2019年11月23日〜26日の4日間

フランシスコ第266代ローマ教皇が来日されました。

 

ローマ教皇は、世界に12億人以上の信徒がいると

いう世界宗教の最大宗派であるローマ・カトリックの頂点に立つ方

というイメージが強いですが、国際紛争の調停や人権問題の

介入など、国際的な影響力を持つ方でもあります。

 

「桁外れの影響力…ローマ法王フランシスコが「国際政治」を動かす力」

という比較文化史家の竹下節子さんが書かれた記事によると、

フランシスコ ローマ教皇は、

 

それまでバチカンの枢機卿の方が選ばれていたが、

フランシスコ ローマ教皇は、アルゼンチンのブエノスアイレスで<枢機卿司祭>

という身分で徹底的に貧民に寄り添う活動をされていたということ。

 

また、今の立場になってからは、これまでのよくないシキタリに対して

改革をしていること、

教会の経済的基盤となっている勢力に対してもNOをつきつけ、

本来あるべき姿に戻そうとしているように思いました。

 

 

今、この時期に、ローマ教皇は、大変な危機感を持っているからこそ

来日されたと思います。

 

今の日本の状況を憂いて、

 

政治家や大企業に対しては、(お前ら何考えてるんだ!いいかげんにしとけ!!)と、

牽制するため、

 

無知な国民に対しては、(このまま進んだら危ないよ。)と、

 

気づかせるために・・

 

 

日本では、戦争をしないという世界にも類のない

平和憲法を改憲しようと企む人たちがいます。

 

 

この11月には幕張メッセで、総合防衛・セキュリティ展示会という名の

武器見本市も開催されました。

後援は、防衛省・自衛隊、防衛装備庁、外務省、経済産業省・・

 

https://www.dsei-japan.com/jp

 

 

唯一の被爆国でもあり日本。

本来、非核化のリーダーシップをとり世界の平和を呼びかけるべき立場のはず。

しかし、核兵器禁止条約にも参加していません。

 

 

人の意識というものは、他人によって、動かせるようなものではありませんが、

あえて人の意識が動かないよう、情報を与えない、事実を隠そうとする人もいます。

 

 

無関心にならないこと。

たくさんの情報がありますが、鵜呑みにせず、その裏に隠された

意図を考えるようにしたいと思っています。

 

また、大きなニュースになったことを考えることで、

自分がどうしたいのか、未来をどう作っていきたいのか、

という意識をはっきりさせていきたいと思いました。

 

何より、私はカトリック信者ではありませんが、ローマ教皇が発する心に

反応してしまいました。

「すべてのいのちを守るため」が訪日のテーマ。

ローマ教皇に関する記事を、何回かに分けて、ブログに残していこうと思います。

 

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桁外れの影響力…ローマ法王フランシスコが

「国際政治」を動かす力

(竹下 節子 比較文化史家)より

 

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/68535

 

選出される前に枢機卿としてバチカンの役職についていた歴代の教皇と違って、

アルゼンチンのブエノスアイレスの大司教だった新教皇は枢機卿司祭という身分で

徹底的に貧民に寄り添う司牧を故国で続けていた人だ。

初めてのイエズス会出身の教皇であり、初めて「フランシスコ」と名のった。

13世紀初めに、身にまとうものをすべて捨てて、「ブラザー・サン、シスター・ムーン」で

知られるすべての自然を同胞とする「托鉢」の修道生活に入ったアッシジの

聖フランチェスコにちなむものだ。

 

その名の通り、フランシスコはバチカンに入ってからも質素な暮らしを守り、

バチカンの根強い官僚機構の改革を図るとともに、世界の平和の絶対条件である

エコロジー問題に取り組んでいる。

その中で、地球の環境破壊をもたらしたのは新自由主義経済の飽くなき

利益追求にあることを指摘し、北半球の「先進国」の軍産一体化した

覇権主義にその責任があると批判した。北半球先進国の基盤となっている

キリスト教の首長が堂々とそれを口にしたのだ。

20世紀以降のバチカンの財源は、イタリアに領土を割譲した時の収入を

英米の金融機関に投資したものや、アメリカのカトリック系財閥による

毎年の莫大な寄付金によるものが少なくない。

その他、代々のイタリア貴族や巨大修道会との関係もあるのでキリスト教文化圏の

先進国を批判することは「不都合」だ。その多くの「タブー」をフランシスコは

打ち破りつつある。

 

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ローマ教皇の広島でのスピーチ(抜粋)

 

戦争のために原子力を使用することは、

現代において、犯罪以外の何ものでもありません。人類とその尊厳に反するだけでなく、

わたしたちの共通の家の未来におけるあらゆる可能性に反します。

原子力の戦争目的の使用は、倫理に反します。核兵器を保有することもまた倫理に反します。

そのことについては2年前にも申しました。

これについて、わたしたちは神の裁きを受けることになります。

次の世代の人々が、わたしたちの失態を裁く裁判官として立ち上がるでしょう。

平和について話すだけで、諸国間の行動を何一つしなかったと。

戦争のための最新鋭で強力な兵器を製造しながら、

平和について話すことなどどうしてできるでしょうか。

差別と憎悪の演説という役に立たない行為をいくらかするだけで自らを正当化しながら、

どうして平和について話せるでしょうか。

平和は、それが真理を基盤とし、正義に従って実現し、愛によって息づき完成され、

自由において形成されないのであれば、単なる「発せられることば」に

過ぎなくなると確信しています。

 

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POPE IN JAPAN より

 

https://popeinjapan2019.jp

 

(来日前のビデオメッセージ)

 

 

愛する友人の皆さんへ

 

日本訪問の準備をしている

友人としての言葉を皆さんにお伝えしたいと思います。

 

私の訪問に際して選ばれたテーマは

「すべてのいのちを守るため」です。

 

あらゆる人の価値と尊厳を守るという

私たちの心に響くこの本能的な強い思いは

現代世界が直面している

平和的な共存を脅かす脅威なのです。

 

皆さんの国は戦争がもたらす

苦しみについてよく知っています。

 

人類の歴史において核兵器による破壊が

二度と行われないよう、皆さんと共に祈ります。

 

核兵器の使用は、倫理に反します。

 

また、対話の文化と兄弟愛の

文化が持つ重要性も皆さんはご存知です。

 

特に、異なる宗教との対話は、

隔たりを乗り越える助けとなります。

 

人間の尊厳への尊重を促進し

すべての国に全人的な発展をもたらすものです。

 

私の訪問が、後退せずに持続する

揺るぎない平和へと導く、

互いの尊重と出会いという道を

皆さんが歩む励みとなることを期待しています。

 

平和は美しいものであり、それが本当の平和なら

失うことのないよう、必死で守るべきものです。

 

さらに、皆さんの国の特徴である

美しい自然を見る機会もあるでしょう。

 

私たちが共に住む家であり

皆さんの文化において

満開の桜に象徴される美しさ、この地球が持つ

いのちの育み守るという望みを共に表明しましょう。

 

日本訪問の準備に

多くの人が関わっていることを知っています。

その尽力に心から感謝いたします。

 

 

そして、共に過ごす日々が

恵みと喜びのうちに豊かなものとなるよう期待しています。

 

皆さん全員とひとりひとりのために

心を合わせて祈ることをお約束します。

 

どうか、私のためにもお祈りください。

ありがとうございます。

 

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ローマ教皇の来日に関する記事をまとめてみました。

 

大元が削除されないようにコピーしました。

 

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ローマ教皇 日本で語った

ことばから見えたもの

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191126/k10012191561000.html

 

(NHK ニュースウェブ)

 

〜こちらでは、ローマ教皇のプロフィールと、日本でのスケジュールが

まとめられています〜

 

フランシスコ教皇とは

 

フランシスコ ローマ教皇とは

 

・82歳。アルゼンチン出身で2013年に教皇に選出される。
・リベラルで、貧しい人に積極的に寄り添おうとする姿勢は世界中の信者から

 支持を得ている。
・ツイッターのフォロワーは1800万人超。
・若い頃、宣教師として日本への派遣を希望したが、病気のため実現せず、

 念願がかなっての訪日だった。

 

<2日目 長崎 爆心地から核兵器廃絶のメッセージ>
2日目 長崎 爆心地から核兵器廃絶のメッセージ

24日、長崎市の爆心地公園でスピーチを行う。

「この場所は私たち人間がどれだけひどい苦痛と悲しみをもたらすかを深く認識させる」

と述べて、核兵器の非人道性を強く非難した。

「核兵器や大量破壊兵器を持つことは平和や安定につながらずむしろさまたげになる」と述べて、

核兵器のない世界の実現に向けて一致団結して取り組むことを呼びかける。

 

<「焼き場に立つ少年」の写真家の家族にあいさつ>
「焼き場に立つ少年」の写真家の家族にあいさつ

スピーチのあと、原爆が落とされたあとの長崎で「焼き場に立つ少年」の写真を撮影した、

アメリカ軍の従軍カメラマン、ジョー・オダネル氏の息子と会話。

平成29年の年末、フランシスコ教皇がこの写真に「戦争がもたらすもの」というメッセージ

を添えて、教会関係者に配布するよう指示したことで注目された。

 

<長崎での日程終えツイッター更新>
 

「数百万人の子どもや家族が非人道的な状況下で生きている世界において、浪費されたお金や、

破壊的な武器の製造や保有、取り引きを通じて生まれた財産が天に叫んでいます」と投稿し、

核兵器の廃絶に向けたメッセージを発信。

 

<2日目夜 広島でもスピーチ>
2日目夜 広島でもスピーチ

24日夜、長崎に続いて広島の平和公園でスピーチを行う。

「戦争のために原子力を使うことは犯罪以外の何ものでもない」と述べて

核兵器の使用は倫理に反すると強調した。

スピーチの中で、被爆地を訪れることがみずからの使命と感じてきたことを明かす。

原爆慰霊碑の前で「平和の巡礼者」と記帳する。

 

<3日目午前 東日本大震災の被災者との交流会>
 

都内で東日本大震災の被災者との交流会に参加する。福島第一原子力発電所の事故に触れて

「私たちには、未来の世代に対して大きな責任があることに気付かなければいけません」

と呼びかけ。

 

<3日目 若者の悩みを聞く集いに参加 いじめについて答える>
 

都内で若者たちの悩みを聞く集いに参加する。

いじめについて「学校や大人だけではこの悲劇を防ぐのは十分ではありません。

皆さんで『絶対だめ』といわなければなりません」と呼びかける。

 

<3日目 天皇陛下と皇居で会見>
 
3日目 天皇陛下と皇居で会見


天皇陛下が「日本の人たちに心を込めて寄り添っていただいていることに感謝します」

と述べられた。

フランシスコ教皇は「私が9歳の時、両親が、長崎、広島の原爆のニュースを聞き、

涙を流していたことが強く心に刻まれています。長崎、広島において私は

自分の気持ちを込めてメッセージを発出しました」と述べる。

 

<3日目午後 東京ドームでミサ 5万人参加>
3日目午後 東京ドームでミサ 5万人参加

東京ドームで5万人が集まる大規模なミサ。

「日本は経済的には高度に発展していますが、社会で孤立している人が少なくないことに

気付きました。これを乗り越えるためには異なる宗教を信じる人も含め、

すべての人と協力と対話を重ねることが大切です」と発言した。

 

<ツイッター更新「心を1つに」>
 

ミサのあと午後6時、ツイッターを更新。

東日本大震災などからの復興を念頭に「災害からの復旧と再建を進める中では、

多くの人たちが手を携え、心を1つにしなければならない。

そうすることによって、被災した人たちは助けを受けることができ、

自分たちは忘れられていないと思うことができるのです」と投稿。

 

<安倍総理大臣や各国大使館の代表と懇親会>
 

「広島と長崎に投下された原爆によってもたらされた破壊が二度と繰り返されないよう

阻止するために必要なあらゆる仲介を推し進めてください」と訴える。

 

<4日目 上智大学で講話>
4日目 上智大学で講話

自身の出身母体である修道会の「イエズス会」が設立した上智大学で学生に講話を行う。

学生に「どんなに複雑な状況であっても自分たちの行動が公正かつ人間的であり、

正直で責任を持つことを心がけ弱者を擁護するような人になってください。

ことばと行動が偽りや欺まんであることが少なくない今の時代において特に

必要とされる誠実な人になってください」と諭す。

このあと帰国の途につく。

専門家はこう見た

ローマ教皇の外交の歴史に詳しい名古屋市立大学の松本佐保教授は、

フランシスコ教皇が被爆地で行ったスピーチについて、「核の問題について、

単に抽象的なことばではなく、国際情勢を意識した発言だった」と分析する。

この時期の被爆地訪問は「被爆者も高齢化する中、このタイミングを逃すと

被爆された方に会えなくなってしまう。広島と長崎のメッセージをこの機会に

アピールするねらいがあったのでは」と述べる。

原爆投下から74年がたつなか、「軍拡はテロ行為だ」と強い表現を使って断言することで、

核の悲惨さを改めて世界に発信し、なおも世界で進む軍拡競争に歯止めをかけたい

ねらいがあったと分析。

 

 

一方で、教皇みずからが各国に批准をよびかけている核兵器禁止条約に、

日本が参加していないことについて、「いらだちを感じているのではないかとも感じる。

今回の訪問でその流れを少しでも変えることができたらいいという願いもあったのではないか」

として、非核化において、日本にリーダーシップを取ってほしいという願いが

うかがえるとしている。

 

 

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ローマ教皇、被爆地で核廃絶訴え

「核は我々を守らず」 

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO52550690U9A121C1ACYZ00/

 

(日本経済新聞)

 

 

来日中のローマ教皇(法王)フランシスコは24日、被爆地の長崎、広島両市を訪問し、

被爆者の冥福を祈るとともに、平和と核廃絶を訴えるスピーチを行った。

「核兵器は安全保障への脅威から私たちを守ってくれるものではない」と核の抑止力を否定し、

核の戦争目的使用を「犯罪以外の何ものでもない」と主張。個人や国家が団結して

核廃絶に取り組むよう訴えた。

 

 

教皇が被爆地を訪れるのは1981年のヨハネ・パウロ2世の訪問以来38年ぶり。

教皇は24日午前、長崎市の爆心地公園で献花し、黙とうをささげた。

その後、信徒や被爆者らを前にメッセージを読み上げた。

 

長崎市の爆心地公園で黙とうを捧げるローマ教皇フランシスコ=AP

 

長崎市の爆心地公園で黙とうを捧げるローマ教皇フランシスコ=AP

 

教皇は長崎を「核兵器が悲劇的な結果をもたらすことを示す証人の町だ」と表現した。

その上で「核兵器や大量破壊兵器を持つことは平和や安定につながらない」と主張し、

本来は人間や環境保全に使われるべき資源が軍拡競争に使われていることを

「途方もないテロ行為だ」と述べた。

「核兵器から解放された平和な世界を、数え切れないほどの人が熱望している」として、

核廃絶は「可能であり必要」と指摘。その実現には個人や国家、国際機関などが

一致団結して取り組むべきだと訴えた。

各国の指導者に対しては「核兵器は安全保障への脅威から私たちを守ってくれるものではない、

そう心に刻んでほしい」と呼び掛け、核抑止力を否定した。

「私たちは多国間主義の衰退を目の当たりにしている。あらゆる国の指導者が注意を払い、

この問題に力を注ぎ込むべきだ」とも述べ、国家間の相互不信の流れを食い止める必要が

あると強調した。

 

長崎市の爆心地公園で演説し、核廃絶の必要性を訴えるローマ教皇フランシスコ(右)=共同

 

長崎市の爆心地公園で演説し、核廃絶の必要性を訴えるローマ教皇フランシスコ(右)=共同

教皇は長崎訪問の後、空路で広島に移動し、24日夜に広島平和記念公園で開かれた

「平和のための集い」に参加した。

集いでの演説では「ここで大勢の人が一瞬の閃光(せんこう)と炎によって跡形もなく消され、

影と沈黙だけが残った。全てが破壊と死というブラックホールに飲み込まれた」と、

原爆の悲惨さを強調した。

 

 

 

広島平和記念公園で被爆者代表者らにあいさつするローマ教皇フランシスコ(左)

=24日夜、広島市中区

戦争目的での原子力使用を「犯罪以外の何ものでもなく、倫理に反する」と強く非難。

「強力な兵器を製造しながら、平和について話すことなどどうしてできるか」と問いかけ、

真の平和とは「非武装の平和以外にありえない」と訴えた。

 

演説終盤では、原爆と核実験とあらゆる紛争犠牲者の名において「戦争はもういらない」

「こんな苦しみはもういらない」と声を合わせて叫ぶよう呼び掛けた。

教皇は25日には東京で東日本大震災の被災者らと面会するほか、

天皇陛下との会見や安倍晋三首相との会談が予定されている。26日に帰国の途につく。

81年のヨハネ・パウロ2世の被爆地訪問時には、教皇が広島で「戦争は人間のしわざ」という

平和アピールを発表し、多くの被爆者が被爆体験を語る契機となった。

 

長崎市の爆心地公園で、集まった人たちに笑顔でこたえるローマ教皇フランシスコ=AP

 

長崎市の爆心地公園で、集まった人たちに笑顔でこたえるローマ教皇フランシスコ=AP

 

 

 

 

原爆ドームを背に広島市の平和記念公園で演説するローマ教皇フランシスコ(24日、広島市の平和記念公園)=共同

原爆ドームを背に広島市の平和記念公園で演説するローマ教皇フランシスコ

(24日、広島市の平和記念公園)=共同

 

 

高校生平和大使から明かりをとるローマ教皇フランシスコ(左)(24日夜、広島市中区の平和記念公園)=代表撮影

高校生平和大使から明かりをとるローマ教皇フランシスコ(左)

(24日夜、広島市中区の平和記念公園)=代表撮影

 

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