さて、世間はもう師走。調伏リトリートの験が現れたのか、いよいよ亡国喜劇の最終章の幕も切って落とされたようではありますが、それはそれ…。今回はしばらくご無沙汰だった宗教ネタでひとつエントリーをかましてみます。


 賢明なる当ブログの読者の皆様にあっては、チベット密教としてチベット人たちが伝承してきた教えの中に 《 チュー ( 断:གཅོད༌ ) 》 なる秘法があることはよくご存じのことかと思います。


 このチューなるチベット密教に伝承された秘法については、以前に国内在住の支那china系のグループにおいて伝授がされた際に、こことは別なブログで一度言及したこともあるのですが ( その際の記事はチュー 《 チベットの捨身供養 》をご参照ください ) 、その時とはまた別なチベット仏教系グループが別なチベット人ラマを招聘して都内某所でチューの講座を開催されていたようで、さらには、そこともまた別な日本人グループもさらに別なチベット人ラマをお呼びしてチューの講座をこれから開催されるようでもあります。


 いったいいかなる因縁でこの時期にたて続けにチューの講座がこの日本の地で開催されているのかという深秘なる神仕組みの詮索はひとまず横に置くとして、まずはその講座の内容が非常に気になるところなのではありますが、残念なことにそれらの講座の詳細については参加者にしか知りえないものであるため私も把握できてはおりません。


 そこで、ここでは海外のマニアたちがこのチューなるチベット密教の秘法にいったいどのように取り組んでいるのか、という事について例のごとく You Tube からご紹介してみようかと思います。


 まずは、最初にきわめつけともいえるような動画からご紹介しようかと思うのですが、それが、こちら…。

  1. Chod kusulu

    2012/06/08 に公開

 ある意味で忍者のコスプレに興じる外人さんにも通じる風情…、といった趣も感じさせる動画ではあるのですが、これがところがどっこいというもので、彼がお唱えしているその内容によくよく耳を傾けてみると、彼の実演しているチューが実はロンチェン・ニンティクの儀軌に基づいたものであるという事がわかります。


 もっとも、ロンチェン・ニンティクにおけるチューの根本儀軌としては 『 གཅོད༌ཡུལ༌མཁའ༌འགྲོའི༌གད༌རྒྱངས༌』 と呼ばれるテキストがあるのですが、彼の実演しているものはそれではなく、上の動画で実演されているものはいわゆる前行と呼ばれるシステムの中に組み込まれているチューのようで ( 回向の部分は 『 གཅོད༌ཡུལ༌མཁའ༌འགྲོའི༌གད༌རྒྱངས༌』 のものを流用しているようです ) 、ロンチェン・ニンティクの前行におけるチューをこのように具体的に実践するやり方を実見するのは初めてなので大変に興味深いところではありましょう ( 動画には映し出されていない観想として彼がイメージしている内容は、かの悪名高き 『 虹の階梯 』 を読めばおおよその見当はつく事と思います ) 。


 いずれにしろ、白人のチュー・コス・プレイヤーが独自にこんなアイデアを思いつくこともないでしょうから、おそらくはどこぞのチベット人ラマが彼にこの法を伝授した事が推認されるわけであって、そんな野郎はなんともうらやましい限りで、私もぜひこの程度のラインを最低限の目標としながら、伝授を受けるのは無理としても、まずはせめて彼の尻の下に敷かれている虎皮を模した敷物をゲットする事あたりを目指して精進してみたいものだと決意を新たにする今日この頃なわけであります。


 まぁ、そんな感慨はそれとして、このブログの読者にいきなり上の動画のようなコアなコス・プレイを推奨してもみなさん困惑されるばかりでありましょうから、もう少し穏当なものを見繕ってみると You Tube には以下のような動画も公開されています。


  1. 施身法一日修法 Chod Accumulation Retreat 13-JULY-2013
    2013/07/13 に公開
    施身法一日修法 Chod Accumulation Retreat 13-JULY-2013
    Chodpa Lama Hong Kong Chod Group Causeway Bay Chodpas.

  2. གཅོད 施身法一日修法 Chod Accumulation Retreat 20 SEP 2013

    2013/09/20 に公開

  3. གཅོད 施身法一日修法 Chod Accumulation Retreat 14 OCT 2013

    2013/10/14 に公開

  4. གཅོད 施身法一日修法 Chod Accumulation Retreat

    2013/08/31 に公開

  5. 施身法一日修法 Chod Accumulation Retreat

    2013/06/17 に公開

  6. 達唐寺--施身法
    2014/09/16 に公開


 日本のチベット仏教系グループではこの程度のレベルも要求することは困難なところかとは思われるものの、少なくとも日本以外の海外ではこの程度のプレイはデフォなものであるのかもしれませんね。


 また、以上は日本では想像もできないほどに凝ってはいるものの、あくまでも外人の素人さんが実践している模様ですが、次の動画はどうやらプロの方の実演のようであります。


  1. Chod Drikung-Kagyu.m4v

    2010/12/17 にアップロード
    Chod-Puja of Drikung-Kagyu;
    Performed by monks of Tserkarmo Monastery (Ladakh) during event in Wilhering/Linz (Austria)


 本来、チューと呼ばれる行法は 《 シチェー ( ཞི༌བྱེད༌:鎮寂 ) 派 》 と呼ばれる宗派に伝承されていたものであったとされているのですが、現在ではシチェー派という宗派は組織としては存続されておらず、チベット仏教四大宗派の各宗に遇宗的な教法として伝承されているようで、上の動画はディクン・カギュー派に伝承されているチューの実演であるようであります。


 まぁ、いずれにしても、まずは、虎皮 ( 風 ) の敷き物をゲットするところから始めてみましょうか…。


 あぁ、ついでにちなんでおくと、このブログの読者の大方の方には必要ない情報かもしれませんが、今回のエントリーの上の方で言及した 『 གཅོད༌ཡུལ༌མཁའ༌འགྲོའི༌གད༌རྒྱངས༌』 と呼ばれるロンチェン・ニンティクのチューの伝授が今月中旬頃に都内某所で実施されるようでありますので、興味のある方はネットで検索でもされてみては如何でしょう。


 一番最初に紹介したチュー・コス・プレイヤーさんの動画からも推察できるように、チューという行法は、チベット密教の中でもかなり特殊な形態のもので ( もちろん、思想的な基盤は仏教的なものにあるわけではありますが ) 、伝説のオカルティストともいうべきフランス人デビット・ニール女史の著作などを読むとわかるように、かなりオカルト的なテイストも持ったものでありますので、 『 HONKOWA 』 を読んでいるような方々にももしかしたら少しは楽しめるかもしれませんよ。


 まぁ、基本的には完全な宗教ではあります ( 叫び ) ので宗教嫌いな方にはお勧めできませんが、宗教とは言っても入信を強制されたり勧誘されたりすることはないはずですので、オカルト好きなそこのあなたもぜひ一度体験してみては如何でしょうか。