さて、最近はテレビを観る機会も減ってしまって、ドラマなどもあまり観ていないのですが、そんな中で、惰性の力でかろうじて観ているドラマの一つに 『 相棒 』 という刑事ドラマがあります。

 日本人ならば、実際に観ているかいないかは別にして、ほぼ大半の方がご存じであろうかとは思いますがこのドラマは、水谷豊さん扮する杉下右京という警部とその相棒となる刑事を主軸として展開される刑事ものドラマで、初代の相棒・亀山薫役の俳優さんが諸般の事情から降板 ( 一説には更迭された、という噂もありました、が ) してしまってからは、いつしか不定期的に水谷さんの相棒役の俳優さんが交代していくのが定番となってしまい、現在のシーズン 14 の相棒役の反町さんは通算で四代目となっています。

 一時期は、この 『 相棒 』 シリーズは特別な趣を持ったドラマではあったのですが、いつしか相棒が適宜交代していくようになるとともに、四代目の season 14 ともなると、ただ単に普通に面白いだけのドラマになってしまったようなところもあります。

 反町さんの相棒役は、当初の予想よりは違和感なく視聴できたのですが、録画したまま視聴せずにすぎてしまっている話も複数になってしまっていて、残念なところではあります。

 が、さすがに、正月の元日スペシャルは気合の入れ方も違ったようで、今回の 2016 年の元日スペシャルはなかなかの力作となっていて、興味深おもしろく視聴する事ができ、吉祥なこと何よりでありました。

が明けたから目が醒めるのではない

目が醒めたから夜が明けるのだ

 この重要な言葉を生んだ赤いカナリアと呼ばれる組織の最重要人物であるとともに、レベル・ファイブ級の爆弾テロの技術を持った危険人物としても知られる本多篤人あつんどの、最後の戦いを描いたこの話は、非常に重層的な構成になっているとともに、脚本作者の複雑な心境をも反映しているようにも窺えます。


イルミナティに対して バシャール Illuminati, How we should deal with, Bashar

 なんか、このバシャールとかいう奴の高圧的な態度はそもそも気に食わんのではありますが、こいつの次のような言い分を信じるならば、本多篤人あつんどの選択したパラレル・リアリティの地球においては、本多が心血を注いで作製した至高の爆弾によって、ゲートは開かれていたのでありましょう。

ただ、ひとつの世界しかないのではありません。
皆さんは、常に異なるパラレル・リアリティの間を移行しているのです。
ですから、どんな波動の状態を選択するかが、
最終的に経験するパラレル・リアリティの地球になります。
 まぁ、私たちの体験しているこの地球においては、本多の爆弾は冷血なる天才・杉下右京の指示によって起爆前にすべて回収されてしまっていてなんの影響力も持ちえなかったんですけど、ね。

 また、そんな本多が鞘師なる人物と手を組んで守ろうとした青年の、テロりストにしてはなよ過ぎるドス捌きのシーンに一瞬は唖然とさせられるも、それも布石として回収されたストーリー展開など、このあたりの収束のさせ方はさすがと評すべきところではありながら、従来の 『 相棒 』 の思想的傾向からはベクトルの向きが正反対になってしまっているようにも受け取れて興味深いところでもあるのではありますが、まぁ、そんなストーリーの本質的な部分について、個人的に感じる事や思う事がなくもないわけではないという話は、きわめて繊細な問題をはらんだものにもなりますのでここでは置いておくことにします。そこで、ここでは、ストーリーを脇から盛り上げる小道具的というかオブリガートなアイテムに関して少しだけ話を敷衍してみたいと思います。

 ストーリーの中で、おそらくは番組制作サイドが考案した風習なのではないかとは思われるのですが、 パワーストーンを使って願いを叶える風習として《 願い石 》 というものが取り上げられ、その流れで 《 カーネリアン 》 という赤いパワーストーンについて杉下右京が蘊蓄を披露するシーンがありました。

 ストーリーの鍵を握る女性が願い石として身に着けていたものと同じカーネリアンを示しながら、 “ チベットではペマラカとゆう名で、古くからお守り石として使われているそうです ” と口火を開きつつ、さらに “ ペマラカの語源はサンスクリット語で、蓮を意味するパドマ、そして、赤を意味するラカに由来すると言われています ” と、続けて “ そしてラカには赤のほかにもう一つ意味があります。血という意味です ” と結んでいました。

 このカーネリアンを使った願い石は、別な意味でストーリーの鍵となっているのですが、ここでは、余興的に披露された杉下右京のカーネリアンに関する蘊蓄について注目してみたいと思います。

 杉下右京が “ チベットではペマラカとゆう名で ” 呼ばれていた、というのは 《 པདྨ༌རཱ༌ག༌ 》 ということなのではないか、と思うのですが、 《 པདྨ༌རཱ༌ག༌ 》 というのは 《 赤い色をした宝石 》 の事を一般に指していますので、その意味においてカーネリアンの事をチベット語で 《 པདྨ༌རཱ༌ག༌ 》 と呼ぶ、というのもあり得る話かとは思います。

 ただ、 《 པདྨ༌རཱ༌ག༌ 》 をチベット語から普通にカタカナにすると 《 ペマラカ 》 ではなくて 《 ペマ・ラーガ 》 とでもなるのではないか、とは思うものの、おそらくは英語系の文献からそれがいつしか 《 ペマラカ 》 となってしまっているのでありましょう。

 まぁ、所詮カタカナはカタカナではあるので、そこは軽く流すとして、それよりも、この脚本を書いた作家さんがそういった方面に興味がある方なのか、たまたま資料を調べて得た知識なのかは不明ながらも、現在の日本のパワーストーン業界において、カーネリアンがチベットでは 《 ペマラカ 》 こと 《 ペマ・ラーガ 》 と呼ばれているなどいう蘊蓄が語られているらしいという事を私ははじめて知りました。

 いやいや、前ふりが長くなったわりには言いたかったのは、この、現在の日本のパワーストーン業界でカーネリアンというパワーストーンがチベット語ではペマ・ラーガ、ではなくて、ペマラカと呼ばれているのだ、などという蘊蓄が流布されているらしい……、というパワーストーン・ネタなお話だったんですけど、ね。
2016年1月24日 追記


パワーストーン……、というか 《 ビーズ 》 アクセサリーの商品として 《 ペマ・ラカ 》 を扱っているサイトがありましたので、参考までに貼らせていただきます。

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