息つく間もない、と言う言葉があるが

まさに今日はそういう日だった。

 

朝から色々なことが盛りだくさん。

夕方帰ってすぐにれーちゃんを散歩に連れて行き、

ようやく家でゆっくりできると思いながら

家に入ろうとしたら

お隣さんの窓が、開く音がした。

 

 

<これは何かあるぞ>と予感が働き、

振り返ると予想通りこっちにきなさいと呼ばれた。

 

 

行くと、糠漬け用の糠床が

腐ってないか確認してほしいという。

 

(糠床は前に私があげたもの。

沖縄では糠漬けの習慣がない)

 

冷蔵庫に入れてたけど、しばらく

放っておいたらしい。

匂いがするので気になったようだ。

 

確認してみると、なんの問題もなかった。

 

大丈夫ですよというが、なかなか信用してくれない。

本当に大丈夫か何度も聞かれ、

その度にこんなもんですと答えたら、

ようやく納得したようだった。

 

(ダメだったら、畑に肥料として

入れようと思っていたらしい)

 

 

そして、お隣さんはツヤツヤした美味しそうな柿を

1個くださった。

 

 

しかし、次に、

どうやってその柿を手に入れたかを説明し始めた。

近くの個人商店に行ったら、4個パックの

柿しか売ってなかったから、こんなに要らないと言って

バラしてもらって1個だけ売ってもらったと

いうことだった。

 

 

そして、その商店に今から一緒に行こうという。

 

 

「わかりました」と元気に答えて、

一旦家に戻り500円だけ持って、

お隣さんの家の玄関の前に行った。

 

 

 

でもなかなか出てこない。

すると、れーちゃんが狼の遠吠えで鳴いている。

 

姿は見えないけど、私が近くにいるのがわかるのだろうか?

しかしこの呼び方・・

 

 

れーちゃんに餌をあげようと思って家に戻る。

その時、お昼にりんごを2個

いただいたことを思い出したので

1個をお隣さんにあげようと思った。

 

 

そして一旦家に戻って、またお隣さんの玄関に

行くと、ちょうどお隣さんが

玄関前の階段を降りてきている所だった。

 

 

リンゴをあげると、お隣さんは家にリンゴを

置きに戻ろうとしている。

足が不自由なので、

また家に戻っていただくのは申し訳ない・・と

思っていたら、

ちょうどお隣さんの2階に住む孫が帰ってきた。

 

すると、お隣さんは孫にリンゴを預けると同時に

「ばあちゃんは、玄関先の階段の電気をつけて」と頼んだ。

 

しかし、孫は「なんで?」という。

 

お隣さんは、「ばあちゃんは足が悪いでしょ。

危ないから電気をつけないといけないでしょ」

と丁寧に説明している。

 

 

孫が家の中に入った後、しばらく二人で

電気がつくのを待った。

 

 

・・が、つかない。

 

 

「玄関の中の電気と間違えたはず」

とお隣さんは寂しくポツリと言って、商店に出かけることにした。

 

 

商店は、家から100メートル程しかない

ものすごい近い場所にあった。

 

 

しかも、れーちゃんの散歩で通ったことがある道。

でも、看板が掲げられてないので、

事務所か何かだと思っていた場所だ。

 

 

中に入ると、昔ながらの商店、

お隣さんは、早速、お店のご主人に

私のことを紹介してくれた。

 

 

そして、ここには、月・水・金の朝7時から

那覇にある のうれんプラザ という大きな市場で

仕入れてきたお惣菜が並ぶこと。

そして、それを目当てに近所のお年寄りたちが

集まる場所であること。

だから、今度買いにきて、地域の方々に挨拶しなさい。

 

そんなことを説明してくれた。

 

 

説明を聞きながら、

商店のカウンターのところをみると

4個パックの柿がいくつか並んでいた。

 

その隣に1個ずつパッキングされた

柿が3個並んでいた。

「これか・・」と思った。

お隣さんは、その1個パックの柿を1つ手に取り

お会計しようとする。

 

私は、慌てて、「私が買います。」と言ったが、

「リンゴをいただいたからそんなわけには

行かない。」と断られた。

 

そして、「ここはのうれんプラザで仕入れてるから

野菜も新鮮よ。」というので、

きゅうりを買うことにした。

 

 

お隣さんは、一旦柿のお代を払った後、

「牛乳を買い忘れた」ともう一度、お財布を出し買い物した。

そして、挨拶をしてお店を出ようとすると

「カップラーメンを何もない時に

食べるからと・・」また買い物をした。

そのたびに、お店のどこに何が置いてあるかを

説明してくれた。

 

 

私に身をもって教えてようとしているのかなと

ありがたく思った。

 

 

家に着くと、お隣さんの玄関前の階段には

電気がついてました。

 

 

田舎の近所付き合い。

 

なかなか面白いです。

 

 

写真)

 家の中にいる私を見ているれーちゃん

 網戸越しに撮影

 手がかわいい