さて今月も、真実を報道する世界で唯一の月刊メディア、……と一部では称されている、と闇の世界では噂されているらしい、 『 月刊ムー 』 の 2017 年 8 月号が、遅滞なく発売されました。

 季節が 《 》 という事もあってか、口さがないすれっからしが吹き溜まっている事で知られる某掲示板においてさえ好評価を語るレスが挙げられるほど、今月号のムーは燃えています。

 何よりも特筆すべきなのは、夏や年末のこの季節に、何度も何度も、これでもかというほどに企画されてきた 「 実用スペシャル 」 恒例の 《 ジャンボ宝くじの対策記事 》 でありましょう。

 この 「 実用スペシャル 」 のコーナーにおいてはこれまでも、様々な識者たちによって、格差社会の最底辺において赤貧を洗い極貧を極めるかの如き生活を送る多くのムー民たちに対して、現代日本における合法的にして唯一なる最後の希望ラスト・エスポワールとしての 《 ジャンボ宝くじ高額当選者 》 という選ばれし民となるための秘術・秘法の数々が、惜しげもなく公開されてきたという歴史があります。


 それらの識者たちの中でも今回の記事を執筆している小野十傳さんは、私の記憶が確かならば、とくに自らもその秘法を実践し読者に対して、どちらが先にジャンボ宝くじの高額当選をゲットするか競争する、と宣言された事もある、筋金入りのエスポワーリストのおひとりでもあります ( ……、資料確認はしていませんが ) 。

 そんな小野十傳さんが満を持して公開された秘法が、実用スペシャル 「 「奇門遁甲術」サマージャンボ必勝法 」 と特別スペシャル付録 《 「 飛鳥跌穴神遁符 」 宝くじ必勝封筒 》 なのであります。


ムー付録-201708
『 月刊ムー 』 2017 年 8 月号特別付録

 今回、小野さんが公開された秘法は、彼がまだ奇門遁甲を学ぶ一人の学徒としての日々を送っていた時代に、奇門遁甲を学ぶ先輩であり、勉強帰りの飲み仲間でもあったある兄弟子から伝授されたものだという事です。

 そのさる兄弟子は、 " いつも肩の縫い目がほころびかけたシャツを着ていた " にも関わらず、ある日を境に突然 " 小ぎれいな服装、外国製高級万年筆、。そして、高級外車で教室へ通いだ " すようになったという事で、その突然の変貌を成し遂げせしめた秘術を、そんな突然の変貌を遂げる以前から彼に対して親しく接し、日々の飲み代までおごってあげていたというかつての小野さんに対して、 " 「 今までのお礼になればいいんだが 」 と言って教えてくれた " のだという事であります。そして、その秘法が、今回ムー民に対して小野さんが公開された 「 飛鳥跌穴神遁符 」 に基づく 《 宝くじ必勝封筒 》 なのだというからには、その効果のほどは、明らかでありましょう。


 そして、そんな少し微笑ましいエピソードとは別に、裏世界の闇の底で蠢く暗部社会を少しでも覗いた事のある方であったならば、今回のこの実スペのタイトルと特別付録を目にして、驚愕しない方はいないのではないかとも思います。


 それは、今回の特別付録が、 《 飛鳥跌穴 》 という奇門遁甲の術に基づくものだというからであります。

 小野さんが今回公開された 《 宝くじ必勝封筒 》 の根拠となっている《 飛鳥跌穴 》 というのは、俗に 《 奇門四十格 》 と呼ばれる秘法において最強の格とも呼ばれるものの一つであり、古来これは、日本に伝承されてきた奇門遁甲の術においては知られていなかったものになります。


 日本伝来の奇門遁甲術では知られていなかったこの 《 奇門四十格 》 なる秘法が日本に伝来したのは、昭和の時代になってからの事で、それは透派第 13 代を名乗られていた張耀文さんという方によって、突如として台湾からもたらされました。


 そもそも中国の占い、術数には、実星に基づくものと虚星に基づくものとがあります。

 実星に基づく占いとは、西洋占星術などでも用いられる火星や土星などといった天空を実際に運行する星の観測データをそのまま配置した占星図に基づいて占うものであり、虚星に基づく占いとは、精密な天文観測によって得られた数値をある特殊な方式に従って写像変換する事によって、実際には存在しない架空の星を算出した上で、その架空の星を配置した架空の天宮図に基づいて占うタイプの術で、奇門遁甲はその後者、すなわち虚星に基づいた術という事になります。


 奇門遁甲においては、西洋占星術などにおける天宮図の代わりに九つの四角いマス目を描き、その九つの枡のそれぞれに対して、夜空に浮かぶ無数の星々を観測する事によって得たデータを変換したこの世には実在しない様々な虚星を配置してゆき、それらの相互関係から人一代の盛衰を観て方位の吉凶を知り、もって開運をなさんとするわけであります。


 天地の干に九星、八門、九宮に八神といった様々な属性を持った数々の虚星を九つの枡目に配置してゆき、その中から開運効果の期待できるある特定の星のある特定の位置関係を選択的にピック・アップしたものが 《 奇門四十格 》 であり、その中でも 《 飛鳥跌穴 》 という格は、日本に奇門遁甲の術をもたらした張家伝来の秘伝書 『 透派奇門大法 』 によれば " 何もしないで自然にすばらしい幸運がおとずれ " るとさえ謳われているものになります。


“ 丙甲即是鳥跌穴、不労多獲第一功 ”
張耀文 著 『 透派奇門大法和訳 全 』 ( 鴨書店 )

 が、しかしながら、ここで一つ注意しなければならない事があって、それは、一部の術師の間には 《 紫微は流血、遁甲は爆( )命 》 という不気味な言葉が語られているという事実があるという事です。


 これは、主に命理に関わる紫微斗数という占いは、万が一その用い方を誤ったとしてもその副作用は “ 流血 ” 、すなわち血をタラタラと流す程度で済むが、命理にとどまらずに積極的に開運という現実世界への作用介入を図ろうとする奇門遁甲の場合には、万が一にもその用い方を誤ったならば、爆破されたような被害を蒙る事になる、という事の謂いであります。


 奇門遁甲の術は、この地球上に無限にあふれる磁力線の作用にその効果の源泉を求めるものだと言われているのですが、その使い方を誤った場合には、その磁力線の作用に命式が曝され、その磁力線の作用があたかも放射線被爆したかの如くにその術者のめいを蝕み破壊し、やがてはその者をして再起不能たらしめかねないほどの危険な側面をも、奇門遁甲という術は持っている、という事でもあります。


 そのため、多くの探究者たちが、奇門遁甲探究の途上において、傷つき病んで満身創痍となって、やがて廃人への隘路へと陥ていった、と伝えられているところでもあります。


 それはまさに 《 開運 》 と 《 壊運 ( © 大石真行 ) 》 とがまさに紙一重にあることの謂いでもあるわけですが、 《 直線とその漸近線の如くに ( © 小室直樹 ) 》 決して交わる事のないこの 《 開運 》 と 《 壊運 》 との間に横たわる蹉跌の穴を超えて空を飛ぶ鳥の如くに、自らのめいを賭して、いざ進み行かん、勇者よ!


 大枚をはたいてサマージャンボ宝くじを購入し、中央フリーウエーを純白のメルセデスで走り抜け、プール付きのタワー・マンションのペント・ハウスで開くホーム・パーティーで、CAだの女子アナだのモデルだのといったビッチどもの頬を日銀の帯封付きの 100 万円の札束で貼り倒し、ピン・ドンをシャンパン・タワーのトップに灌ぎ倒した上で、竹中だの安倍だのというポチ公どもの足元に Big Money を叩きつけてやろうではありませんか。


 しかし、 《 飛鳥跌穴 》 の格が " 不労多獲 " とは言え、それは同時に " 夕陽縦好近昏終 " でもあり、労せずして多くの功を獲得するそのチャンスはクズクズしていては逃げてしまうものであって、しかもそれは後ろ髪のないものでもあります。ここ一番というまさにその瞬間を逃さず確実につかみ取らなければならないわけです。


 幸いにも、世間の多くの方々においては、今日からつかの間の三連休を迎えるという方もいるのではないかと拝察するところでもあり、今夏の 《 サマージャンボ宝くじ 》 売り出し直前のこの期間に斎戒沐浴した上で、小野十傳さんの実用スペシャル 「「奇門遁甲術」サマージャンボ必勝法」 を熟読して準備を万端整え、決戦の瞬間に備えようではありませんか。