さて、この年末年始は皆様も、えあるお方、ダライ・ラマ 14 世法王猊下のウェッブ伝授の受法に忙しくも吉祥ワクワクな日々を送られたのではないかと慶賀の詞を送らせていただきます。


 中にはこんな貴重な年末年始に休みも与えないようなブラック企業に対して三行半をたたきつけて自宅警備に徹した上で、百均のカップ・ラーメンをすすりながら法王猊下の伝授に臨まれたなどという方もおられるのではないかとも思いますが、そんな思いも度重なる貴重な伝授によって十分に報われた事でありましょう。


 一連のコースの最終日に至っては、在家の者に対して法王様がおん自ら有部の伝統に則った三帰依戒の伝授をなされた上で観音菩薩の大灌頂まで執り行っていただけるという吉祥まで賜るという光栄にも浴する事となり、そんな福分ある皆様がたにおいては、さぞや感激が行ったり来たりなされているのではないかと拝察するところであります。


 そんな年末年始を迎えた当ブログも、そんな世間の事情から、前回のエントリーはともかくとしてここのところやや仏教色の強いエントリーが続いてしまっていましたので、今回は少し原点に立ち返って少しばかり実話系ホラー・コミックの世界を振り返ってみてみる事にしてみようかと思います。


 と言うことで、皆様がたにおかれましても実話系ホラー・コミックを読んでいる際などに、仏教的な香りを感じさせるアイテムとして観音さまやお地蔵さまといった菩薩さまたちのお姿などを目にする機会も多くあるのではないかと思いますが、そんな実話系ホラー・コミックの世界においては、和な趣のものとしてまず何はなくとも観音さまという印象があるようにも思われますし、お地蔵さまに至っては、実話系ホラー・コミックの世界では一つの定番とも言える水子の祟り的ないかにもなテーマとセットにして必ずと言ってもよいほどに顔を使われてしまうほどで、この観音菩薩と地蔵菩薩という二大菩薩に、不動明王を加えたお三方を実話系ホラー・コミック業界の御三家と言ってもいいのではないかと考えるところでもあります。


 が、そんな観音や地蔵といった超メジャーどころの菩薩がたに比べると、トップ・スターというほどではないのかもしれないものの、中堅というほどマイナーというわけでもないというような、ある意味でなんとも中途半端なポジションにつけていらっしゃる菩薩さまに文殊菩薩という方がおられます。


 この文殊菩薩さまが、世上によく “ 三人寄れば文殊の知恵 ” などと言われるように知恵を象徴する存在として広く人口に膾炙されるとともに、十二支別の守り本尊の一尊としては卯年生まれの方々を守護する本尊として忙しく働かれている菩薩さまでありながらも、実話系ホラー・コミックの世界ではなかなかお目にかかる機会はないようにも見受けられるところであるわけではあります。


 そんな文殊菩薩さまにあらせられましても、その中に様々な種族というかお姿の顕わされ方というものがあるわけではありまして、日本で普通に文殊菩薩と言った場合にイメージされるものはやや専門的には五字文殊あるいは五髻文殊などと呼ばれるものとなって、その真言とされているものが 《 おん・あらはしゃのう 》 と言うもので、この真言は卯年生まれの方々を守護するものとして広く一般の諸書においても紹介されているところですので、実話系ホラー・コミック・ファンの皆様がたにおかれましても一度くらいはどこかで目にしたことがあるのではないかとも思います。


 この 『 おん・あらはしゃのう 』 という真言の系統に属する文殊菩薩はチベットにおいても伝承されていて、オレンジ色の肌をして右手で智慧の利剣を虚空に振りかざしたお姿のその文殊さまはチベットにおいてはチベット語風になまったその真言から 《 アラパチャナ文殊 》 などと呼ばれる事もあるという事であります。


 これは大変にポピュラーな菩薩さまのー尊で、チベットにおいては特に文殊・観音・金剛手という三尊の菩薩がたによって 《 三部主尊 ( རིགས༌གསུམ༌མགོན༌པོ༌ ) 》 というユニットを組まれて、それぞれの菩薩さまが仏さまの智慧と慈悲と力という三つの位相を象徴するものとされているものにもなっています。


 一方、そのようなポピュラーな文殊さまに比べて、マイナーというわけではないものの、基本的に多面多臂のお姿を示されるやや専門的というかマニアックな香りのする文殊さまとして 《 法界語自在文殊 》 と呼ばれている文殊菩薩もチベットには伝承されています。


 この法界語自在文殊という仏尊は、チベット大蔵経十万タントラ部の冒頭を飾るとともに、えあるお方、ダライ・ラマ 14 世法王猊下が世界中で頻繁に執行されている 《 カーラ・チャクラの大灌頂 》 の典拠とされる 『 カーラチャクラタントラ 』 の成立にも影響を与え、深い関係を持っているものとされているテキストである 『 聖妙吉祥文殊師利真実名経マンジュシュリー・ナーマ・サンギーティ ) 』 と呼ばれるお経に説かれている尊格になります。


 この 『 聖妙吉祥文殊師利真実名経 ( マンジュシュリー・ナーマ・サンギーティ ) 』 というテキストはチベットにおいては宗派の別なく非常に大切なものとされていて、少なくとも専門家の間では読誦される方も多くいるものと漏れ伝えられているところでもあって、そんな意味から今回は、この非常に大切なお経のルンを、日本にもかつて来日されたことのある故ケンチェン・ペマ・ツェワン・リンポチェが行なっているものと思しき動画を You Tube から引っ張ってきて皆様にもご紹介することにしようと思います ( …、って、実はこれが今回のエントリーのメイン・ディッシュでありまして、ここまでは単なる前ふりだったんですね… 叫び ) 。



Khenchen Padma Tsewang Rinpoche
reciting Manjushri Nama Sanghiti

 さすがに大ラマだけのことはあってかなりの年季が入ってもいるようで、もうこの読誦の速度にはまったくもってついていく事は不可能であります。


 ちなみに、従来は 『 時輪タントラ 』 と深い関係があるものとされていたこの 『 聖妙吉祥文殊師利真実名経 ( マンジュシュリー・ナーマ・サンギーティ ) 』 なのですが、伝承上におけるその価値に代わりはないものの、ワープアの三年分の年収にも匹敵する総額で 300 万円近い巨額の費用を私たち国民の税金から拠出して行われたという学者様による近年の研究成果によれば、 " 従来指摘されてきた『カーラチャクラ・タントラ』と『ナーマサンギーティ』の関係について、特に本初仏に関する論議があまり行われていないなど、従来指摘されていた両教典の密接な関係性について、疑問を提示する箇所がいくつか見つかって " ( 出典 ) いるという事で、科学的には必ずしも両者には緊密な関係があるというわけではないようでもあります ( その具体的な成果は学者たちのクローズドな集会である学会コミケに属さない我々一般大衆ど素人には開示される事はないのでしょうが… ドクロ ) 。


 ただ、いずれにしても、そのような科学的な研究成果とは別に、緊密な関係があるものという意識のもとにおいて伝承されてきたという事実は事実としてあるのも一方の真実ではあるのあって、この 『 マンジュシュリー・ナーマ・サンギーティー 』 すなわち 『 聖妙吉祥文殊師利真実名経 』 というテキストが貴重な教えである事には変わりはないとは思いますが…。


 …、あれ はてなマーク


 おかしいですね、今回も実話系ホラー・コミックの話ではなく、また抹香くさいお話になってしまったようであります ドクロ


 まぁ、それはそれとして、そのほか、この 『 聖妙吉祥文殊師利真実名経 ( マンジュシュリー・ナーマ・サンギーティ ) 』 と呼ばれているお経についてもいろいろとあるわけなのですが、ここでこれ以上なんやかやと書いてしまうと、それが亦どこぞの阿闍梨にコピペされてパクられたりして、もって私の煩悩が増大する因となってしまうので自制しておくことにします。


 ちなみに、もう一つ、何やらインド風味の音楽が延々と流れているだけではありますが、上のルンの動画と同時再生して聞き入ると面白いのではないかと思われる動画もありましたので、それも下に貼っておきます。どうぞお楽しみくださいませ。



MANJUSHRI-NAMA-SAMGITI
❤☀ KHENCHEN PENTSE RINPOCHE