それは、春節も過ぎ、ヨベル・イヤーの影響がいよいよ色濃く感じられるようにもなってきつつあったある日の朝の出来事でした。


 私は、朝のまどろみの中、昔ながらの薬缶で沸騰させた湯とホット・ミルクをハーフ・アンド・ハーフに注いだティー・カップにリプトンのティーバックを落とし、そこにスパイスをふりかけて、ロイヤルではないけどスペシャルにしたミルク・ティーを味わいながら、Y売新聞を開いて、国際情勢の行く末を案じるそぶりを気取りつつ、その日のテレビ番組欄を、おそらく視聴するものはないだろう事を予感しながらも、確認していたのです。


 その流れで社会面を開いた時、私は驚愕のあまり手に持ったY売新聞を思わず落としそうになってしまいました。


 そう、私が開いたY売新聞の社会面の片隅に、 《 魔女のお茶会 》 ……、ではなくて、 《 魔女の秘密展 》 開催の告知が秘密裡に……、じゃなくって、堂々と掲載されていたのであります。

魔女の秘密-1
これはY売新聞の告知とは別なチラシです


 魔女と言えば、あなた、夜な夜なサバトに出かけては、悪魔を騙って山羊の仮面をかぶったヤリチン野郎と乱交三昧で 《 Love & Peace 》 な日々を送っていたという伝説のお姉さまたちじゃないですか……。


 えっ?


 違うだろ、ですって?


 まぁ、多少の勘違いはご勘弁していただくとして、いずれにしろ魔女なるものについて一部のオカルト筋では、かつて第二次世界大戦において、ナチスがヨーロッパの覇権を握らんとしていた際に、英国の白魔女たちがそれを阻止せんとして活躍した、などという隠された歴史が語られたりもしているわけでありますが、そのような魔女術のパワーの源泉はその術式の秘匿性すなわち秘密にこそあるわけなのであり、その秘密が今この日本においてまさに暴露されんとしているということは、何かの天啓なのではないか、と思うわけであります。


 かつて、ナチスの躍進を許した発端が、ナチスのポーランド侵攻を許容した国際社会の弱腰にあったということは多く語られているところではあるのですが、今、東アジアで世界の覇権をその手中にせんとしてスプラトリー諸島やパラセル諸島へと軍事進出を着々と進めている中華人民共和国と、そのような中華人民共和国の傍若無人とも言えるほどの軍事進出に対して有効な対抗手段を示すこともできずにいる国際社会という構図を考える時に、魔女の力をあらかじめ奪っておこうというかの如くに開かれるこの 《 魔女の秘密展 》 は非常に重要な意味を持っていると理解するべきところなのでありましょう。


 即ち、これは、この 《 魔女の秘密展 》 はワン・ワールドという危険な思想によって世界政府の樹立を図らんとする邪悪な闇の勢力が、魔女宗を信仰する隠れ魔女宗徒のよって立つ魔女術のパワーの源泉を破壊し、もってする新たなる魔女狩りムーブメントの勃興による恐怖によって世界を蹂躙せんとする意思の顕れなのであります。


 そんな危険な展覧会が、来たる、というか、もう来てますけど、 2016 年 2 月 19 日(金)から 3 月 13 日(日)まで、日本に実在する霊能者の中でも最強と言われることもある、あの寺尾玲子さんもその地霊のパワーを恐れて足を踏み入れる事を躊躇するとまで言われることのある東京は青山の魔都・原宿に聳えるラフォーレ原宿なる都城の屋根裏に開設された秘密展示施設、ラフォーレミュージアム原宿 ( 東京都渋谷区神宮前1ー11ー6 ラフォーレ原宿6階 ) において、 《 魔女の秘密展 》 と題して開催されています。


 毎日 11:00 ~ 19:00 ( 入場は 18:30 ) まで、会期中は無休で開催している ( 最終日だけは 17:00 閉場で入場は 16:30 まで ) とのことで、観覧料は最大で 1,200 円ポッキリ!。小学生や中高生にはより低廉な料金が設定されていて、しかも価格はすべて税込み、さらにその上、未就学児はなんと入場無料!


 という事で、私も、さっそく連れに連絡をとってJRの原宿駅前で待ち合わせをして行ってきました、楽しくも危険で隠微な 《 魔女の秘密展 》 。


 展示作品には様々なものがあり、ムー民谷の出身者なら、一度は雑誌の記事で目にしたことがあるであろう、あんな絵やこんな絵の原画なども、これでもか、という感じで展示されています。


 例えば……、これ。


魔女の秘密-2
これはグッズのクリア・ファイル ですが


 この絵は、サバトへの参加を控えた若い魔女に、老魔女がホウキと飛行用軟膏の使い方を指南している場面を描いたものとされているのですが、これなどが完全に絵画作品として展示されていて、思わず魅入られてしまいました。


 まぁ、図録の解説を読むと、展示作品は先行する他の画家のモチーフを借用したもの、ということですので、私たちが雑誌の記事などてよく目にしているものそのものかどうかは定かではないところはあるものの、それでもなお、この作品を実際にまじかで観賞するためだけでも、 《 魔女の秘密展 》 に足を運ぶ価値はあるのではないかと思います。


 参考までに、以下に関連する外部サイトのリンクを貼らせていただきますのでご参考ください。

  1. 魔女の秘密展 公式サイト
    1. フェイス・ブック
    2. ツイッター
  2. どちらかのまとめサイト
  3. 東京新聞の記事
  4. 上坂すみれさんも真実にビックリ!? ラフォーレミュージアム原宿で『魔女の秘密展』開催 [オタ女]
    1. Otajo-1
    2. Oyajo-2 ワルプルギスの夜の由来は?
  5. 名古屋市博物館
  6. 太陽と月の魔女

 いやいや、 しかし、盛況でしたよ、 《 魔女の秘密展 》 。


 現代のこの日本にこれほどの魔女が潜伏していたとは意外でした。


 しかし、魔女の歴史にはその多くの場合において 《 魔女狩り 》 という極めてネガティヴな側面がつきものであり、その影響は今回の 《 魔女の秘密展 》 においても否定しがたいものがあったようであります。


 実は、魔都・原宿を擁する都心を離れ、地元の路線バスで帰路にあった私を、軽い悪寒と頭痛が襲いました。


 私はその邪悪な波動の意味を即座に理解し、家に帰り着くや否や湯船にたっぷりのお湯をはってゆっくりと身体を休めてから、極楽スタイルで袈裟を纏い、ドルセムを観想しつつパイツーミンを念誦して浄化を図りました。


 そのおかげか、邪悪な波動は影を潜め、私は事なきを得たのですが、同行したツレはそのような適切な対処を怠ったらしく、翌日はダウンしたとの事です。


 そう、魔女狩りの負の怨念は今も健在です。


 お出かけの際は用心万端怠りなくご注意ください。


 でも、ぜひ一度は足をお運びくださいませませ。