さて、本年は酉年ということで、これは生まれ年の十二支に有縁の仏・菩薩・明王などを配当した八守護仏の体系によれば、不動明王さまが守護する年ということになります。その関係から本年は、各地で不動明王をお祀りするお寺が暑く燃えています。
この八守護仏は一般に 《 一代守り本尊 》 などとも呼ばれ、オカルト雑誌は言うに及ばず、一般の雑誌や新聞など諸々の誌紙上においても、よくお守りや開運グッズの広告などが掲載される機会があるので、詳しくは知らないまでもどこかで見た事がある、という方も多くいらっしゃるのではないかと思います。そして、それらにおいて、その生まれ年の十二支と八守護仏の対応は、次の様に説かれるのが一般的かと思われ、雑誌や新聞などには、この対応表に基づいた上で、それぞれの本尊をモチーフにした様々なお守りグッズの購入を勧める広告などがよく掲載されていますし、或いは、もう少しマニアックなものになってくると、生まれ年だけではなく、それぞれの生まれ月にもこの八尊を配当するような事例も見受けられたりもしています。
生年十二支による一代守り本尊 | |
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子年生まれ | |
丑年生まれ | |
寅年生まれ | |
卯年生まれ | |
辰年生まれ | |
巳年生まれ | |
午年生まれ | |
未年生まれ | |
申年生まれ | |
酉年生まれ | |
戌年生まれ | |
亥年生まれ |
ただ、このような通説に対しては、波木星龍さんという、かなりマニアックに占いを研究されている占い師さんが、ご自身のブログで軽めの批判をされたりもしていますし、それとは別に、個人的なちょっとした考察もあるのですが、それをここで書いてしまうと、また九州の恥を知らない真言坊主にパクパクとパクられてしまいそうなので、考察に留めておく事にしました ( たいした話ではないんですけど、ね ) 。
今回のエントリーの目的は、あくまでも 《 不動明王が暑く燃えているお寺 》 のご紹介をする事にあります ( 実はその本来の目的を忘れて、一度はうっかりと関係ない考察を延々と書き進めてしまったのですが、途中で気が付いて、こちらに戻ってきました ) 。
そこでここからは、酉年に際して 《 暑く燃えているお寺 》 の中から、真言宗犬鳴派を公唱し、葛城修験道の根本道場でもある犬鳴山七宝瀧寺で開催される行事をご紹介させて頂く事にしたいと思います。
同寺のホームページによれば、“ 犬鳴山は、斎明天王の7年(西暦661年)、修験道の開祖である役小角が28歳の時に開基され ” たという事で、“ 大和の大峰山より6年早く開山されたので、元山上と呼ばれ ” ていて、さらには、“ 役行者の開山時に倶利伽羅大竜王が出現し、これを本尊とし ” た上で秘仏としているらしく、本年 2017 年は十二年に一度の秘仏 《 倶利伽羅大龍不動明王 》 さま御開帳の年である、という事です。
ここに 《 倶利伽羅大龍不動明王 》 と言うのは、 《 不動明王 》 とは言いつつも不動明王そのものではなく、不動明王さまがその手に執る剣とその剣に巻きつく龍を本尊としたもので、オカルトの世界ではクンダリニーの上昇する様を神格化したものだ、などという言及のされ方をする場合もあったりする尊格でもあります ( 秘仏というだけあって、犬鳴山七宝瀧寺の倶利伽羅大龍不動明王は個人的には未見なので、以上は 《 倶利伽羅不動 》 さんについての一般論ではありますが ) 。
同寺では、 12 年に一度、年の十二支に不動明王の守護する酉が巡ってきた年に、同寺の秘仏である 《 倶利伽羅大龍不動明王 》 の 《 秘仏御開帳 》 を行っているという事で、さらに今回、この 《 秘仏御開帳 》 というイベントに併せて、一般在家者に対して 《 結縁灌頂 》 と 《 一印灌頂 》 とを授ける特別イベントも同時開催する、という事であります。
ここに 《 結縁灌頂 》 というのは “ 広く在家の人々に仏縁を結ばせるため行う ” ものであって、覆面の上で敷曼荼羅の上に投華得仏する密教の秘法であり、略儀ながらもこれとほぼ同等のものは、高野山において毎年春と秋に実施されていますので、言ってみればいつでも受ける機会はあるのですが、今回はこれとセット・アップされた形で、“ ご縁を結びたい佛、本尊さまの一印一明を授かる儀式 ” であり、 “ 受
《 一印灌頂 》 については、その受法資格を “ 結縁灌頂入壇者に限 ” る旨が規定されているようでもあり、ここはぜひとも二つセットで受法を目指したいところでもあります。
秘仏 《 倶利伽羅大龍不動明王 》 さまを拝観し、伝授された秘印を結んでそのご真言を念誦したならば、その瞬間にあなたの眠れるクンダリニーが覚醒する……、かもしれません ( あっ でも、これは、オカ女の政清おばさんには内緒ですよ。政清おばさんに聞かれたりしたら、また “ キモッ ” とか言ってディスられちゃいますから、ね w ) 。
それと、同寺のホームページを見ると、ムー民谷出身の
“ 犬鳴山は、役の行者の霊場ですが、同時に、紀伊、和泉、河内の連絡には要衛の地でした。このため、犬鳴山と南朝方とは特に密接な関係にありました ” ( http://www.inunakisan.jp/news/1293.html )
“ 犬鳴山と南朝方とは特に密接な関係にありました ” ……、 “ 南朝方とは特に密接な関係に ” ……、 “ 南朝方とは ” って、古史古伝関係の怪しげな文献のあるところには、必ず関わりを持ってくるとも言われている南朝方と密接な関係があったと言われては、ムー民たるものそれを看過するわけにはいかないのではないでしょうか。
イベントの概要は下記の一覧の通りなのですが、詳細は犬鳴山七宝瀧寺さまのホームページを確認の上、結縁灌頂や一印灌頂の詳細については “ 本堂:072-459-7101 までお問合せください ” との事です。
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