さて、 100 分で難解を極める名著の数々を読み倒してしまおう、というコンセプトのもとシリーズ化されて延々と続いている NHK Eテレの名物番組に 『 100 分で名著 』 なる番組があるのですが、今月は大乗仏教の名著としてかの 『 維摩経 』 を取り上げるようであります。

悠馬興-2


 にちゃんで 《 真宗ハゲ 》 と呼ばれる人種に属しているのであろう人物が講師というのが若干引っかかりますが、まぁ、とっかかりとしては大過ない内容となるのではないかと思われますので、 『 維摩経 』 にこれまでなじみのなかった方にはお勧めいたします ( 《 真宗ハゲ 》 というにちゃん用語は罵倒語にあたるのかとは思いますが、 『 維摩経 』 を超訳するようなゲス野郎にはちょうどよい呼び方かもしれません ) 。

 とりあえず、 『 維摩経 』 の概要がおぼろげながらも感じられたならば、真宗ハゲの超訳などというデタラメな本は読まずに、正しい伝統の中で培われたものか、あるいはきちんと言葉を学んで語学的に正しく翻訳された 『 維摩経 』 を読む事をお勧めします。

維摩経-1
梵漢和対照・現代語訳 維摩経 』 ( 植木 雅俊 訳/岩波書店/2011)

 この本は、サンスクリット語を学んだ訳者が、1999 年に発見されたサンスクリット語の原典から直接に和訳されたものらしく、ノリで適当に書き散らした超訳と違って参考になるものと思いますのでお勧めです。

 漢訳系のものは、慣れない方には敷居が若干高くなってしまうかもしれませんので、多少値段ははるものの、ぜひにもの購入をお勧めいたします。

 読みやすく、値段が安くともデタラメなものはいけません。