない。もちろん、両者に良い面悪い面はあるのだけれど。振り向いて、ありがとう、助かったよと声をかけてくれる。そして、この研修の後はどうなるんだね?とか色々聞いてくれた。相手に印象付けるような話をすることが出来なかったのが残念だが、秘文書を扱うことが出来ないので業務の幅は少し狭くなってしまうのが残念だね、でもまたやってもらうからね、と言ってくれた。大した仕事ではないかもしれない。けれど、全体像はこうたるべし!と言う指示をもらい、自分の考えそれを具体化し、上司にぶつけることが出来た。それを認めてくれ、修正してくれ、それが課の意思決定として固まった。今までほとんど自分が胸を張って「この仕事をやった」という感触をつかんだことがなかった私としては、とても清々しいものがあった。
私は、今までは仕事のやりがいというものはスケールの大きさ、周りに与える影響力の大きさで測るものと思っていた。しかし、それだけではない。自分がどれだけ頭をひねったか、どういう風に人と関わったか、そして、そのプロセスの中でどれだけ自分を認めてもらったと感じることが出来るか、これも大きな影響を与えるのではないかと思う。仕事が楽しいと初めて感じた日だった。