大東亜戦争の敗北による焦土の中から奇跡の復興を遂げ 《 一億総中流 》 という楽土を築き上げた日本に蓄積された富を、秘かにかつ確実に収奪せんとして、社会の 99 %の富を独占するたった 1 %のエスタブリッシュメントからなるO∴W∴O∴ (ワン・ワールド・オーダー) 団が、 《 グローバル・スタンダード 》 というコード・ネームのもと小泉=竹中というグロスタ・コンビを傀儡として立て断行し、逆賊安倍氏と黒田東彦日銀総という安倍 - 黒田ドアホノミクス・コンビにまで引き継がせてきた格差拡大政策が猛威を振るう中、自らのご退位によって改元を断行し、格差拡大という平成の隘路を打ち破る為の呪詛を打たんとされた今上陛下のご聖断の成果を目前にした平成最後のこの正月、皆さまは如何お過ごしだったでしょうか?


 人類の叡智を伝える巨匠の死に暮れた昨年末ではありましたが、人に限らず生ある者はこの世に生まれた以上はいつかは必ず死ぬものであり、その死がいつ訪れるかを私たちは知る術を持ちません。


 その為、チベッタンな趣味を好まれる方々は 『 バルド・トゥ・ドゥル中有聴聞解脱、俗称はチベット死者の書 ) 』 などという書物を手に取るわけですが、 『 バルド・トゥ・ドゥル 』 はまさに文化的・宗教的夾雑物の宝庫とも言うべき書物であり、マニアには垂涎ものではあるものの、一般の方や、普通のスピ系の方の手におえるものではないという難点があります。


 そんな方々の為に書き下ろされたといっても過言ではないものが王様文庫から出版されたこの一冊であり、私はこの本とともにこの正月を過ごしました。


エスパー・小林のそうだったのか!「あの世」の真実
( エスパー・小林 著/三笠書房/2019 年/680円+税 )

 《 エスパー・小林 》 さんと言うのは、 “ 真実を伝える世界で唯一の月刊メディア ” と呼ばれるオカルト雑誌 『 月刊ムー 』 誌に連載されている 「 あなたの怪奇ミステリー体験 」 コーナーにおいて 「 小林世征の心霊相談室 」 として読者の体験談に対するコメントを担当されている霊能者の方で( 一時このコーナーの担当を外れて 2017 年 1 月号から 「 小林世征の運気の強化書 」 、2018 年 1 月号からは 「 エスパー・小林の心霊開運相談室 」 と題する独立したコーナーをそれぞれ一年連載されたのちに、 2019 年 1 月号から 「 小林世征の心霊相談室 」 に復帰されたようです ) 、オカルト界の一部では 《 えすぎる男 》 としても知られている、まさに 《 エスパー 》 であります。


 かつてネット配信番組 『 ムーの基礎知識 』 にゲストとして出演した際には、 “ 日本で俺以外にすごいと思った霊能者は美輪明宏と北条希功子くらい ” ( 取意 ) と言い放ち、実話系ホラー漫画業界において日本最強と言われ続けてはや三十年は迎えようかとも言われるあの寺尾玲子さんをもディスするかの如きその傲岸不遜とも言える発言からは、ご自身の異能力に対する自信のほどが窺えるところでもあり、その自信はますます絶好調なようであります。


 エスパー・小林さんは、この王様文庫からすでに下記の四冊を出版されていて、王様文庫から出版されているエスパー・小林さんによるこの一連の著作を、私は密かに 《 エスパー・小林の開運シリーズ 》 とも 《 エスパー・小林の王様文庫開運四部作 》 と呼んでもいます。

    奇跡の異能力者 エスパー・小林の王様文庫開運四部作
  1. 『 エスパー・小林の「運」がつく人 「霊」がく人 』
    ( 王様文庫 / 三笠書房 / 2015年 )

  2. 『 エスパー・小林の「霊」についての100の質問 』
    ( 王様文庫 / 三笠書房 / 2015年 )

  3. 『 エスパー・小林の「えない世界」を味方につける霊界通信 』( 王様文庫 / 三笠書房 / 2016 年 )

  4. 『 エスパー・小林の超開運案内 』
    ( 王様文庫 / 三笠書房 / 2017年 )

 『 エスパー・小林の「運」がつく人 「霊」がく人 』 に始まる、この王様文庫の一連のシリーズは “ 累計十五万部突破!! ” との事であり、そんな人気シリーズの第五弾として出版されたものが、今回の 『 エスパー・小林のそうだったのか!「あの世」の真実 』 になります。


 ただ、従来の 《 エスパー・小林の王様文庫開運四部作 》 は、いずれもエスパー・小林さんが、日々に迷い悩める方々に対して行っている霊視[エスパー]鑑定という実体験に基づいた上で、より広く一般の読者にとっても参考となるように厳選した事例を紹介しながら、様々な開運の秘訣や極意といったものを紹介する事に主眼をおいて書かれたものだったのですが、今回の新刊はそれらとはちょっと装いを異にしています。


 それは、既刊の四冊が基本的に開運という現世利益に焦点を当てたものであったのに対して、今回の新刊は 《 あの世 》 という、直接には現世利益とは関係なく、実態もはっきりしていないものに焦点を当てている事であります。


 衣食足りて礼節を知るというのとは、ちょっと違うかもしれませんが、やはり現世における利益を得て落ち着いてくると、人はその先の事も気になってくるものなのでありましょう。


 そんな現世的なご利益の少し先にある 《 あの世 》 について、エスパー的な視点からの情報提供を試みた一冊が本書、という事なんですね。


 もちろん、そこはやはりエスパー・小林さんのことですから、普通とは一味違った 《 あの世 》 の風景が展開する事になるのではありますが、それでも、伝統的な世界観と共通するような光景もあったりと、なかなか興味深いものであります。


 これまでの開運四部作で十分に開運の成果を得た人も、開運はまだこれからという人も、本は新刊として書店を流通している内に手にしておかないと、ちょっと遠い存在になってしまいかねないものですので、今のうちにゲットしておく事をお勧めします。


 二十世紀の昭和の時代には、かの伝説の仙人・高藤聡一郎さんによって、赤貧を洗い極貧を極めんとする素寒貧どもに対して、識者の間で現在では 《 帝財二部書 》 と呼ばれている 『 仙道帝財術 』 と 『 奇跡の華僑金儲け術 』 とが示されはしたものの、二十一世紀を迎えてさらに過酷を極め、なお極大化せしめんとして日々に更新され続けている格差社会を生きる平成の現代において、それらはすでに幻の書となり Amazon で 『 仙道帝財術 』 を検索してみると、新刊の値段が千円もしなかったその値段はなんと三万九千四百二十円から、となっていました ( 2019 年 1 月 13 日現在 ) 。


 そんな本事情というものも考えてみると、今回のエスパーの新刊 『 エスパー・小林のそうだったのか!「あの世」の真実 』 も、たったのツー・コインでお釣りまでもらえる新刊の今のうちに購入しておかない手はないと言わざるを得ないのではないでしょうか?


 エスパーの既刊本を購入済の方にとっては缶コーヒーを買うよりも気楽に買える値段でしかありませんし、これまで、エスパーの本にご縁がなかった方でも、オカルトやスピ系の方、心霊関係に興味のある方にはお勧めなうえ、何よりも、そういったマニアな世界には興味がない一般の方でも、 《 あの世 》 についてのちょっとした風景を知るという意味で購入の価値があるものと思います。


 本書はこれまでの 《 開運四部作 》 ほどに気合いを入れて読む必要はないものと思いますが、現世における開運のその先というものも、頭の片隅にでも入れておく必要があるという意味においては必読必携の一書という事ができるでしょう。