終わった後のダメージが大きすぎて

なかなか、この経験を投稿する気になれなかったのですが・・

 

 

今年の2月末に、故井上ひさしさん脚本の舞台『キネマの天地』で

滝沢菊江役を演じました。

 

 

学生の時ですら、演技なんかしたこともないくせに、

<海辺に住む劇作家>という密かな夢に向かって、

井上ひさしさんの脚本を演じることで脚本の勉強をしようと

無謀な挑戦をしてしまったのです。

 

 

このキネマの天地というのは、昨年、新国立劇場で上映され、

高橋惠子さんを初め錚々たる俳優さんが演じられたお芝居。

(私が↓に出たわけではありませんが、脚本は一緒ということで・・)

 

 

 

舞台のHPからあらすじを引用させていただきました↓

 

 

キネマの天地 あらすじ

昭和10年、築地東京劇場。

舞台上で準備をしている松竹キネマ蒲田撮影所の助監督・島田健二郎の前に、娘役で人気沸騰の準幹部女優・田中小春、続いてヴァンプ役で人気の幹部女優・滝沢菊江、お母さん物で有名な大幹部待遇の徳川駒子、最後に大幹部女優のトップスター立花かず子が登場する。いずれも蒲田撮影所所属の、日本映画界を代表する大スター。

超大作の松竹蒲田特作豪華版・映画『諏訪峠』の打合せに呼ばれてきた四人は、自らを誇示し、鞘当てし合いながら、上演中に突然死した女優の松井チエ子のことを思い出す。そこへ、松井の夫でもある映画監督小倉虎吉郎が、『諏訪峠』の代わりに、松井の一周忌記念興行として『豚草物語』の再演を持ち出した。松井殺しの犯人探しが目的の監督は、万年下積み役者の尾上竹之助を刑事役として雇い、稽古中の4人を見張らせる。

果たして、この4人の中に犯人はいるのか……。

 

 

私が演じたのは4人の女優のうちの1人、滝沢菊江。

菊江が小さい頃、どんな子供だったか、

どんなふうに育ってきたかを想像するのが楽しかったです。

一見するとかなりひどい女ですが、

必死に生きてきた滝沢菊江のことが大好きになりました。

 

 

でもセリフが124個(長台詞もあり)もあり、

本当に舞台に立てるのか自分でもわからなかった。

 

 

稽古では、セリフ覚えが1人だけ悪かったので

セリフをどう覚えるかをみんなが発表する時間が

あったり(どう考えても私のため)

足を引っ張る私を10代、20代中心の

若いメンバーが励ましフォローしてくれました。

 

 

そして、迎えた本番当日。

 

思った通りやってしまいました。

プレッシャーに弱い私は、

舞台に登場した途端、

満席のお客さんの熱気に当てられセリフをド忘れ。

 

実は、前日から嫌な予感はしていました。

母に電話をかけた時に

母が小学生の時に出演した学芸会の劇で

緊張しすぎてたった一言しかないセリフをド忘れしてしまった

エピソードを聞かされてしまったのです。

(そのセリフを70年以上経っても覚えている母・・)


同じことを絶対やるだろうな。と思ったら案の定でした。

 

でも、みんなに助けられ、その後も

ミスはありましたがなんとか演じることができました。

 

 

 

 

 

 

終わりよければ全てよしでしょうか。

応援に駆けつけてくれた友人たちと。

 

 

実はダブルキャストだから、1週間前になって

できそうもなかったら、ごめんなさいしようと思っていました。

 

それで、直前になって案内をしたのですが、

それにもかかわらずたくさんの友人が来てくれました。

席の関係でストップがかかり、お声がけそのものが

できなかった方もたくさんいました。ごめんなさい。

(自信がなかったので、SNSでお知らせする勇気はありませんでした。)

 

 

でも、みんなに面白かった!良かったと言っていただきました。

元女優さんからは、「初めてにしては良かったわよ」

と誉めていただきました。

 

友人から嬉しいメッセージをいただきました。

 

 

嬉しい😭

 

若い人の中に、1人だけ紛れ込んだりして大丈夫かなと思いつつ

参加し、たくさん迷惑もかけたと思いましたが、

上達していく姿をみんなが一緒に喜んでくれていたのが嬉しかったです。

 

 

それに井上ひさしさんの脚本のセリフを言葉に出したからこそ、

その凄さがわかりました。

韻を踏んだり、助詞の使い方、言葉の言い回しなど

長台詞でも、俳優さんたちにとって覚えやすい脚本を

書かれていると思いました。

何より昭和10年の話なのに、今でも面白い・・

 

 

もう2度とやりたくはないですが、

いろんな意味で勉強になりました😄

 

暗記、やればできると自信になりました。