こどもデザイン室展2024年

会場:清須市はるひ美術館

会期:3月13日(wed) - 3月17日(sun)

10:00-18:00(最終日は17:00まで)

 

主宰 こどもデザイン室

後援 名古屋芸術大学

 

 

『 原体験 』

 

 私の実家裏には、引越してしまったけれど不思議な家族が住んで居ました

その方はソーイングを個人で営む家でミシンの音が絶え間なくあり、今でも私はそのお母様やご家族を忘れる事はできません

 

近所で魚釣りが流行った時にはお揃いの釣竿袋を全員分作って頂いたり

そこの家にある沢山のレゴで自由に遊ばせて頂いたり

庭に穴を掘り犬小屋の様な秘密基地を木材やトタンで作らせて頂いたり

木苺が近くの線路内に生っているのを収穫し家のキッチンを使わせて頂きジャムに出来る事を教えて頂いたり

家中を使ってかくれんぼや糸電話で家と家を繋いで夜にお話をしたりと・・・今思うと無理難題な子ども達がやる事を沢山許してくれました

何よりお母様のお気遣いと、様々な事を受け入れこどもたちと同じ目線で一緒に遊んでくれた記憶が強く残っています

 

名古屋芸術大学名誉教授で原体験教育研究会主催、植物学者、教育学者である山田卓三氏によると原体験とは『生物やその他の自然物あるいはそれらによって釀成される自然現象を触覚、嗅覚、味覚の基本感覚を伴う視覚、聴覚の五官(感)で知覚したもので、その後の事物事象の認識に影響を及ぼす体験であり、火、石、土、水、木、草、動物といった7つの自然物と情感(ゼロ)体験を原体験の項目として、これらの自然物に触れ、遊んだり何かを作ったり集めたりする事でそれらの認識が深まる体験を原体験と考え、現代の子ども達が、実物から自分自身の「身体」を通して「触れる」ことよりも、「視 (見)る」ことや「聴 (聞)く」ことで知識を得ている視聴覚教育は「 知識偏重 」の教育から環境世界と人間の五感の関係を希薄化させるものであることを危惧し、特に幼少期に於ける原体験の必要性を述べられています

 

知識を知恵として活かせるようになり、感受性を育む事で子どもの「生きる力」を養う原体験

知恵は感性と知性が繋がった時に閃きとなり、それは創造力と同じで生きる力となります

 

現代は情報が直ぐに沢山入ってくる世界となりました

自分が本当はどうしたいかが見え難くなり、己で自分自身を作れなくなっています

 

間違えを恐れず時間をかけて自分自身を見つめ、己自身を探す事がとても大切だと思います

そこから多様な個性が生まれ、個性の違うもの達が一致をもとめるから豊かな世界になるのです

最初から既に決められている一致点を用意したのでは多様な個々の存在意義は失われます

 

色々な答えを見つけ出し、様々な答えを認め合う中で一致点を見つける事で総合理解を深め、一人一人が創造的な人生を創り出して行く事に繋がります

 

どうか情報ばかりの小さな四角い画面に目を向けるのでは無く、本当の我が子の声に姿に耳を傾け目を向け『つながり』を大切に

共に声を出し、体を使い、手を使い、頭を使い、共に笑い共に泣き、たまに喧嘩し・・・一緒に遊んで頂きたい

 

そうした人の一人一人の気持ち「意志」は私はとても美しいものだと思います

 

この度の能登半島地震により被災された皆様、ならびにそのご家族の皆様に心よりお見舞い申し上げます

皆様の安全と被災地の一日も早い復興、そして被災された皆様の生活が1日も早く平穏に復することをお祈り申し上げます

 

遊びと創造の場 こどもデザイン室

代表 荒木 マサカズ

 

 

 

2023年4月~2024年3月までの間に制作された3歳~15歳の子どもたちによる絵画、版画、レリーフ、オブジェ、全体作品等約160点を展示夏に行われたサマーキャンプや幼児による一日アトリエ「忍者屋敷2022」の映像を放映します。大人や先生など教える側が、子どもたちに出来るだけ干渉せず生き生きと自由に創造的に制作した作品です。答えが多様に満ちた創造的な世界を一人でも多くの方々が本展に足をお運び頂き、その成果をご高覧頂ければ幸甚に存じます。

 

 

デザインクラス Anamorphic

 

アナモルフィックとは歪像と呼ばれる遠近法の性質を逆利用し目の錯覚を起こす手法です。デザインクラスではそれを用いた彫刻作品を制作しました。他の方向から見ることで全くちがう形に変わります。五つの作品を繋げることでひとつの作品になります。是非会場にて見つけてみてください。

 

 

杜とひとのともいき プロジェクト

 

産れながら人は自分の意思を持ち、考え、判断し、行動しようとします。

その気持ちが尊重され、思いを遂げた経験は幼少期では心に深く根差し、自立を育みます。

 

自然物を収穫し、食べたり使えるようにするまでには多くの手間がかかりますが出来上がった時の充実感と感動は、買った物よりもとても大きく感じます。小さな木の実もそれを使って何かを作った記憶があると、意味のある宝物になるのです。

 

膨大な労力はひとりでは出来ませんが、皆でその一つの目標に向かうことで達成できます。そして不思議なことに自然の中では様々な問題と無限の答えが存在し得るので、どんな判断も行動も、意味を持つようになり次々と発見と驚きの連続です。行き着いた先の結果はどんなことでも実体験として残ります。

 

遠回りした道のりにはポケットに沢山のお土産があるように、大きな不便さとかけがえのない学びは、切っても切り離せない物かもしれません。

一年間自然の中で過ごすこどもたちの、のびやかな姿を映像にて放映します。

 

 

 

 

※ワークショップ、トーキングイベントの詳細は別途またご案内致します。

 

会場:清須市はるひ美術館

〒452-0961 愛知県清須市春日夢の森1番地

tel/052-401-3881 fax/052-408-2791 http://www.museum-kiyosu.jp/

 

お問い合わせ先 

遊びと創造の場 こどもデザイン室

〒452-0821 愛知県名古屋市西区上小田井2丁目143番地

www.re-designproject.com / 090-9190-4102 / c.designroom@gmail.com