逃げよ、逃げよ
全てのシティから
ワルプルギスの夜が
世界に帳をおろすその前に
錬金の詐術が解呪かいじゅされ
紙幣が紙切れに
コインが鉄くずと化すその前に

ワルプルギスの夜が世界に帳をおろし
錬金の詐術が解呪されしその時に
世界は奇妙な果実に覆われ
陽光は昇ることを忘れて空を焼き続けん

されどアホノミクスの解呪はついには成らず
桜の園に集いし数多あまたの彼の友たちは
異次元の宴に酔いしれる
束の間は永遠とわのごとくなるも永劫えいごうは須臾にして費えん

巧言こうげんを操り
令色れいしょくで飾り立てられたその言葉は
托卵されず
ついには現世うつよに形をなさじ

攫われた者たちはついには還らず
奪われた土地はついには戻らず
富める者が鷲掴む富は
一つまみほどさえも困窮する者にこぼれる事はなし

されど闕けたるところなき望月も
やがては痩せ衰える事を知れ
そを知らずに驕り高ぶり
「こんな者たち」と民草を罵り
分断を謀る二枚舌は
義士の鉄槌を受けるまで休むことを知らず

無限に続く分断は
ついには永劫搾取を成し遂げん

失われた十年と
騙された十年と
奪われた十年と
三十年はひと昔

されど鋼鉄の魂は滅することあらじ
その目を見開き
汝の拳を虚空に高々と突き上げよ

空を仰ぎ地を見通す者は
蝕の兆しを観るであろう

虚ろな冷笑と
シュプレヒコールの波が押し寄せるとも
中道を歩み続けん

帝財の秘術を学びし徒よ
あめが下知る時を知れ
数多の隙の糸が織り成す白昼の死角を掴み取れ
まさに時は今
てんが烈士を地に遣わし
逆賊を討たしめたはその兆し

ウルフガンブラッドはエルフを見つめ
微笑みながらふと呟いた
「ピンチはチャンス」と。

時を知り方位を測って
いざ旅に出でん
地に杭を打ち、ぎょくを埋めん
穴を掘りては、埋め戻さん
水を飲み、砂を撒かん

吉祥なるいろをその身に纏い
銀座 横浜 吉祥寺
もしは二十四にじゅうしの聖地を巡拝せん

目覚めよ
目覚めなければ夜が明けることはなし

、、、さて、最後に、現代に遣された終末の言者モリタクの警鐘を聞け。



 今のところ日経平均の一万円割れは実現していないものの、神の言葉を被造物の世界に再現する事はまさに至難の限りであって、この程度は誤差の範囲とさえも言うまじき。

 石もて追われ、鞭打たれようとも、それでも預言者は、愚かな民衆に向かって叫び続け、常に警鐘を鳴らし続けなければならないのであります。

 それが、神の言葉を預かりし言者の宿命なのでありましょう。



 預言者の言葉を聞いて、しかし、それでもなお、前を向き、ドブの中で倒れようともさらに前へと突き進まんと欲するならば、外資やDSが仕掛ける波に乗って、日本株を売り浴びせ、売り倒すもまた、日本を守護する勢力が力を失った今であるならば、一興。



 真実を語る預言者の前で、真実を覆い隠さんとする男の絶叫は滑稽至極。このピエロ然とした男は、いったい何にそんなにまで怯えているのだろうか?