光る高速道路や自転車道、空気をきれいにする巨大な塔など、

美しく、環境に優しく、人々のつながりを感じあえる

作品を手がけるオランダ人デザイナー、ダーン・ローズガールデさん。

 

 

1880年代にゴッホが住んでいたオランダ・ニューネンに

つくられた自転車道「Van Gogh-Roosegaarde Path」は

ダーン・ローズガールデさんの作品です。

 

映像は、こちらのリンクから

 

 

TED スーパープレゼンテーション「未来を変えるテクノロジー」

での、プレゼンテーションを抜粋しました。(NHK)

 

ダーン・ローズガールデさんの目線やお話からは、

わたしが昨年11月からパーソナリティを

つとめているラジオ「あたりまえの世界」で

ゲストでお招きした方々に共通するものを感じます。

 

全体のことを考える人

現象の奥にかくされた真の美しさを捉えることができる人

遊び心(想像力)がある人

 

たった1つしかない命を認めていこうとする人たち・・

 

日々、新しく出会う方から、そんなことを感じています。

 

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〜 これまでに数々のデザインの賞を獲得。

芸術大学を卒業後、建築を学んだ。

テクノロジーを自由な発想で活用し、

地球環境をテーマに唯一無二の作品を作り出す。

夢とアイデアにあふれたプレゼンテーション 〜

 

 

ゴッホの没後125年を記念して、ゴッホ財団から依頼があった。

 

ゴッホがよみがえったように感じられる

場所をオランダに作れないだろうか。

 

そしてできたのが、

光るサイクリングロード。

 

太陽の光を蓄積して、8時間、光り続ける。

エネルギー消費の少ない未来を予感させ、

同時にゴッホの住んでいた土地とも結びついている。

しかも毎晩ただで通ることができる。

 

 

環境に優しいエネルギーについて考えながら

サイクリングを楽しめる。

人々がつながりを感じられる場所でもある。

 

 

一度限りのあったらいいねで終わるアイデアではない。

このようなクリエイティブな考え方は新たな経済そのもの。

 

 

ジュネーブに本部をおく世界経済フォーラムが世界中の

有識者に成功するために必要なスキルは何かという

アンケートをとった。

 

上位に、プログラミングを使いこなすスキルとか、

財力は入っていない。それも大事なことだけど・・

 

 

1位 複雑な問題解決能力

2位 批判的思考

3位 創造性

 

 

全てコンピュータが苦手なことばかり。

 

 

わたしはこの結果に希望を抱いた。

高度にテクノロジー化されていくこの世界で

共感、好奇心、美への探求といった人間らしいスキルが再び評価され、

創造性は私たちの持つ、真の資本になるでしょう。

 

 

創造のプロセスは、わたしの場合、頭の中でいつも

疑問からスタートします。

 

 

なぜ、クラゲやホタルは発光するのか?

人は環境汚染を放置するのか?

 

 

3年前と今の北京を比較した映像。

3年前の北京は

大気汚染で街を見渡すことができない。

明るい未来とは程遠い、ぞっとする光景だが

これがわたしにインスピレーションを与え、

やる気にさせた。

 

汚染された空気を吸い込み、吐き出すという、

世界最大の空気清浄機を作った。

 

わずかな電力で1時間で3万Lの空気を吸い込み、

ナノレベルのゴミを吸い込む。

周囲の空気が55パーセントから75パーセントもきれいになる。

1ヶ月に1回、宇宙船のように全体が開くようになっていて、

除去した物質がでてくる。

その物質も何かに利用できないかと考えた。

物質の42パーセントは炭素。

炭素は高い圧力をかけると、ダイアモンドになる。

そこに目をつけ、回収した粒子を圧縮し指輪を作った。

 

そして、クラウドファンディングを募ったところ

多くの予約が入った。

それで得た資金は、空気清浄機の1号機の建設を助けてくれた。

 

出てきたゴミが物事を動かし、実現に向かわせる鍵になった。

 

 

新しいテクノロジーと創造的思考の結びつき。

 

ステップを踏むと発電するフロアなど、

活動を減らすのではなく、増やすことで

持続可能なものをつくる。

 

 

そのうち誰かがなんとかしてくれるだろうと政府や役所を

あてにしたらどうなるでしょう?

 

・・大変なことになります。

 

 

未来に向けて人々がつながり

行動をおこすことになる集団体験を生み出すことはとても重要です。

 

でも簡単ではない。

 

 

みんな次世代を切り開く技術革新を求めているが、

ところが新しいアイデアを提示した途端

同じ言葉がかえってくる。

 

なるほど、でも・・

 

そして、ありとあらゆる難癖をつける。

 

 

メディア論で知られる

マーシャルマクルーハンの言葉。

 

「宇宙船地球号に乗客はいない。

われわれは全員乗組員だ。」

 

 

われわれは、消費者じゃない。

作り手です。

決断し、発明し、夢をつくりだす。

 

このような考えを今日からみんなが実践しはじめるなら、

新たな時代が開けていくに違いありません。

 

 

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